2019年5月30日木曜日

安倍首相が大量購入約束のF35に深刻な欠陥

 トランプ大統領の歓心を買うためには金に糸目をつけずに米国の兵器を爆買いし、購入する兵器の性能などは全くお構いなし、というのが安倍首相の本心です。
 先にはイージスアショア2基(総工費は計8000億円)を買い付けましたが、イージスアショアにはもともと日本に向かうにミサイルを迎撃する能力はなく、ハワイ乃至はグアムに向かう弾道ミサイルの航路や速度等を正確に把握できるレーダーが取り柄で、それこそが米国が必要とするデータなのです。
 しかも肝心のレーダーの仕様が未定とかで、完成するのは5年先と言われています。何のことはない日本には無用の兵器であるうえにまだ未完成の兵器というわけです。
 
 来日したトランプ氏はF35A戦闘機105機の購入に言及して「日本は米国の防衛装備の最大の買い手となった。米国の同盟国のなかで日本がもっともF35を保有することになる」と持ち上げました。実はその他にF35B戦闘機42機を購入するので、総額は2兆円近くになります。トランプ氏が大満足するのは当然です。
 この戦闘機も欠点だらけの実に酷いもので、まずその寿命が当初想定の4分の1しかないことが分かりました。ということは通常のライフを持つ戦闘機が1機で済むところを4機買い替える必要があるので実際の価格は4倍ということになります。
 タイヤの耐久性も不十分で着陸回数10回以内でダメになるということです。
 次にその安全性と完成度ですが、米政府監査院(GAO)は4月にF35について深刻な欠陥を抱えているの報告書を出しています。「危機的で安全性や重要な性能を危険にさらす」という範疇に分類される欠陥が17件もあるということです。
 その内容には、操縦士に酸素欠乏など身体に問題が起きた事例が実に35件に及ぶほか、コックピットの画面がフリーズしたり、明かりの少ない夜間飛行でヘルメット装着型のディスプレーが不鮮明になるなどの致命的なものが沢山あります。欠陥の総数は、昨年4月の開発試験終了時点で900以上あり、いまも800以上欠陥が残っているということです。
 
 まさに使用に耐えない欠陥戦闘機です。トランプ氏の歓心を買うために、国民の血税をこんな無駄遣いで空費するのは許されません。LITERAが取り上げました。
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安倍首相がトランプに1兆2千億円で大量購入約束「F35戦闘機」に欠陥か!
日本でも米でも墜落、米監査院が問題視
LITERA 2019.05.29 12:04
  世界に嘲笑されるような過剰接待を繰り広げたトランプ来日。しかも、その成果とやらは、トランプ自身が明かしたように“農産物の関税大幅引き下げ交渉を参院選後まで引き延ばす”というシロモノで、いかに安倍首相が国民を舐めきっているかが露呈させるかたちとなった。
 だが、安倍首相がトランプ大統領に媚びへつらう一方、国民の生活を苦境に追い込もうとしているのは、貿易問題だけではない。それは、武器の大量購入問題だ。
 27日の首脳会談後、トランプ大統領は満足げにこう語った。
日本は米国の防衛装備の最大の買い手となった。新たなF35ステルス戦闘機を105機購入すると発表した。米国の同盟国のなかで日本がもっともF35を保有することになる
 日本がアメリカから105機もの“爆買い”を約束しているF35Aの価格は、一機あたり100億円以上。このお買い上げにより、約1兆2000億円を超える予算を注ぎ込むのだという。また、F35Bも42機を取得予定だ。
 
 さらに、トランプ大統領にセールスされるがまま導入を決めたイージス・アショアは関連費用含め2基で2350億円と発表されているが、実際には〈基地建設費なども含めれば8000億円近くに達する見込み〉(「週刊朝日」2018年11月9日号/朝日新聞出版)という。
 
 こうした爆買いによって、アメリカからの有償軍事援助(FMS)による兵器購入契約の額は2012年度が1381億円だったのに対し、安倍政権下でどんどんと膨らみつづけ、2018年度は5倍もの6917億円にまで増加。昨年末に閣議決定された「中期防衛力整備計画」では、2019から2023年度に調達する防衛装備品などの総額は、なんと約27兆4700億円程度と過去最高水準に達した。
 昨年9月の国連総会出席後の締めくくり記者会見で、トランプ大統領は「私が『日本は我々の思いを受け入れなければならない。巨額の貿易赤字は嫌だ』と言うと、日本はすごい量の防衛装備品を買うことになった」と得意気に語ったが、武器の大量買いの原資は言うまでもなく国民の血税である。
 さらに問題なのは、購入した武器のローンだ。2019年度の防衛費は過去最大5兆2574億円だが、アメリカから買い上げた兵器と国産装備品を合わせると、そのローン残高は2019年度で5兆3000億円を超える。つまり、過去最大を更新しつづけている年間の防衛予算よりも、ローン残高のほうが大きくなっているのだ。
 
 貿易問題を交渉力によって打開するのではなく武器の大量購入でお茶を濁す──。しかも、これで農産物や自動車の関税問題を解決できているわけではなく、トランプ大統領が今回の来日で述べたように、参院選が終わればトランプが喜ぶ結果を出さざるを得なくなってしまった。結局、過剰接待の成果とは、参院選後に関税大幅引き下げという先延ばし工作でしかなく、党利党略のために国民の税金を使い、借金を増やしてまで大量の武器購入がなされるのだ。
 まったくふざけるな、という話だが、もうひとつ、忘れてはならない問題がある。それは、F35の安全性の問題だ。
 今年4月9日、航空自衛隊三沢基地に配備されていたF35Aが、青森県沖で墜落した。F35の墜落事故は、B型機が昨年9月にアメリカで起こっており、今回の日本での事故は2例目。搭乗していた細見彰里3佐は依然行方不明のままだ。
 
アメリカの政府機関も「F35は深刻な欠陥を抱えている」と危険を指摘
 これまでもF35をめぐっては安全性に疑問が投げかけられてきたが、そんななか、米政府監査院(GAO)は4月にF35についての報告書を公表。そこでは“F35は深刻な欠陥を抱えている”と指摘されているのだ。
 東京新聞5月23日付け記事によると、報告書では「危機的で安全性や重要な性能を危険にさらす」というカテゴリーに分類される欠陥が、昨年版の報告書で指摘された111件のうち13件が未解決だとし、運用試験がはじまった昨年12月以降も新たに4件が判明。〈コックピットの画面がフリーズし、ソフトウエア修正のため運用試験開始が遅れた〉や〈明かりの少ない夜間飛行でヘルメット装着型のディスプレーが不鮮明になる〉などと具体例が報告されており、記事では〈パイロットの生命維持装置(LSS)の問題も、未解決の欠陥だ〉と指摘。酸素欠乏など身体に問題が起きた事例がじつに35件も発生しているというが、〈政府やメーカー、医師による調査チームが発足したが、原因を特定できていない〉としている。GAOは「今後数年解決しない問題もある」というのだ。
 
 また、5月に公表された昨年9月の米海兵隊F35Bの墜落事故についての報告書では、さらに昨年4月の開発試験終了時点で900以上の欠陥があり、いまも800以上も欠陥が残っていると指摘されている(しんぶん赤旗5月15日付)
 
 しばらく解決しない深刻な欠陥を抱えているとアメリカの政府機関が公表しているものを、1兆円以上も注ぎ込んで計147機も取得する──。しかも、安倍首相は墜落事故直後におこなわれた4月の首脳会談でも、事故の問題を取り上げることなく、むしろF35Aの105機購入をトランプ大統領にあらためて約束したのである。
 国民の税金投入と自衛隊員の身の安全の確保など、まるでお構いなし。だが、それも安倍首相にとっては当然の話だ。
 
安全性おかまいなし、先制攻撃できるおもちゃがほしい安倍首相
 先日、安倍首相は「サイバー攻撃を受けただけで武力行使可能」と、とんでもない答弁をおこなったばかりだが、安倍首相の本音は、とにかくどんな口実を使ってもいいから先制攻撃ができるようにしたい、ということだ。
 そして、その象徴が、防衛大綱と中期防衛力整備計画で明記された、海上自衛隊の「いずも」型護衛艦を改修して事実上「空母化」する問題だ。この「空母化」の話は、そもそも「F35Bの導入が始まりだった」と防衛省幹部が証言をおこなっている(東京新聞1月4日付)。なし崩しに専守防衛の否定、先制攻撃の容認を進めたい安倍首相には、トランプ大統領による「バイ・アメリカン」のセールスは、貿易赤字の問題以前に、まさに意に適ったものでもあるのだ。
 
 そんなに武器を買う金があるなら、安倍首相自身が「国難」と呼ぶ少子高齢化問題などに投じるべきところはいくらでもあるが、メディアに跋扈する安倍応援団は「安倍外交の成功」などと喧伝している。しかし、その外交の実態は、交渉によって国益を守るどころか、「選挙後」への先延ばしと引き換えにまんまと売り渡し、国民の税金を使って「戦争のできる国づくり」に着々と歩みを進めているだけ。一体、これのどこが「安倍外交の成功」だというのだろうか。 (編集部)
 
 
F35B墜落 米、燃料管の欠陥認定 政府監査院 117機で交換必要
しんぶん赤旗 2019年5月15日
 昨年9月に米国内で発生した米海兵隊F35Bステルス戦闘機の墜落事故について、米政府監査院(GAO)は7日付の報告書で、「製造上の欠陥」によって燃料管が破裂し、エンジンの出力を失ったことが原因だと認定しました。
 米国防総省はGAOに、全世界に配備されている機体の約40%にあたる117機で同じタイプの燃料管を使用していたと明らかにした上で、昨年末までに大部分の交換を終えたとしています。
 
 同事故はF35戦闘機の実戦配備開始以来、最初の墜落事故です。今年4月に発生した航空自衛隊F35Aの墜落が2件目となります。
 米海兵隊は事故原因についていまだに「調査中」として明らかにしていません。しかし、岩国基地(山口県岩国市)にも16機のF35Bが配備されており、同様の事故が発生する危険がありました。日米両政府には説明責任があります。
 
 報告書はさらに、F35は昨年4月28日の開発試験終了時点で900以上の欠陥を抱えており、今なお800以上の欠陥が残っていると指摘しています。
 
 米軍当局は在日米軍を含む航空機の墜落事故が発生するたびに「人為的なミス」だと結論づけ、日本政府もオウム返しにしていますが、GAOはF35について、これまでも繰り返し同機の機械的な欠陥を指摘してきました。安倍政権はF35Bの42機購入など、147機もの“爆買い”を計画していますが、少なくとも空自F35Aの事故原因が判明するまで、購入は白紙にすべきです。