自公政権は22年度当初予算案で約5・4兆円を計上し、高額兵器の購入費を年賦で払う「軍事ローン」の残高は5兆8642億円と過去最大になりました。このうち2兆9022億円分が22年度に新たに契約する額で、こちらも過去最大です。
しんぶん赤旗が報じました。
米政府からの武器購入は「有償軍事援助(FMS)」と呼ばれますが、これは米政府が一方的に金額や期限を「変更」できるため、価格が高騰する傾向があります。そんなものを「援助」と称するとは冗談が過ぎます。
22年度はそれに約3兆円を投じるという訳ですが、専守防衛には不要な兵器であるのはいうまでもありません。そもそも兵器はロシア製の方が安くて優秀と言われています。目下ウクライナを巡りロシア対EU間の軍事的緊張が高まっている中で米軍が参加しないと宣言しているのは、参戦しても米側に勝ち目はないからと言われる所以です。
無用な兵器に年間3兆円も投じる、これほど愚かなことはありません。
この寒空に住む家もなく、満足に食べる物もない国民が無数にいる以上、先ずは国民に「健康で文化的な最低限度の生活(憲法第25条)」を保障することが優先されるのは余りにも当然のことです。
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高額兵器購入 借金膨らむ 「後年度負担」 過去最大5兆8642億円
しんぶん赤旗 2021年12月26日
国民生活の予算 圧迫
2022年度当初予算案で、高額兵器の購入費などを複数年度に分割して支払う軍事ローン「後年度負担」の総額が5兆8642億円に上りました。前年度より3312億円増加し、過去最大となりました。
防衛省は22年度予算案で過去最大となる約5・4兆円を計上しましたが、これを上回る“借金”を抱えていることになります。後年度負担分は今後、複数年度にわたって支払われるため、将来にわたって軍事費の増額をもたらし、財政を硬直化させる要因になっています。
内訳は、21年度以前の契約に基づき23年度以降に支払う「既定分」が2兆9620億円、22年度に契約し23年度以降に支払う「新規分」が2兆9022億円です。新規分は、前年度より3071億円(11・8%)増加し、過去最大になりました。
米政府から武器を購入する「有償軍事援助(FMS)」の増加が、軍事ローンの膨張に拍車をかけています。22年度予算案で、FMSの調達額は3797億円に上り、約49%も増加しました。FMSは、米政府が一方的に金額や期限を変更できるため、価格が高騰する傾向があります。
安倍政権のもとで米政府の圧力で米国製兵器の「爆買い」が押し付けられて以降、後年度負担は拡大し続けており、国民生活に関わる予算を圧迫しています。