安倍政権が内政でも外交でも危機に陥るもと、19日、「平和・民主・革新の日本をめざす全国の会」(全国革新懇)は第38回総会を開きました。
革新懇代表世話人の志位和夫氏は特別発言を行い、「絶対に負けられない三つのたたかい」として、(1)憲法9条改定の阻止 (2)新潟県知事選 (3)11月の沖縄県知事選 ― をあげました。絶対に達成したいものです。
「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の山口二郎法政大教授が来賓の挨拶をしました。しんぶん赤旗がその要旨を報じていますので併せて紹介します。
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安倍政治終わらせ、新しい政治を 革新懇が総会
志位委員長が特別発言 市民連合・山口氏あいさつ
しんぶん赤旗 2018年5月20日
「平和・民主・革新の日本をめざす全国の会」(全国革新懇)は19日、都内で第38回総会を開きました。安倍政権が内政でも外交でも危機に陥る下で新たな市民運動のうねりが生まれ、安倍政権打倒と新しい政治への転換が現実の課題となっている歴史的情勢での総会となりました。
いまこそ市民と野党の共闘の発展へ革新懇運動を飛躍させようと活発に討論が行われ、来賓として「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の山口二郎法政大教授があいさつ。山口氏は「保守、革新を超えて日本の民主主義、良識を守ろう。地域でのたたかいをさらに力強く」と訴えました。
日本共産党の志位和夫委員長(全国革新懇代表世話人)が特別発言を行い、(1)市民と野党の共闘の到達と展望 (2)当面する共闘のたたかいの三つの焦点 (3)参院選での勝利・躍進―について発言。「絶対に負けられない三つのたたかい」として、(1)憲法9条改定の阻止 (2)新潟県知事選 (3)11月の沖縄県知事選―をあげました。参院選では「本気の共闘がつくれれば、情勢の激変は可能」だと述べ、豊かで魅力ある共通政策づくりの土台に、市民と野党の共闘の「一丁目一番地」である安保法制廃止をすえる意義を改めて強調し、共闘勝利と共産党躍進への決意を表明しました。
「報告と提案」を行った笠井貴美代代表世話人(新日本婦人の会会長)は、共闘の「架け橋」「推進力」である革新懇運動を、日米安保条約などの各分野で取り組もうと提起。辺野古新基地阻止へ全国が沖縄に連帯する6月3日の「沖縄のつどい」の成功や、セクハラ問題に関して「個人の尊厳」を根づかせる運動などを呼びかけました。
沖縄革新懇の宮城達事務局長は特別発言で「翁長雄志知事を先頭に、新基地反対の県民の意思は全く揺るがない。全国と連帯し必ず知事選で勝利する」と訴えました。
討論では中小企業や農業、子育て、青年、宗教者など各分野での安倍暴走政治に対決する共同の広がりを報告。「改憲阻止のたたかいで共同を広げ、次の国政選挙で勝利したい。改憲阻止へ13地域で市民アクションが新たに結成された」(東京)、「『本気の共闘』を地域からも進めるため革新懇づくりが大事。子どもの医療費など地域の要求運動でも選挙でも力を発揮したい」(香川)などと述べました。
総会では、原発再稼働の是非を最大争点とし、安倍政権への審判の場ともなる新潟県知事選(24日告示、6月10日投開票)で、野党統一候補の池田ちかこ氏の勝利をめざす特別決議を採択しました。
全国革新懇第38回総会 市民連合・山口二郎氏あいさつ(要旨)
しんぶん赤旗 2018年5月20日
19日の全国革新懇第38回総会で、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」を代表してあいさつした山口二郎法政大教授のあいさつ(要旨)を紹介します。
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市民と野党の協力で安倍政権を倒す、憲法を守るという運動を2016年の参院選挙前から進めてきました。市民と野党の共同・共闘には革新懇のみなさんに大変なご尽力をいただいており、深い敬意を申し上げます。
日本の政治の劣化は前代未聞です。今年3月、森友、加計問題でさまざまな犯罪が明らかになりました。もう安倍政権も終わりかと思いましたが、恥を知らない人たちというのは、本当に始末におえない。これだけの権力犯罪が露呈したにもかかわらず、まだ安倍政権は権力の座にしがみついています。
最近の国会論議はSFの世界といいますか、フランスの不条理劇のようです。言葉が全然通じない。日本語が崩壊している。議論をそもそも否定するような状況です。これが続くと、ばかばかしくなって政治を論じることがいやになる。おかしいことをおかしいという人間が無力感に陥る。これが安倍政権の狙いでしょう。力を使わない言論の抑圧。安倍政権は21世紀型の言論の抑圧を発明した。とんでもないことです。
学者の世界に関しても「反日的」な学者に公的な研究費を出すのはけしからんという議論があります。安倍政権を批判する学者を「反日的」「国益に反する」とはとんでもない思い上がりです。むしろ私もみなさんも、民主主義や憲法を破壊する安倍政権を批判することこそが、国益なわけです。事態は、1935年の天皇機関説事件を想像させます。学者が孤立し、黙らされる。自由が失われ、軍国主義・全体主義がはびこった歴史を繰り返してはいけません。
来年の参院選では1人区で一本化するだけはなく市民と野党の力で、一人でも多くの候補を勝たせましょう。参院でねじれ状態をつくりだすことが、安倍改憲策動を防ぐ最も有効な手だてです。このたたかいは、従来の立場を超えて、日本の憲法、民主主義、近代社会として当然あるべき良心、これを守るかどうかです。革新懇のみなさんが、地域レベルで立場を超え、民主主義を守る運動を広げていくことを心からお祈り申し上げます。