2021年12月15日水曜日

北京冬季五輪 開会・閉会式への政府代表の不参加は当然(しんぶん赤旗)

 共産党の志位委員長が、「 ~ (北京冬季)五輪開会・閉会式への政府代表の不参加は当然」とする声明を出しました。

 その中で、中国政府による香港での民主化運動弾圧は「一国二制度」という国際公約に反し、新疆ウイグル自治区での少数民族への抑圧、強制収容などの人権侵害も、国際法の義務への重大な違反であるとして、「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てること」「憲章の定める権利および自由は…いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない」明記しているオリンピック憲章とも両立しえないものであると述べました。
 そして、大会の開会・閉会式に政府代表を派遣することは、中国での人権抑圧の黙認となりかねないので、日本政府は、当然、政府代表を送るべきではないと述べました
 明快な論理です。
 折しも米国が中・露を除外して「民主主義サミット開いたことに対して、習政権は「民主主義は米国の専売特許ではないして「全過程人民民主」という概念を掲げ、中国には自国の実情に根ざした民主主義があると主張しました(朝日新聞)。それはそれで傾聴に値するものですが、それがもしも新疆ウイグル自治区での少数民族への抑圧を是認するものであるならば、まさに「蟻の一穴」で構築しようとした論理は無に帰します。

 共産党は江沢民政権時代の14年7月不破議長(当時)ら20人が初めて日中友好議員連盟に加入し,志位委員長が同連盟の副会長に就任しています。因みに副会長には他に立民、公明、国民、社民の各代表1名ー立民のみは2名ー計5名が就任しています
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中国に人権抑圧の是正と五輪憲章の順守を求めよ
   五輪開会・閉会式への政府代表の不参加は当然
                      しんぶん赤旗 2021年12月14日
志位委員長が声明
 日本共産党の志位和夫委員長は13日、「中国に人権抑圧の是正と五輪憲章の順守を求めよ  五輪開会・閉会式への政府代表の不参加は当然」と題する声明を発表しました。

 一、来年2月の北京冬季オリンピックをめぐり、中国政府による重大な人権侵害・人権抑圧が世界であらためて注目されている。

 この間、中国政府によって行われてきた香港での民主化を求める勢力への弾圧は、「一国二制度」という国際公約に反し、一連の国際条約・取り決めにも反するものである。新疆(しんきょう)ウイグル自治区での少数民族への抑圧、強制収容などの人権侵害も、国際法の義務への重大な違反である。

 中国の政権党幹部から性暴力を受けたと告発した中国女子テニス選手の消息が不明になっている問題は、深刻な人権侵害であり、国際的な女子テニス協会(WTA)は、中国でのすべての試合開催の停止を声明している。

 これらの中国政府による人権侵害・抑圧は、中国政府自身も賛成してきた「世界人権宣言」(1948年)、国際人権規約(66年)、ウィーン宣言(93年)など国際的な人権保障の取り決めに反するものである。

 同時にそれは、オリンピックの目的を「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てること」(根本原則第2項)とし、「憲章の定める権利および自由は…いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない」(同第6項)と明記しているオリンピック憲章とも両立しえないものである。

 一、日本共産党は、中国政府に対して、オリンピックを開催する以上、自ら賛成してきた国際的な人権保障の取り決め、およびオリンピック憲章を順守し、人権侵害の是正の措置をとることを厳しく求める。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、中国政府に対して、オリンピック憲章を順守し、人権侵害の是正の措置をとり、オリンピック開催国にふさわしい責任を果たすことを求めるべきである。この点で、中国女子テニス選手の問題で、IOCが、実際上、中国を擁護し、真相の隠蔽(いんぺい)に加担するのに等しい行動をとっていることは重大である。

 一、国際的な人権保障の取り決め、およびオリンピック憲章に反する事態が続いているもとで、大会の開会・閉会式に政府代表を派遣することは、中国での人権抑圧の黙認となりかねない。日本政府は、当然、政府代表を送るべきではない。そうした態度をとることは、大会運営には影響せず、政治によるオリンピックとスポーツへの介入にはあたらない。大会に向け懸命に準備してきた選手たちの参加は保証されなければならない。

 同時に、ことは、政府代表を送らないという対応だけですむ問題ではない。この間、日本政府は、中国政府による重大な人権侵害に対して、国際的な人権保障の取り決めを土台とした正面からの批判を行うことを回避する姿勢を続けてきた。北京冬季オリンピックへの対応が国際的に大きな問題となっている今こそ、日本政府は、中国政府に対して、従来の及び腰の態度をあらため、国際法にもとづく冷静な外交的批判によって、人権侵害の是正とオリンピック憲章の順守を正面から求めるべきである。