28日の予算委集中審議で、立憲民主党の長妻昭議員から“利害関係者である加計理事長が、安倍首相や首相秘書官と会食したり食事代を支払うのは問題ではないのか”と指摘されると、安倍首相は「食事の見返りに特区に入れたかのごとくの言い方だ」「みんなそういう印象をもっているんですよ!」などと逆ギレし、「私が ~ たとえば焼肉をごちそうしてもらいたいからそんなことするって、これ、考えられないですよ!」と、得意の「はぐらかし戦法」でかわそうとしました。
しかし利害関係者とのそうした付き合いは「大臣規範」にも反するもので、当然慎むべきものです。
この件で、安倍首相は焼肉のご馳走のレベルの問題にしようと「印象操作」しましたが、実は安倍首相と加計理事長との関係はそんな生やさしいものではありません。
週刊新潮や週刊文春によると、加計理事長は次のように悲鳴を上げています。
◎「彼とゴルフに行くのは楽しいけど、おカネがかかるんだよな。年間いくら使って面倒を見ていると思う?」(「週刊新潮」2017年3月16日号)
◎「(安倍氏に)年間1億くらい出しているんだよ。あっち遊びに行こう、飯を食べに行こうってさ」(「週刊文春」2017年4月27日号)
また、かつて安倍氏は「加計さんは俺のビッグスポンサーなんだよ。学校経営者では一番の資産家だ」と話していたという、安倍氏に近い関係者の証言もあります。
こうした実態を隠しておいて国会で逆切れするとは、もしもそれが演技であるのなら、なかなか「堂に入った」ものです。
LITERAの記事を紹介します。
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安倍首相「焼肉くらいで」発言のまやかし!
加計理事長の接待は焼肉だけじゃない、年間1億円の報道、昭恵夫人支援も
LITERA 2018年5月30日
「(2015年2月25日に)お会いしたことはない」。一昨日おこなわれた集中審議で、安倍首相は「獣医大学いいね」と言ったという加計孝太郎理事長との面談を、加計学園から出された仰天コメントを使って否定した。
加計学園のコメントはいわば“安倍首相の名前を使って愛媛県と今治市を騙した”という詐欺行為を告白した内容だ。普通に考えれば、「加計は詐欺師だ!」と激昂しても不思議はないのに、しかし安倍首相は「抗議する理由がない」と知らん顔……。これまでも佐川&柳瀬の総理護衛コンビによる茶番劇が国会で繰り広げられてきたが、そのなかでも今回の“加計コメントを受けた安倍首相の一人芝居”は群を抜いて酷いシナリオとしか言いようがない。一体こんな穴だらけの下手な嘘を、どうやって信じろというのだろう。
だが、安倍首相は一昨日、もうひとつ噴飯モノの話をはじめた。それは、加計理事長と繰り返し会食やゴルフに興じてきた“接待疑惑”を指摘されたときのことだ。
安倍首相は、「(加計氏は)私が国会議員になる前からのずっとの付き合い」だと主張すると、「こちら側も相当ごちそうしている」「ゴルフは費用がかかるから、それはこちら側ですべてもっている」「焼肉屋の場合はこちらが払ってる場合もありますし」と、いつもの通り証拠も何もないままざっくりした記憶を並べ立て、「贈収賄になるとはとても考えられない」と強弁。何をトチ狂ったのか、ついには「(会食の)その後も、家でもう1回食べるってことも(ある)」などと言い出した。
接待を受けたあとに家でシメのお茶漬けをかき込めば贈収賄にならないって、それはどんな理屈なのだろうか。もうさっぱり意味がわからないが、さらに安倍首相は、“利害関係者である加計理事長が、安倍首相や首相秘書官と会食したり食事代を支払うのは問題ではないのか”と追及した立憲民主党の長妻昭議員に対して、「食事の見返りに特区に入れたかのごとくの言い方だ」「みんなそういう印象をもっているんですよ!」などと逆ギレ。そして、こうまくし立てたのだ。
「私が食事をごちそうしてもらいたいから国家戦略特区で特別にやるって、たとえば焼肉をごちそうしてもらいたいからそんなことするって、これ、考えられないですよ!」
新潮、文春が報じた加計理事長の「カネがかかる」「年間一億出してる」発言
いやいや、「焼肉をゴチになったから、そのお返しに」というかたちで特区が決まったなんて誰も言っていないし、思うわけがない。むしろ、「加計さんは長年の友人だ」と強調し、あたかも学生同士のカジュアルな付き合いのなかでおごってもらったかのように「印象操作」しているのは、安倍首相のほうではないか。
そして、安倍首相と加計理事長の仲は、そんな「焼肉をおごる・おごられる」というような庶民的なものではけっしてない。「腹心の友」という言葉がもつ清いイメージとは裏腹な、「ズブズブの関係」と表現すべき間柄だ。
そもそも、安倍首相より3歳年上の加計理事長が出会ったのは、留学先である南カリフォルニア大学のキャンパスだったことは周知の通りだが、当時はそれほど仲が良かったわけではないという。
加計問題を追いかけるジャーナリスト・森功氏の『悪だくみ 「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』(文藝春秋)によれば、ふたりが接近したのは帰国後、安倍が神戸製鋼に就職して以降。昭恵夫人がFacebookに投稿した、2015年のクリスマスイブに撮られた“男たちの悪だくみ”写真にも写っている三井住友銀行・元副頭取で現在、金融庁参与である高橋精一郎氏と週末に大阪で遊ぶようになった際、そこに加計氏も加わるようになってからだという。当時、すでに学園の副理事長という立場にあった加計氏は、羽振りも良かったらしい。
〈いきおい彼らの遊びは、もっぱら時間と資金力のある加計任せだ。加計が安倍に声をかけ、それに応じるかっこうで、盟友関係がのちのちまで続く〉(『悪だくみ』より引用)
実際、その後のふたりの関係を赤裸々に物語るかのような報道がなされたこともある。「週刊新潮」(新潮社)や「週刊文春」(文藝春秋)では、加計理事長が口にしていたという、こんな発言が紹介されている。
「彼とゴルフに行くのは楽しいけど、おカネがかかるんだよな。年間いくら使って面倒を見ていると思う?」(「週刊新潮」2017年3月16日号)
「(安倍氏に)年間1億くらい出しているんだよ。あっち遊びに行こう、飯を食べに行こうってさ」(「週刊文春」2017年4月27日号)
さらに、「安倍に近い関係者」もまた、かつて安倍がこのように話していたと証言しているのだ。
「加計さんは俺のビッグスポンサーなんだよ。学校経営者では一番の資産家だ」
これらの発言が事実ならば、安倍首相が強調する“長年の友人関係なのだからおごられることもある”という関係とはまったく違い、加計理事長は意識的に「年間一億」もかけて安倍首相の「面倒を見て」おり、一方の安倍首相も加計理事長のことを「スポンサー」として認識していることになるだろう。「焼肉をおごられた」なんて次元の話ではまったくないのだ。
安倍首相のため選挙活動に協力、昭恵夫人が取り組む活動をバックアップ
だいたい、安倍首相と加計理事長は、わかっているだけで年に数十回、会食したりゴルフをする「お友だち」以上の関係であることは間違いない。現にこれまでにも、2009年の総選挙では安倍のために加計学園が職員に“出張命令”を出して選挙活動に動員していたことが発覚。また、加計理事長は「自由民主党岡山県自治振興支部」の代表者として政治資金収支報告書に名を連ね、同支部の所在地も加計学園グループの予備校である英数学館岡山校の住所が記載されていた。
しかも、その関係は安倍本人だけにとどまらない。安倍が結婚してからは、加計理事長は昭恵夫人とも仲を深め、昭恵夫人が取り組むミャンマーの教育支援を加計学園が協力している。つまり、安倍の政治活動や妻である昭恵氏の活動まで、加計理事長はバックアップしてきたのだ。
会食やゴルフというのは、それこそ首相動静にも出ている「オフィシャル」の情報にすぎない。実際には、このように加計理事長は安倍夫妻にとって公私ともに多大な「面倒」を見てくれている相手なのだ。その「見返り」として国家戦略特区での獣医学部新設を動かしたのではないか。そういう疑いの目を、いま安倍首相は向けられているのだ。
そもそも、会食やゴルフにしても、けっして見逃がせない問題だ。大臣規範には〈関係業者との接触に当たっては、供応接待を受けること、職務に関連して贈物や便宜供与を受けること等であって国民の疑惑を招くような行為をしてはならない〉とある。だからこそ安倍首相は、加計学園の獣医学部新設計画をはじめて知った時期を、当初は「構造改革特区で申請されたことは承知をしていた」「私は議長だから国家戦略特区に申請をすれば私の知り得るところになる」と答弁していたのに、「2017年1月20日の特区諮問会議」だと前言撤回したのだ。
野党はずっと加計理事長の証人喚問を要求しており、一昨日の集中審議で要求が出されたが、与党はこれを拒否した。いくら安倍首相が潔白を叫んでも、これでは「やましい関係」であることを証明づけているようなものである。 (編集部)