2019年5月17日金曜日

丸山議員の「戦争」発言の根本には維新の「憲法否定」の体質がある

 丸山穂高議員は、日ロ領土問題で「戦争による領土奪還」を主張して日本維新の会から除名されました。
 こうした発言が飛び出す根本には、日本維新の会自体の、9条否定の根深い体質、常軌を逸する憲法否定の体質があると、しんぶん赤旗が指摘しました。
 
 大阪維新の会創設した橋下徹元代表は、「憲法9条とは、突き詰めると平和には何も労力がいらない、自ら汗はかかない、そういう趣旨」などと決めつけ石原元都知事と共同代表を務めた時代には、同会の綱領に「絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法を大幅に改正」と書き込みました
 吉村洋文大阪府知事は先の大阪12区衆院補選の応援演説で「憲法改正一生懸命やらないのが自民党。情けない」などと自民党に改憲をけしかけています。
 松井一郎代表・大阪市長は、3日の憲法記念日談話「憲法は、必要であれば国会が発議し、国民投票をもって改正する。それが立憲主義の姿」と、また15日の記者会見で「憲法審査会の開催を妨害している国会議員というのは、国民を愚弄しているのではないか」などと述べました
 
 その他に同会の足立康史衆院議員や馬場伸幸幹事長などもそれぞれ改憲を主張しています。維新の会が一貫して安倍首相の改憲策動のお先棒を担いでいることは明白です。
 
 またLITERAは、今回の丸山氏の発言は 少なくとも首相として再登場する前の安倍晋三氏の考え方と変わらないと述べています。興味のあるかたは下記にアクセスしてください。
 
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丸山議員「戦争」発言 根本に何が 維新の「憲法観」をみる
 しんぶん赤旗 2019年5月16日
 日ロ領土問題で「戦争による領土奪還」の発言で日本維新の会から除名された丸山穂高議員  。今回の問題は、除名にとどまらず同氏が議員辞職すべき大問題です。さらにこうした発言が飛び出す根本には、日本維新の会自体の、9条否定の根深い体質、常軌を逸する憲法否定の体質があることを指摘せざるを得ません。(中祖寅一)
 
9条否定の「創設者」
 維新の母体、大阪維新の会の創設者の橋下徹元代表・元大阪市長は、憲法9条について「憲法9条とは、突き詰めると平和には何も労力がいらない、自ら汗はかかない、そういう趣旨だ」などと決めつけ。さらに「9条がなかったときは、他人のために汗をかこう、場合によっては命の危険もあるかもしれないけど、そういう負担もせざるを得ないとやっていた」とさえ述べていました(2012年3月)。
 しかし「9条がなかったとき」とは戦前のことです。戦前の日本では、国民は「汗をかく」どころか「死は鴻毛(こうもう)よりも軽し」(「軍人勅諭」)とされ、国家によって強制的に命を投げ出すことが求められました。
 
 橋下氏が石原慎太郎元東京都知事と共同代表を務めた時代には、同会の綱領に、「絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法を大幅に改正」と書き込みました(13年3月)。石原氏に代表される特異な極右的主張すら受け入れたのです。戦前の軍国主義を賛美する体質を示すものです。
 
安倍改憲の“お先棒”
 こうした思想を背景に維新は、一貫して安倍晋三首相の改憲策動のお先棒を担いでいます
 吉村洋文大阪府知事は4月の大阪12区衆院補選の応援演説で「憲法改正一生懸命やらないのが自民党。情けない。ダイナマイトみたいにボカンと国会でやりたい」などと改憲をけしかけています。
 また松井一郎代表・大阪市長は、3日の憲法記念日に談話を発表し「憲法制定当時、我が国が自衛隊を持ち、海外で平和維持活動をすることを誰が想像しえたであろうか。憲法は、国民的課題として常に議論され、必要であれば国会が発議し、国民投票をもって改正する。それが立憲主義の姿」などとして安倍9条改憲を支持しました。
 
 同日、安倍首相がビデオメッセージを寄せた日本会議系の改憲集会で、維新の足立康史衆院議員は「われわれが提示をした教育無償化に正面から向き合ってくれるのであれば、われわれが憲法9条改正に正面から向き合い、自民党と手を携えて憲法9条改正を前に進めるべきことは明らか」と宣言。「少々だらしない自民党の尻を叩(たた)いて、この令和の時代、2019年にしっかりと憲法改正の国民投票に道筋をつけていく」と述べています。同会は昨年、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置などの改憲案をまとめています。
 
憲法審へ与党と協力
 維新は、衆参の憲法審査会での改憲論議の早期開始を狙う安倍首相や日本会議勢力を支援し、安倍改憲に反対する野党を攻撃し続けています
 15日の日本記者クラブでの記者会見で松井一郎代表は「憲法審査会の開催を妨害している国会議員というのは、国民を愚弄(ぐろう)しているのではないか、民主主義否定だ」と述べました。昨年12月に開かれた日本会議のフロント組織「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の集会では、維新の馬場伸幸幹事長が「(憲法審査会の開催を)妨害しているのは私たちを除く野党6党だ。野党のケツを叩くのは維新の会に任せていただきたい」などと発言しています。
 
安倍首相とエール交換
 「大阪維新の会」の代表だった橋下徹大阪市長(当時)は、市職員に対し、政党支援活動への参加の有無などの思想調査を「業務命令」として実施(12年2月)。内心の自由を侵害する「明白な憲法違反」と厳しく批判され、その後、違憲判決も出ています。また橋下氏が知事時代に大阪府議会で通した「君が代」斉唱と起立を強制する条例(11年5月)により、斉唱時に職員の口元をチェックするという異常な介入まで行いました。
 
 こうした維新政治に対し、政権復帰前の安倍首相は、松井一郎府知事(当時)とのディスカッションで「憲法や教育基本法を含めた戦後体制、戦後レジームから脱却しないと、日本は真の独立ができない」「松井知事と維新の会の条例は、私たちの方向(戦後レジームからの脱却)とまったく合致している」(12年2月)と述べていました。
 
党代表・幹部の体質
 松井代表は丸山氏の発言を受けた13日の最初のコメントでは「武力で領土を取り返すという考えは一切ない」としつつも、丸山氏の発言については「言論の自由なんで、どこのどういう場で、どう発言するのかは」などと容認する姿勢を示していました。批判の高まりの中で厳しい態度に変えましたが、批判的視点の欠如を示しています。
 維新女性局長の石井苗子参院議員にいたっては自身のツイッターで「深酒は普段の鎧(よろい)を剥ぎ取って本心を吐き出させる力がある」とコメントし、発言が丸山氏の「本心」であることを認めています。「本心」自体より、それを表明してしまったことを残念がっているのです。恐るべき「体質」を示しています。