2019年5月21日火曜日

「上皇さま座って見送り」否定 宮内庁、報道に強く反発

 14日、安倍首相が天皇陛下に「内奏」した際の映像を報じたことに対して、野党は「天皇の政治的利用」との見解で一致し問題視しました。
 それに関連して毎日新聞が、15日、
首相は14日夜、新元号発表に関わった首相官邸幹部らと会食。関係者によると、首相は前の天皇陛下はいつも座ったままだったが、今の陛下は部屋のドアまで送ってくださって大変恐縮したと話した
と報じたことについて、宮内庁の西村泰彦次長は20日の定例会見で、上皇さまが天皇だった時には座って首相を見送られていたとの一部報道について、「お座りのままお見送りしたということはあり得ないというのがわれわれの認識」と述べた上で、「上皇陛下に対して極めて非礼で尊厳を傷つける。宮内庁として極めて遺憾だ」と強く批判したということです
 
 西村次長は、官邸に確認したが首相はそのような発言はしていないして、報道側に非があるかのように述べていますが、毎日新聞がそんなことを捏造することはあり得ないし、「関係者」(官邸幹部)が毎日新聞の記者に虚偽の伝達をしたとも思えません。
 同次長は、以前に当時の天皇が「生前退位」についてビデオメッセージで国民に語られた件で激怒した安倍首相が宮内庁に送り込んだ人物なので、首相にダメージを与えることはあり得ません。
 公平に見て「座ったまま云々」の発信源が安倍首相であることは明らかで、彼が明仁天皇陛下(現上皇陛下)に対して数々の非礼をはたらいたことは周知の事実です。
 
 時事通信の記事と毎日新聞の記事(再掲)を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「上皇さま座って見送り」否定 宮内庁、報道に強く反発
時事通信 2019年5月20日 15時43分
 宮内庁の西村泰彦次長は20日の定例会見で、14日行われた天皇陛下への安倍晋三首相の「内奏」に関し、上皇さまが天皇だった時には座って首相を見送られていたとの一部報道について、「お座りのままお見送りしたということはあり得ないというのがわれわれの認識」と述べた上で、「上皇陛下に対して極めて非礼で尊厳を傷つける。宮内庁として極めて遺憾だ」と強く反発した。
 
 毎日新聞は16日付朝刊で、関係者の話として、首相が内奏に関し、「前の天皇陛下はいつも座ったままだったが、今の陛下は部屋のドアまで送ってくださって大変恐縮した」と話したと報道した。
 
 西村次長は、官邸幹部にも確認したが、首相はそのような発言はしていないとのことだったと説明。ただ、毎日新聞社に個別に抗議することは考えていないという。
 
 
天皇陛下への「内奏」 野党が写真公表批判 「天皇の政治利用だ」
毎日新聞  2019年5月15日21時21分
 天皇陛下に対する安倍晋三首相の国政報告「内奏」の写真を宮内庁が14日に公表したことを野党が批判している。立憲民主党など主要野党の国対委員長は15日、国会内で会談し、「天皇の政治利用だ」との認識で一致した。 
 
 首相は14日、皇居・宮殿で天皇陛下即位後初の国政報告を行った。内容は非公表。写真については、2013年12月に史上初めて公開されたが、この時は前の天皇陛下が80歳の誕生日を迎えられたのに合わせたもので、2カ月前に行った様子だった。即日の公表は異例だ。 
 国民民主党の玉木雄一郎代表は15日の記者会見で「民主党政権でも内奏の中身について極めて慎重に、外に出さない対応をしてきた。首相官邸の指示だったのかどうか、経緯と事実を明らかにしないといけない」と述べ、政府に説明を求める考えを示した。共産党の穀田恵二国対委員長も「天皇が代わられた段階で、このように示すやり方は政治利用ではないか」と指摘した。
 
 一方、首相は14日夜、新元号発表に関わった首相官邸幹部らと会食。関係者によると、首相は「前の天皇陛下はいつも座ったままだったが、今の陛下は部屋のドアまで送ってくださって大変恐縮した」と話した。【東久保逸夫】