年末も大詰めになるとその年の総括的な記事が目立つようになります。しかしオミクロン株(新型コロナ)の感染拡大はまさに爆発寸前にある現在進行形の問題で、何としても抑え込む必要のある課題です。。
いま大阪府や東京都でオミクロン株の市中感染が見つかっていますが、それは氷山の一角に過ぎず、大阪のオミクロン感染は、すでに2ケタ、3ケタの市中感染者がいる可能性があります。
仮にいま大阪府内にオミクロン感染者が100人いるとして、1・5日で倍のペースで増えていけば、大晦日には1日3200人に達します。なぜそんなことになったのでしょうk。
それは空港検疫で、1割の陽性者がすり抜けるとされる抗原検査を頑として改めなかったため、オミクロン株が容易に市中に侵入したのに対して、岸田政権が国民に約束した無料の大規模検査の方はいつまでも実施しないでいたため、早期発見と感染拡大防止が出来なかったからです。
加えて専門家は、政府のワクチン調達の失敗で重症化リスクの高い高齢者がほとんど3回目の追加接種を打てていないことも、感染爆発の要因に挙げています。
日刊ゲンダイが、「大晦日には大阪オミクロン株感染者3200人も! 岸田政権「3つの失敗」を専門家が指摘」とする記事を出しました。
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大晦日には大阪オミクロン株感染者3200人も! 岸田政権「3つの失敗」を専門家が指摘
日刊ゲンダイ 2021/12/24
「ステイホーム」のお正月になるのか──。23日は大阪で新たに男児1人、京都で初めて女性1人、オミクロン株の市中感染が確認された。そしてついに東京都も24日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に、海外渡航歴がなく、感染経路が不明の都内在住者が感染していたと明らかにした。都内では初の市中感染だ。海外の蔓延国のように日本でも一気に広がる恐れがある。年末年始を控えた最悪のタイミングで感染スピード「歴代最速」のウイルスが列島を直撃。岸田政権が打つ手はひとつしかない。
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オミクロン株はいったん、市中に広がると2週間程度で流行の主流になる。今月1日に市中感染の初確認を発表した米国では、12~18日の週には感染者全体の73%がオミクロン株に置き換わっている。
WHO(世界保健機関)によると、市中感染が起きている地域でのオミクロン株の倍加時間(感染者数が倍になる時間)は、たった1.5~3日。大阪府のコロナ専門家会議の朝野和典座長(大阪健康安全基盤研究所理事長=感染制御学)は「府内だけですでに2ケタ、3ケタの市中感染者がいるのではないか」と見積もっていた。仮に今、大阪府内にオミクロン感染者が100人いるとして、1.5日で倍のペースで増えていけば、大晦日には1日3200人に達する計算となる。
先行株が縮小している地域では後発株は急速に蔓延する傾向がある。デルタ株を抑えている大阪で3000人超は十分あり得る数字だ。
大阪や京都に限らず、全国でオミクロン株が蔓延する可能性も高い。政府分科会の尾身会長も23日の会見で「複数のスポットで、すでに感染が始まっている」と指摘している。
来週早々にも緊急事態宣言を発令するしか…
西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)がこう言う。
「オミクロン株の市中感染はやむを得ない。ただ、岸田政権の失敗が問題を大きくしています。空港検疫では10人に1人の陽性者がすり抜けるとされる抗原検査を続け、オミクロン株の市中侵入を早めた面はあるでしょう。これまで無料の大規模検査を実施せず、早期発見を怠ったため、市中感染を広げている可能性もある。加えて、重症化リスクの高い高齢者がほとんど3回目の追加接種を打てていない状況で、オミクロン株が蔓延するのはかなり危ない。政府のワクチン調達の失敗が原因です」
この先、年末年始で人流が増えれば、オミクロン株の感染拡大は加速しかねない。1年前の苦い経験が思い起こされる。
第3波では昨年12月に感染者数が急増。大みそかには東京で初めて1000人を超えた。
ところが、菅前首相は“根拠なき楽観論”に立ち、後手対応。年明け1月4日のテレビ番組で「年末年始で感染状況のベクトルが下向きになると考えていたが、まだ上向いている」とボヤいていた。
結局、菅前首相が緊急事態宣言を発令したのは3日後の1月7日。その後は年末年始の人流増により、1日の感染者数が全国で8000人に迫る感染爆発につながった。
1年前と同じ轍を踏むわけにはいかない。年末年始の市中蔓延を封じ込めるには、来週早々にも緊急事態宣言を発令するしかない。
オミクロン株が広がるオランダはロックダウン、ドイツやスウェーデンは行動規制を強化している。岸田首相は23日、「最悪を想定し、慎重にも慎重を期して対応していく」と語った。宣言発令の覚悟はあるのか。