2018年5月29日火曜日

29- 日ロ会談は成果ゼロ 安倍首相はプーチンに見切られた

 安倍首相は国会審議から逃げるようにロシアに向かい、自らが21回目の「個人的な信頼関係」と喧伝する安倍・プーチン会談をおこないましたが、何の成果もありませんでした。
 日刊ゲンダイは「これだけ成果のない首脳会談が、かつてあっただろうか」と述べ、天木直人氏は「想像をはるかに超える不毛な会談」だと酷評しました。日本のメディア紙も同様な見方をしています。
 
 日刊ゲンダイと天木直人氏は、プーチン大統領は、先行きの不明な安倍首相との本気の会談は考えていないのではと見ています。
 またプーチン大統領は、かねてから北方領土問題について「日本に渡せば米軍基地をそこに作るということであれば返還は出来ないと明言しています。それに対して日本は日米安保条約(日米地位協定)で北方領土に米軍基地を建設するのを拒否することは出来ないと述べています。こんなことでは「北方領土返還」などと口にすること自体が無駄なことです。
 何故、日本は「北方領土は例外に」と対米交渉をしないのでしょうか。
 
 同じ状況下でも韓国は、既に「米韓地位協定」を改善し、対米交渉によって「米韓合同委員会」の記事録の公開を勝ち取っています。日本は「日米地位協定」や「日米合同会議」などをいたずらに聖域化するだけで、そうした努力は一切行っていません。
 そうした環境整理を全く行わずに安倍・プーチン会談の回数を重ねてみても無意味です。
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日ロ会談は成果ゼロ プーチンに見切られた安倍首相の末路
日刊ゲンダイ 2018年5月28日
 国会審議から逃げるように向かったロシアでプーチン大統領との首脳会談を終え、27日帰国した安倍首相。会談でプーチンに48分の遅刻を食らった上、懸案事項もことごとく進展ナシ。今回で21回目の会談になることから“個人的な信頼関係”と喧伝していたが、安倍首相は頼みのプーチンにも見切られたようだ。
 これだけ成果のない首脳会談が、かつてあっただろうか。一致したという「北の非核化に向けた連携」や「米朝会談成功の後押し」は、蚊帳の外の両国には「天気の話」のようなものだ。両国間の懸案へのロシアの対応は冷淡だった。
 
「北方領土問題は具体的な進展は一切なく、元島民は残念がっています。元島民らによる航空機を使った北方四島への墓参を7月に行うと発表しましたが、これは昨年も行っていて目新しいことではありません。安倍首相が目玉にしている北方領土での共同経済活動は、事業化を目指していたウニ養殖やイチゴ栽培について、合意できたのは調査団の派遣にとどまりました。想定以下で“マイナス回答”でした」(外交関係者)
 
 首相官邸のインスタには、秋田犬を抱くサギトワ選手と一緒の安倍夫妻が載っているが、これだって安倍首相の成果じゃない。
 
■プーチンが48分遅刻も
 首脳会談はロシア側の都合で48分も遅れた。プーチンが、日ロ会談の開始予定時刻に突然、新たに任命された閣僚とのミーティングを開いたからだ。安倍首相はホテルの部屋で待機を強いられた。ロシア側の強い意向で、会談後の共同記者会見での記者質問は一問もできなくなった。
 
  プーチンは3月に大統領選に勝利したばかり。大統領の任期は2024年までだが、その後も首相でトップに居座る可能性もある。一方の安倍首相は“内憂外患”で9月の3選も雲行きが怪しい。タップリ時間があるプーチンは焦る必要なし。瀕死の安倍首相を足蹴にしてもおかしくない。元外交官の天木直人氏が言う。
「ロシアの対応はうなずけるところがあります。プーチン大統領には、事務方から、安倍首相がモリカケなど国政で行き詰まっていることや、秋の3選が危ないことなどが詳細に報告されているはずです。プーチン大統領が、先が長くない安倍首相を相手に話を詰めても意味がないと思っているのです。他国の首脳も安倍首相を同じように見ています。首脳相手に何を言っても相手にされないでしょう」
 
  国会審議を放り出して、ノコノコ海外に出向くのはやめたらどうだ。 
 
 
想像を絶する不毛に終わった安倍・プーチン首脳会談
天木直人のブログ 2018年5月28日
 きょうの各紙が本当の意味で、安倍・プーチン首脳会談の結果を書いた。
 想像をはるかに超える不毛な会談だったことがわかる。
 どの新聞も成果がなかったと書いている。
 ここまで酷評される首脳会談など見たことがない。
 笑ってしまったのが読売新聞だ。
 きのうの予定稿の記事と同じ事を書いている。
 事前と事後でまったく同じだ。
 やらなくてもよかったということだ。
 疑惑から逃れるために夫婦そろって無意味な外遊に明け暮れたという事である(了)