2019年5月31日金曜日

参院選1人区 30選挙区で一本化 5野党・会派の党首合意

 立民党国民党共産党社民党などの党首が29日、国会内で会談し、参院選1人区のうち19選挙区で野党統一候補を擁立することで合意しました。これで既に合意済みの分を合わせると、全国32の1人区のうち30選挙区で統一候補が決まりました。
 野党共闘に熱心であった共産党からは統一候補に3人が選ばれました(3年前は1人)。
さらに「共通政策」についても、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」から安保法制=戦争法などの廃止をはじめ13項目の政策の要望を受けて、各党首らが署名しました。
 
 トランプフィーバーの中で、逆に、参院選が終われば、農産品・牛肉の対米関税の大幅引き下げや日本車の輸出規制などに応じる密約がなされた可能性が浮かび上がりました。そんな売国の政権には選挙で大打撃を与えるしかありません。
 日刊ゲンダイは、「野党が安倍政権はトランプ大統領と農産品で密約』『TPP水準は守られないと声をそろえれば勝機は十分あるとしています。
 しんぶん赤旗の記事と併せて紹介します。
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参院選1人区 30選挙区で一本化 市民連合と13項目「共通政策」
  5野党・会派の党首合意
しんぶん赤旗 2019年5月30日
 安倍政権打倒をめざし、日本共産党の志位和夫委員長、立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、社民党の福島瑞穂副党首、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」の野田佳彦代表は29日、国会内で会談し、全国32ある参院選1人区のうち19選挙区で野党統一候補を擁立することで合意しました。さらに「共通政策」についても、国会内で同日、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」から安保法制=戦争法などの廃止をはじめ13項目の政策の要望を受けて、各党首らが署名。統一候補と共通政策という二つの合意を受けて、志位委員長は記者会見で、「参院選をたたかう上で重要なスタートを切る画期的な合意となった。どの選挙区でも、みんなで応援して勝利をめざす選挙にしていく必要がある。全ての1人区での勝利へあらゆる力を注ぎ頑張りたい」と表明しました。
 
鳥取・島根 中林よし子氏 徳島・高知 松本けんじ氏
 この日の合意を受けて、統一候補は合意済みをあわせ30選挙区となりました。残る鹿児島、宮崎両選挙区でも早期合意をめざすとともに、各選挙区で与党候補に勝てるよう「最大限の協力」を図ることで一致しました。党首会談には、日本共産党の小池晃書記局長と各野党・会派の幹事長が同席しました。
 立憲民主党の枝野代表は会談後、「安倍政権打倒の参院選にしていくため良い形でスタートラインにつけた」と記者団に語りました。
 
 志位氏は党首会談で、「わが党は候補者一本化にあたっては、お互いに譲るべくは譲り、一方的な対応を求めないことが大事だと主張し協議してきた。今回の合意を心から歓迎する」と表明。日本共産党公認の統一候補として、今回の党首会談で鳥取・島根選挙区で中林よし子氏、徳島・高知選挙区で松本けんじ氏の擁立を決め、合意済みの福井とあわせ3選挙区となったことについて、「3年前の参院選は香川1県だったが、今回はたいへん大きな前進となった。努力していただいたすべての方々に感謝を表明する」と述べました
 
 市民連合と合意した「共通政策」では、安保法制の廃止、立憲主義の回復に加えて、安倍9条改憲・発議の阻止、沖縄辺野古米軍新基地建設の中止と普天間基地の早期返還、いまの状況下の原発再稼働は認めず原発ゼロをめざすこと、消費税10%の中止と税制の公平化などの一致点が確認されました。
 市民連合の山口二郎法政大教授は「野党と市民は、もう一つの日本、別の選択肢があることを人々に訴え、もう一回、希望を取り戻そう」と訴えました。
 
■参院選1人区野党統一予定候補
   (名簿省略
 
 
野党が参院選候補の一本化合意 トランプ密約暴露が追い風
日刊ゲンダイ 2019/05/30
 いよいよ反転攻勢だ。立憲民主、国民民主、共産、社民各党は29日、党首会談を開き、夏の参院選で32ある改選数1の1人区のうち、決定済みを含む計30選挙区での候補一本化で合意。これで与野党一騎打ちの構図がほぼ固まった
 
「候補者一本化はスタートラインだ。安倍政権打倒の参院選にしていくため、大事な一歩を踏み出せた」
 立民の枝野代表は会談後の記者会見でこう強調。30選挙区の内訳は立民7、国民5、共産3、無所属14。残る宮崎、鹿児島両選挙区についても調整を急ぐ。
 全ての1人区で野党候補一本化が実現した前回(2016年)の参院選では、野党が11勝と善戦。今回はさらなる上積みを狙う。
 
■訴えるべきは2つ
 “追い風”は吹いている。与党は国賓として来日したトランプ米大統領と安倍首相の日米首脳会談などを参院選に向けた弾みの一つに位置づけようとしていたが、トランプ大統領がツイッターで〈日本との貿易交渉は大きく進展している。特に農業や牛肉の分野だ〉などと投稿。参院選後の“密約”を暴露した。日米共同声明でも「米国はTPPに縛られない」と、日本側が求めている農産品のTPP水準は無視する、と断言。参院選で与党が大勝すれば、農家が大打撃を受けるのは確実となった。
 自民党の二階幹事長は1人区の秋田県で開かれた会合に吉川農相と出席。農業団体の票固めに必死だが、野党が「安倍政権はトランプ大統領と農産品で密約」「TPP水準は守られない」と声をそろえれば勝機は十分ある