2015年3月5日木曜日

ワシントンがロシアに対して行った暗殺戦術

 反プーチン運動のリーダーであったネムツォフがロシアで射殺された事件について、西側のメディアは例によってプーチンによる暗殺であるという大宣伝を行っていますが、アメリカのやり方を熟知している人たちからは、逆にアメリカが行った謀略事件だとする見方が示されています。
 
 エリツィン大統領時代のロシアはすべてがアメリカの言うがままで、アメリカの属領となったというのがロシア国民の評価です。
 エリツィンはアメリカ系やユダヤ系を含む新興財閥オリガルヒを輩出させたため、ロシアの富は彼らによって収奪されました。
 そこからロシアを取り戻したプーチン大統領へのロシア国民の信頼は絶大で、いまアメリカによって経済封鎖されて苦境にある中でも、プーチン大統領の支持率は85%を維持したままです。
 
 それに対してエリツィン大統領時代に首相を務めたネムツォフの人気は低くて5%に留まっています。
 圧倒的な人気を維持しているプーチン大統領が、ネムツォフが反プーチン集会を計画したからといって公道(橋の上)でこれ見よがしの『必要性の全くない』暗殺をする筈がありません
 そんなことをすればその結果がどうなるかを、プーチンは熟知しているからです。
 
 3日版の「マスコミに載らない海外記事」によれば、2年前にプーチンが、「いずれロシアを悪魔化するために『外国組織がロシア国内で暗殺を偽装した事件を起こす可能性がある」ことに言及したということです。
 どうも、西側が今では全く沈黙している「マレーシア旅客機撃墜事件」と同じ種類の臭いを感じざるを得ません。そしてプーチンがそうした問題を決して深追いしないでいるところが、オバマなどとはスケールの違うところです。
 
  同ブログは1日付でも、ネムツォフ暗殺: 反プーチン偽装作戦」とする記事を掲げています。
 「ネムツォフ暗殺: 反プーチン偽装作戦」 
(マスコミに載らない海外記事 2015年3月1日)
 
 「櫻井ジャーナル」( http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/ )も
 4日版=「米国の手先だと知られたネムツォフの露国での影響力はなく、プーチンに命を狙われる理由もない」
 1日版=「ネムツォフ殺害でもロシア国内は混乱せず、米国に対して抱いていた幻想が消えかかっている可能性」 
 などで同じ趣旨の主張をしています。
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ワシントンがロシアに対し暗殺戦術を使うだろうと予測していたプーチン大統領
マスコミに載らない海外記事 2015年3月 3日 
Paul Craig Roberts 2015年3月1日
The Sakerが、欧米マスコミがロシアを悪魔化するのに活用できる“不本意な受難者”を生み出すため、外国組織がロシア国内での偽装暗殺を利用するのではないかというロシア政府の懸念を語る二年前のプーチン発言、翻訳付き一分間ビデオを載せている。
 
The Sakerの報告
http://www.globalresearch.ca/the-boris-nemtsov-assassination-russias-non-system-opposition-refuses-to-blame-the-kremlin/5434206 によれば、ワシントンが資金提供するロシアの反政府派は、ワシントンが望んだ通りには、欧米の反プーチン・マスコミ・キャンペーンに乗っていない。ひょっとしたら、ワシントンが資金提供しているロシアNGOは、ウクライナの出来事を観察していて、賢くなったのかも知れない。“更なる民主主義”の代わりに、ウクライナが得たのは、ワシントン傀儡政権で、それがウクライナなけなしの最後の金を負ける戦争で無駄にしているのだから。
 
ネムツォフ暗殺の一番それらしい説明は、ネムツォフは、プーチンの85%に対し、5%しか支持がなく、反政府政治家として、すっかりマイナーな存在と化したネムツォフは、生きているより、亡くなった方が、価値が高まるとCIAが判断したというものだ。だがこの策略は、もしそういうものだったとすれば、ロシア国内では機能しない。
 
ネムツォフ暗殺が、ロシアを不安定化するためのCIA戦術だという状況証拠の一部は、アメリカ・マスコミの大合唱だ。ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ウオール・ストリート・ジャーナル、NPR、そしてその他の売女マスコミが、プーチンの責任だとほのめかす記事を一斉に報じている。スティーブン・レンドマンは、アメリカ・マスコミが、ワシントンのプロパガンダ説明を無批判に奉じる様子を追跡する上で良い仕事をしてくれた。 http://sjlendman.blogspot.com  
 
2月28日 NPRの報道は、ネムツォフは実際、プーチンのライバルで、国民は二人の支持で、二分しており、プーチンはライバルを始末したのだと主張する、亡命中の反体制派ロシア人の音声だった。この卑劣なタワゴトへの反対意見は何も放送されなかった。かつて、NPRが草の根の意見を報じた時もあった。現在、NPRは共和党のものであり、企業にとって、広告収入の方が、視聴者の寄付よりも大きい。
 
もしロシアの調査が、CIAの関与を発見しても、ロシア政府はそれを静かに置いておくだろう。ロシア政府のせいにするために、用済みのロシア政治家を殺害したワシントンの大胆さなどと公言すれば、戦争を意味することになる。プーチンは、ワシントンとは違い、戦争を望んではいない。もし容疑者が見つからなければ、隠蔽の様に見えてしまうだろう。だから誰かに罪をなすりつける必要がある。ロシア警察は、ネムツォフが銃撃された時に一緒にいた魅力的な若い女性が、殺人の鍵である可能性があることを既に示唆している。ネムツォフは、危険な人物、恐らくは、ロシア・マフィアのメンバーの私有地に侵入していたのかも知れない。
 
これまでのあらゆる物事と同様、アメリカ国民は、売女マスコミから、ワシントンの権益に合致する言い分だけを聞かされる。アメリカ・マスコミに依存する人々全員、一体なぜネムツォフが暗殺されたのか、あるいはこれに関するいかなることも、決して学ぶことはなかろう。
 
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