「高度プロフェッショナル制度(高プロ制度)」は高所得の一部専門職には、残業代を支払わず労働時間規制から外す制度で、過労死の惧れを増大させるものです。
当初こそ年収1075万円以上の専門職と歯止めがありますが、適用範囲は将来、省令でいくらでも拡大することが出来ます。
「全国過労死を考える家族の会」や日本労働弁護団などは16日、「高プロは死人が増える制度」でその導入は認められないとして、法案から削除するよう求める緊急共同声明を発表しました。
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働き方改革:高プロ導入、法案から削除を…遺族ら緊急声明
毎日新聞 2018年5月16日
過労死の遺族などでつくる「全国過労死を考える家族の会」や日本労働弁護団などは16日、働き方改革関連法案に盛り込まれた「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)の導入は認められないとして、法案から削除するよう求める緊急共同声明を発表した。家族の会は、安倍晋三首相に対して法案採決前の面談を申し入れたことも明らかにした。
高プロは高所得の一部専門職を労働時間規制から外す制度。この日、過労死遺族らは黒い衣服に身を包み、厚生労働省で記者会見した。夫を過労自死で亡くした家族の会の寺西笑子代表は「高プロは死人が増える制度だ。これ以上悲しい遺族を増やさないでほしい」と訴えた。
高プロは、企業に労働時間の管理義務が無いことから、労災申請時に必要な労働時間の証明が難しくなると指摘されている。31歳で過労死したNHK記者の佐戸未和さんの母恵美子さんは「労災申請さえもできなくなり、死人は増えても過労死は減るという事態が起こる。死んでも自己責任で片付けられ、苦しむのは残された遺族だ」と声を震わせた。【市川明代】