2015年3月12日木曜日

自民 憲法審査会再開へ

 自民党は来週にも与野党が参加する衆院憲法審査会を再開させ、改憲項目を絞り込むための議論を始める方針です。
 自民党の船田元・憲法改正推進本部長は2月26日の党会合で、各党間に共通するテーマとして、「環境権」などの新しい人権設定、財政規律、緊急事態の取り決め−−の三つを提示しましたが党内のベテラン議員からは「勝手にテーマを決めている」と反発する声が上がるなどして、合意を得られるかは不透明です
 
 またこれまで一貫して「環境権」を加憲することを主張してきた公明党も、他国で訴訟のきっかけになっているとしていまは「否定的に傾いている」と言われています。
 
 野党では、維新の党は改憲に前向きですが、民主党は「安倍首相が進める改憲には協力できない」と拒否しています
 
 というわけでスムーズに進められる見込みはありません。
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自民方針:改憲項目絞り込み議論 憲法審査会再開へ
毎日新聞 2015年03月10日
 自民党は来週にも与野党が参加する衆院憲法審査会(保岡興治会長)を再開させ、改憲項目を絞り込むための議論を始める方針だ。保岡会長は、中山太郎元外相ら歴代の審査会長らによる懇談会を発足させ、幅広い合意形成を目指す。ただ、与党内にも改正のテーマや手法を巡って異論があり、野党側には安倍晋三首相の手法への警戒感がある。先行きは見通せない。
 
 このため、8日の自民党大会で採択した15年運動方針では「憲法審査会や各党と連携し、憲法改正原案を検討、作成することを目指す」と「連携」を明記した。保岡氏は、中山氏のほか、民主党の仙谷由人元官房長官も含め、歴代の衆院憲法審査会長らによる懇談会を発足させ、審査会の議論を優先させる考えだ。
 
 自民党の船田元・憲法改正推進本部長は2月26日の党会合で、憲法改正で各党間に共通するテーマとして、「環境権」などの新しい人権設定▽財政規律▽緊急事態の取り決め−−の三つを提示し、9条改正は2回目以降の改正のテーマとなる可能性を示唆した。民主党や公明党を念頭に、合意形成を優先したテーマ設定だ。
 
 しかし、会合では「9条も含めて一度で多くの改正に挑戦すべきだ」との意見が出たほか、ベテラン議員からは「勝手にテーマを決めている」と反発する声が上がる。党内での合意を得られるかは不透明だ。一方で、9条改正に慎重な立場の公明党からは、環境権について、他国で訴訟のきっかけになっているとして「否定的に傾いている」(党幹部)との声もある。
 
 野党では、維新の党は改憲に前向きだが、民主党内からは「安倍首相が進める改憲には協力できない」との声も漏れる。枝野幸男幹事長は9日、国会内で記者団に「自民党だけで変えるならいろいろ方針を立てたらよい」と自民党主導で改憲論議が進むことに不快感を示した。【阿部亮介、村尾哲】