2019年5月11日土曜日

3月の実質賃金、前年比2・5%減 15年6月以来の下げ幅

 厚労省が10日発表した3月の毎月勤労統計調査によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比25%減少しました。2015年6月以来の下です。賃金が低いパートタイム労働者の比率が増加したことが減少につながったと見られます
 名目賃金でも1人あたりの現金給与総額は前年同月比19%減の27万9922円でした。
 
 安倍政権が得意とする虚飾を剥ぎとれば実態は斯くの如しで、先進国のなかで長きにわたり名目賃金(実質賃金も)が減少しているのは日本だけです。
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3月の実質賃金、前年比25%減 2015年6月以来の下げ幅 毎月勤労統計
日経新聞 2019/5/10 8:30
厚生労働省が10日発表した3月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比2.5%減少した。2015年6月以来3年9カ月ぶりの低下幅となる。相対的に賃金が低いパートタイム労働者の比率が増加したことが減少につながった。
名目賃金にあたる1人あたりの現金給与総額は前年同月比1.9%減の27万9922円だった。基本給にあたる所定内給与が0.9%減、残業代など所定外給与は3.1%減だった。ボーナスなど特別に支払われた給与は12.4%減だった。
パートタイム労働者の時間あたり給与は前年同月比2.2%増の1148円だった。パートタイム労働者比率は0.77ポイント上昇の31.56%となった。
 
 
3月実質賃金25%減 3カ月連続 対象入れ替え影響か
東京新聞 2019年5月10日
 厚生労働省は十日、今年三月の毎月勤労統計調査(従業員五人以上の事業所)の速報を公表した。物価の影響を考慮した実質賃金は前年同月比2・5%減で、三カ月連続の減少。2・8%減だった二〇一五年六月以来の大幅マイナス。抽出調査の対象事業所を一定期間ごとに段階的に入れ替える「ローテーション・サンプリング」方式を一八年一月から採用し、今年一月にも一部を入れ替えたのが影響したとみられる
 
 基本給や残業代などを合わせた一人当たりの現金給与総額(名目賃金)は1・9%減の二十七万九千九百二十二円。うち基本給などの所定内給与は0・9%減だったが、賞与や通勤手当などの「特別に支払われた給与」が12・4%減の一万七千七百四十七円で、マイナス幅を広げた。
 厚労省は入れ替えなかった共通事業所の動向を見る「参考値」も公表。名目賃金である現金給与総額は0・1%減で、一七年七月以来一年八カ月ぶりのマイナスだった。
 
 厚労省は共通事業所での実質賃金の伸び率を公表していないが、「景気指標として重要」との見方もあり、算出が可能か検討している。