FNN(フジテレビ)が取材したところによると、4月27日の南北首脳会談で、文在寅大統領が、金正恩委員長に日本人の拉致問題を提起した際、金委員長が「なぜ、日本は直接言ってこないのか」と語っていたということです。
このことは、当然、北は「いつでも日朝会談に応じる」という言葉と共に直ちに文大統領から安倍首相に伝わった筈ですが、何も聞かなかったかのようにして1日からの外遊に出掛けたのでした。そして、帰国後も別荘でゴルフに興じたことは報道されましたが、文大統領に交渉の門戸を開いてもらったにもかかわらず、拉致問題については一切語りませんでした。それどころかその後も河野外相とトーンを合わせて、北への制裁と圧力の継続を世界に訴え続けて来ました。
逆に聞こえて来たことと言えば、「日本政府は、日朝首脳会談の年内の開催を目指し、調整を開始する方針を固めた(7日フジテレビ)とか、「日朝会談を行う以上、成果が見込まれなければダメだ。何がベストかを検討したい」(7日夕刊フジ)などという、まさに「異次元」とでもいうべき、拉致問題を解決する熱意や努力を全く感じさせない言葉だけでした。
肝心なこの時に、一体 拉致問題を解決しようとする気持ちがあるのか、ちっぽけな自分の体面がそんなに大事なのか、「拉致問題の安倍」と豪語した挙句がコレなのかという思いです。
フジテレビのニュースを紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「なぜ日本は直接言ってこないのか」金委員長 拉致問題で発言
FNN(フジテレビ) 2018年5月10日
4月27日の南北首脳会談で、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長に日本人の拉致問題を提起した際、金委員長が「なぜ、日本は直接言ってこないのか」と語っていたことが、FNNの取材で明らかになった。
政府関係者によると、南北会談で文大統領から、日本が拉致問題の解決を求めていることを伝えると、金委員長は「韓国やアメリカなど、周りばかりが言ってきているが、なぜ日本は、直接言ってこないのか」と語ったという。
拉致問題に関する金委員長の発言が明らかになるのは、これが初めて。
この発言は韓国側から伝えられたもので、政府は、金委員長の発言の真意を慎重に見極めることにしている。
政府は、近く行われる見通しの米朝首脳会談のあと、年内の日朝首脳会談を目指して調整を本格化させる考えだが、金委員長の発言を受け、拉致問題についても水面下の交渉が進む可能性がある。