2019年5月27日月曜日

トランプ大統領がツイッターで“関税密約”を暴露

 トランプ氏は26日のゴルフが終わった直後に、ツイッターで「7月の選挙(複数)が終われば我々は農業と牛肉に関して大きな数字が期待できる」とつぶやきました。
 勿論単なる期待を述べたのではなく十分な確証に基づいた発言で、安倍首相から選挙が終わるまでは口外しないようにと懇願されているので、「期待」という言葉を使ったのでしょう。そうなるであろうことは公にはしないだけでメディアも分かっていることです。
 トランプ氏にすれば、国益に適ったことをしてそれで農民票を得られるのだから疚しい点は何もありません。許せないのは、トランプ氏に迎合して国益を投げ出しながら、そのことを選挙前には国民に隠蔽しておくという安倍首相の考えです。
 
 トランプ氏の要求は農産品に限定されるものではありません。次には日本車の輸入規制で米国自動車界の支持を確実にした上で、さらにあらゆる要求を突き付けてくるでしょう。トランプ氏はかつて米国の記者に対して「シンゾーは脅かせばいくらでも言うことを聞く」と語っています。
 
 しかしそこまで日本の農業に致命的な打撃を与えることをしても、それを隠蔽したまま選挙に臨めば勝てるとは、日本の農協も随分見くびられたものです。
 そこまで見透かされて参院選で負けるのであれば、安倍首相としては、消費増税問題とは無関係に衆参同時選挙に打って出るしかないのではないでしょうか。
 
 LITERAがトランプ氏のツイッターを取り上げました。
 日刊ゲンダイは、永田町で話題になっている「619日に予定されている党首討論から解散までの日程を記した出所不明の“怪メール”」を取り上げました。
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トランプ大統領がツイッターで、安倍首相の国民騙す“関税密約”暴露!
「日本の7月の選挙が終われば農業で大きな数字」
LITERA 2019.05.26
 その過剰接待ぶりでアメリカの属国ぶりを遺憾なく見せつけているトランプ大統領来日だが、メディアは案の定、批判することもなく「ゴルフ後の昼食はダブルチーズバーガー」「トランプ大統領の登場で国技館も大盛り上がり」などと騒いでいる。ところが、そんななか、トランプ大統領が自らTwitterで安倍首相による“国益差し出し”の裏取引を暴露した
 トランプ大統領はゴルフ後の本日13時39分、自身のTwitterにこう投稿したのだ。
〈Great progress being made in our Trade Negotiations with Japan. Agriculture and beef heavily in play. Much will wait until after their July elections where I anticipate big numbers!〉
日本との貿易交渉で非常に大きな進展があった。農業と牛肉でとくに大きなね。日本の7月の選挙が終われば大きな数字が出てくる、待ってるよ!)(訳は編集部による)
 
 周知のように、アメリカ抜きの環太平洋経済連携協定(TPP)の発効によって、アメリカの農業界では、日本の農産物関税引き下げへの圧力がこれまで以上に高まっており、アメリカ政府はTPP以上の大幅な関税引き下げを要求しているとされており、トランプ大統領にいたっては、関税撤廃まで口にしている。
 しかし、関税の大幅引き下げがおこなわれれば、日本の農業界が大打撃を受けるのは必至だ。日本政府も表向きこれに対して抵抗を示しており、メディアも今回の来日で「関税交渉の行方はどうなるのか」などと報じていた。
 ところが、きょう、安倍首相がトランプ大統領との笑顔の2ショット写真を嬉々としてSNS上に投稿していた裏で、その大幅引き下げに応じてしまったらしいのだ。しかも、7月におこなわれる参院選が終われば、引き下げに応じるという、国民を騙すような密約だ。
 
 参院選前に妥結すれば日本国内の農業関係者から猛反発を受け、安倍自民党が地方票を大幅に失いかねない。しかし、“トランプのポチ”である安倍首相としては、その引き下げ要求を無下にはできない。だから、安倍首相は選挙が終わった「7月以降」に応じると約束したのである。これは明らかに、選挙のためだけに国益を売り渡すという背信行為ではないか。
 じつは、安倍政権がアメリカの関税引き下げ要求を拒否するのではなく、たんに「参院選後に」と引き伸ばし工作をしているという話は、以前から、本サイトが指摘していた。
 
 それは、4月26日におこなわれた安倍首相とトランプ大統領の10回目となる日米首脳会談で明らかになった。冒頭から記者団がいる前でトランプ大統領は「首相がここにいるのは主に貿易交渉のためだ」「農産物について強力に交渉していく」「日本は重い関税を課している。我々は撤廃させたいと思っている」と農産物の関税撤廃を要求。そして、米メディアの記者に日本との貿易交渉の合意時期を尋ねられると、トランプは「かなり早く進められると思う。たぶん(5月末に)訪日するまでか、訪日の際に日本でサインするかもしれない」と答えていた。
 だが、この発言後に記者団が退室すると、安倍首相はトランプ大統領にこう説明したのだ。
7月の参院選があるから、それまでは無理だ。2020年秋の大統領選のことはきちんと考えている」(読売新聞4月28日付)
 
 その後、政府はこの「参院選以降なら関税大幅引き下げに応じる」という方向でずっと米政府と交渉を続け、今回の来日でも、トランプ大統領の気が変わらないように、まるで下僕のような過剰接待を計画した。
 そして、きょうのゴルフや昼食中に、安倍首相とトランプ大統領の間で、国益を売り渡すその密約が成立したということらしい。
 
トランプのツイッターは「elections」と複数形…衆参ダブル選挙までバラされた?
 もっとも、そこはさすがトランプ大統領。Twitterで「after their July elections」と、その密約をさっそくアメリカ国民に向けて報告をしてしまった。しかも、気になるのは「elections」と単数でなく複数の「s」が付いていること。これはもしかしたら、安倍首相がトランプに「衆議院を解散して衆参ダブル選をする」ことまでうっかり喋って、そんなことまでバラされてしまったってことなのだろうか……。
 なんとも間抜けな宰相だが、しかし、許せないのはそんなことより、安倍首相が自分の選挙のために、国民を騙し、国益を売り渡す密約をしてしまったことだ。
 
 しかも、安倍首相がトランプに差し出した貢物はそれだけではない。明後日28日、安倍首相はトランプ大統領と海上自衛隊・横須賀基地でいずも型護衛艦「かが」に乗艦する予定だが、米ワシントン・ポストによると、「かが」は「日本が新しく購入を決めた、アメリカ製戦闘機F-35Bが垂直離着陸できるように改修中」で、この訪問が「たんに防衛協力のためだけでなく、日本がアメリカの武器を購入する意思があるということを、トランプに印象づけるために計画された訪問」であると報じている。
 実際、トランプ大統領は、4月の安倍首相との首脳会談直後におこなわれた支持者の集会で、「安倍首相は、日本企業が400億ドル(約4兆4600億円)を米国の自動車工場に投資すると話した」「日本は大量の防衛装備品を買うことに合意した」と発言しており、安倍首相から関税引き下げ延期のために提案されたことは明らかだ。
 
 自分たちがおさめた税金が選挙対策としての武器購入費に投入され、選挙後には日本の農業界に大打撃を与える関税の大幅引き下げがおこなわれる。だというのに、笑顔で“仲良し”演出に走るだけの総理に、トランプ大統領の来日でお祭りムードを煽ってばかりで肝心のことを伝えないメディア……。こうして対米従属はますます強化され、わたしたちの生活は破壊されてゆくのだろうか。 (編集部)
 
 
誰がどうして? 解散日程の“怪メール”流出で永田町右往左往
日刊ゲンダイ 2019/05/25
 国会会期末まで1カ月。国会が閉じればすぐ参院選のはずだが、まだ投開票日が決まらない。会期延長はあるのか。安倍首相が衆院を解散して衆参同日選に踏み切るのかどうか。終盤国会で政界の関心はその一点に集中している。
◇  ◇  ◇
 永田町では一通の“怪メール”が話題になっている。6月19日に予定されている約1年ぶりの党首討論から解散までの日程を記した出所不明のメールが数日前から出回っているのだ。
「与党の国対から流出したという触れ込みのメールが同僚議員から回ってきた。あまりに具体的で、説得力のあるスケジュール感なので、本物かと思って国対に確認したところ、怪メールが出回っていることは承知しているが、国対の正式な文書ではないとのことでした」(自民党衆院議員)
 
 メールに書かれているのは、こんな解散日程だ
<6月19日(水)党首討論で総理が消費税増税について懸念を表明。日銀短観などを見るために今国会の会期延長を表明
会期末(6月26日・水)に会期を7月5日(金)まで延長することを決定
6月28日(金)、29日(土)G20大阪
7月1日(月)日銀短観発表
総理が消費税増税延期と衆議院解散を表明
7月5日(金)衆議院解散
8月4日(日)衆参同日選(公示:衆7月23日(火)、参7月18日(木))>
 
 やはり安倍首相は消費増税の延期を「大義」にして、衆院を解散するつもりなのか。怪メールを見た衆院議員が浮足立つのも無理はない。
 
 24日の衆院厚労委で、10月に予定されている消費税10%への引き上げについて質問された安倍首相は「リーマン・ショック級の出来事が起こらない限り、引き上げる予定に変わりはない」という従来の答弁を繰り返した。これまでと違うのは、増税の延期で「必ずしも国民の信を問うことは考えていない」と言ったことだ。
 もっとも、増税を見送った場合の衆院解散について聞かれると、「基本的には信を問うことは考えていないが、状況によるので一概には答えられない」とニヤニヤしながら答え、含みを持たせた。
 
「解散があるかもしれないと思わせることで、求心力を保つことができる。だから、解散日程の怪メールは首相周辺が忖度して流したブラフだとみられています。最近、安倍首相は派閥のパーティーなどで『12年前の参院選で負けたことを片時も忘れたことがない』と何度も言っていますが、今夏の参院選では野党を完膚なきまでに叩きのめして、12年前の恨みを晴らそうとしている。そのために、あの手この手で党内の引き締めを図っているのだと思います」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
 ブラフだからと油断することなく、野党は一刻も早く選挙態勢を整えるべきだ