2019年5月30日木曜日

30- 30日の憲法審開催見送り 国民投票法改正、今国会困難に

 与党は24日、一旦、憲法改正手続きに絡む国民投票法改正案の今国会での成立を見送る方針を固めました。これから成立に向けて動いても参院選の前に成立させられなければ、慣例で廃案となるからです。
 
 ところが自民党の二階俊博、公明党の斉藤鉄夫両幹事長らは29日午前、都内で会談し、国民投票法改正案について今国会での成立を目指すことを確認しました。投票法改正案の成立にこだわるのはそれが改憲を進める前提になるからですが、何故公明党が絡むのか不明です。しかもCM規制が全く抜けて、駅や商業施設などに「共通投票所」を設けられるようにするという利便性だけを高める改正案ではお粗末すぎます。
 
 安倍首相の側近である萩生田氏はかつて『真相深入り! 虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)に出演して、「ここまで丁寧に我慢してきた。令和になったらキャンペーンを張るしかない。~ 少し『ワイルドな憲法審査』を自民党は進めていかなければならない」と発言しています。それは安倍首相が「20年に新憲法を施行したい」と述べたことと符牒が合うもので、いつか数の力で強行突破しようとしていることは明らかです。いまは彼らにその口実を与えないことが重要で、安易に投票法改正案を成立させるべきではありません。
 
 その後紆余曲折はありましたが、最終的に30日の憲法審開催見送られたので、与党側が目指す5月中の改正案の衆院通過は事実上不可能となり今国会での改正案成立は一層困難な情勢となりました
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国民投票法改正案の成立目指す 与党幹部が確認
産経新聞 2019.5.29 09:51
 自民党の二階俊博、公明党の斉藤鉄夫両幹事長らは29日午前、東京都内で会談し、憲法改正手続きに絡む国民投票法改正案について、今国会での成立を目指すことを確認した。
 衆院憲法審査会は会期末の6月26日までに定例日が4日しか残っておらず、改正案の会期内成立は厳しい状況。だが、自民党の森山裕国対委員長は記者団に対し「与野党がしっかり協議をしていくという基本を大事にしながら、何としても成立を目指す」と強調した。
 会期延長に関しては「参院に送らなければならない法案は、来週までにめどがつく。必要性は感じていない」と否定的な考えを示した。
 
 
国民投票法改正案、今国会中の成立困難に 与野党対立深まる
毎日新聞  2019年5月28日 21:09 
 与野党は28日、衆院憲法審査会の幹事懇談会で、国民投票法改正案の審議を巡って協議したが折り合わず、改正案の今国会中の成立は困難な状況となった。来月26日までの会期内の成立を目指す与党に対し、野党は参院選で改憲の争点化を掲げた安倍晋三首相の発言で態度を硬化。衆参同日選もささやかれる中、対立は深まっている。
 
 与党は幹事懇で30日に憲法審を開き、改正案の質疑と採決を行うよう提案した。だが、立憲民主党は枝野幸男代表がCM規制の議論を優先するよう求めており、山花郁夫・野党筆頭幹事は「党内の決裁が得られていない」と拒否。自民の新藤義孝・与党筆頭幹事が「(枝野)代表の鶴の一声でできないというのはおかしい」といら立つ場面もあった。新藤氏は記者団に「審査会を動かさず、議論しないことに強い憤りを感じる」とぶちまけた。
 当初、与党は5月中に同改正案を衆院通過させ、会期内に成立させるシナリオを描いていた。ところが首相は「2020年新憲法施行」を目指す考えを改めて示し、17日に「憲法を議論する政党か、議論しない政党か、参院選で訴える」と述べた。首相の強気の姿勢は野党の反発を招き、立憲は同法策定にかかわった枝野氏らの参考人招致を求めるなど抵抗を強めている。野党幹部の一人は「首相が安倍氏で、衆参両院で改憲勢力が3分の2以上を占める中、一角でも崩れない限りは協力できない」と強調した。
 
 与党幹部は採決を拒否する野党の姿勢を「理屈になっていない」と批判したが、「数の力」で採決を強行すれば、選挙戦で「逆風」を招きかねない。与党は29日も野党と協議を続ける姿勢だが、見通しは立っていない。会期末まで1カ月を切り、自民党内で「今国会中の成立は厳しい」との声が広がった。
 もともと与党が昨年6月に同改正案を提出したのは、本格的な改憲議論につなげるためだった。ところが野党はCM規制の問題などに焦点を当てており、審議の先延ばしの「材料」となっている。自民党内では「首相が言う『20年新憲法施行』なんて無理だとみんな思っている。丁寧に議論するから、野党も応じてほしい」(ベテラン)との声も漏れる。【遠藤修平】
 
 
30日の憲法審開催見送り 国民投票法改正、今国会困難に
毎日新聞2019年5月29日 17時31分
 衆院憲法審査会は29日、幹事懇談会を開いた。与党が30日に国民投票法改正案の質疑・採決を行うよう求めたのに対し、立憲民主党はCM規制を巡って枝野幸男代表らの参考人招致を要求してまとまらず、30日の憲法審開催は見送られた。与党側が目指す5月中の改正案の衆院通過は事実上不可能となり、今国会での改正案成立は一層困難な情勢となった。