2021年12月2日木曜日

ワクチン「後遺症、私も同じ」 社会的サポート求める声

 9月中旬、仙台市出身の女性(23から新型コロナワクチンを打った翌日から激しい後遺症に見舞われ休職したままいまだに社会復帰できない、という後遺症の実態を知ってほしいとの切実な声が10月末に寄せられたのを11月17日、河北新報が報じました。 
        (11月18日)新型コロナ「ワクチン後遺症」の悲惨
 その後河北新報には、「ワクチン後遺症」を訴える本人や家族からの実名のメールや電話は29日までに12都道県から18件届いたほか特別報道室の無料通信アプリ「LINE」にも多数の体験談が寄せられているということです。
 厚労省によると、ワクチン接種の副反応の疑いがある事例は、8月22日時点で約2万3000あり、うち死亡は1093件ありましたが、ワクチンと因果関係があると結論付けられた事例はなかったされてます。
 ワクチン後遺症に対し、国は予防接種法に基づく予防接種健康被害救済制度で対応しています。8月19日以降、救済が認められたのは全国で66で、その場合は死亡一時金、医療費などが支払われますが、カルテ、ワクチン接種済証などの書類をそろえる必要があるなど申請のハードルは高く、やはり市民には使いにくいシステムです。
 救済制度は、専門家による国の疾病・障害認定審査会で因果関係を判断しますが、これまで認定されたのは急性アレルギー反応やショック症状を伴うアナフィラキシーに類する症例に限られています救済のシステムはあるものの、実際上は「ショック死」に限定されているということです。
 何故、死亡例は勿論のことですが、後遺症のために社会的復帰できない人に広く救済(社会的サポート)の手が届かないのでしょうか。
 河北新報が続報を出しました。
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ワクチン「後遺症、私も同じ」 社会的サポート求める声、全国から多数
                        河北新報 2021年11月30日


















 全国各地から寄せられた声の一部。切実な苦しみがにじむ

 新型コロナウイルスワクチン接種後に長引く不調に関する河北新報社の報道に対し、全国各地から「私も同じ」などの声が多数寄せられた。接種との因果関係が公的に認められず、社会的な不利益を被っているとの訴えが目立つ。
 仙台市出身の23歳女性は接種後、約2カ月も激しい倦怠(けんたい)感などが続く実態を知ってほしいと「読者とともに 特別報道室」に情報を寄せた。河北新報社は17日付朝刊で「『ワクチン後遺症』知って」の見出しで、女性の体験を報じた
 「うちの娘も記事の『23歳女性』と同じ状態で苦しんでいます」。記事を読んだ広島県の女性(38)は、高校3年の長女(17)の経過をメールで寄せた。
 長女は8月下旬、1回目の接種をした当日夜から頭痛や吐き気などが続き、現在も通学できずにいる。複数の病院を受診したが、検査で「異常なし」「因果関係不明」とされた
 「公的に『ワクチン後遺症』と認められないため、不登校と扱う教員もいる。大学受験を控えた娘は身体の苦しみに加え、周囲の無理解による精神的負担も大きい」と女性。長女は接種前まで病欠はなく、部活動で全国大会に出場するなど健康だったという。
 同様に通学できない状態が続く兵庫県の高3女子(18)の母親(48)も「受験に臨めるか心配」とメールに窮状をつづった。母親は電話取材に「どの病院、どの相談窓口も、たらい回し状態。何ら社会的サポートがないまま娘は『運が悪かった』で済まされてしまうのか」と声を詰まらせた。
 仕事や日常生活に支障が出ている社会人からの訴えも相次いだ。北海道の男性(46)1回目接種直後の9月中旬から全身のしびれや発熱などで車いす生活となり、休職が続く。
 神奈川県の30代主婦は同下旬、接種会場でアナフィラキシーが生じて救急搬送され治療を受けた。自宅療養の今もほぼ寝たきりの状態で、育児などもままならないという。
 「私も『23歳女性』と同意見。ワクチンに反対、推奨の対立軸で語らず、後遺症に苦しむ人が存在する事実に、社会はきちんと向き合うべきでは」。電話取材に主婦はこう問い掛けた。

メールや電話、LINEで体験談
 「ワクチン後遺症」を訴える本人や家族からの実名のメールや電話は29日までに12都道県から18件届いた。このほか特別報道室の無料通信アプリ「LINE」にも多数の体験談が寄せられた。
 厚生労働省予防接種室の担当者は「接種後に長引く症状が患者ごとに多様すぎる場合、全てを『ワクチン後遺症』と認めるのは難しい。頭痛や倦怠感など主訴(主な症状)がバラバラだと、各患者と医療機関の間で納得のいく対症療法を講じてもらうしかない」と話す。
関連リンク
「ワクチン後遺症」知って 23歳女性、長引く体調不良訴える
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ワクチン接種後に入院・死亡 家族や遺族、割り切れない思い
                         河北新報 2021年09月23日
 新型コロナウイルスワクチンを接種した高齢者らが翌日以降に体調を崩すケースが宮城県内でも発生している。中には心臓や脳の病気で死亡するケースもある。国が感染拡大防止の「切り札」と位置付けるワクチン。死亡との因果関係は明らかではないものの、遺族は割り切れない思いを抱いている。大崎市内で現状を探った。(大崎総局・喜田浩一)
  【写真説明】ワクチン接種の翌日に死亡した女性のカルテの一部。ワクチン接種の記述がある
 「胸が苦しい」。大崎市内の80代女性は6月、2回目のワクチン接種を受けた翌日朝、同居する家族に付き添われ、病院へ向かった。
 検査入院が決まり家族が帰宅直後、容体が急変し亡くなった。死因は心破裂と急性心筋梗塞だった。病院からは「ワクチン接種との因果関係は分からない」と説明されたという。
 遺族は「もともと不整脈の持病があったとはいえ、接種の直前まで体調に異常はなかった」と訴える。
 厚労省はワクチン接種の副反応の疑いがある事例について医療機関に情報提供を求め、審議会で安全性に関する評価をしている。8月22日時点で報告があったのは全接種回数の0・02%に当たる約2万3000件。うち死亡は1093件あったが、ワクチンと因果関係があると結論付けられた事例はなかったとしている。
 市内の医師も「接種と無関係に高齢者が突然死する例が日常的にあり、因果関係の証明は難しいだろう」と指摘する。
 市内では1人暮らしをしていた70代女性が5月末、自宅で倒れていたところを知人に発見されて病院に搬送され、6月初旬に死亡した事例もあった。死因は脳卒中。3日前にワクチンを接種していた
 次男(50)は「高血圧以外に持病はなく、脳ドックを受診したら若々しいと医師からお墨付きをもらっていた」と話す。ワクチン接種は自身への感染と他者への感染を防ぐ策。「健康のための行為が裏目にでたのでは」。遺族にはそんな疑念も付きまとう。
 ワクチン接種に関しては日弁連が2月、「感染症の予防に果たす役割は大きい一方、深刻な副反応を引き起こすことも事実」と指摘。接種者の自己決定権の尊重や健康被害に対し、利用しやすい相談窓口の設置、具体的な補償などを国に提言している。

申請のハードル高い救済制度
 新型コロナウイルスワクチン接種による体調不良などに対し、国は予防接種法に基づく予防接種健康被害救済制度で対応している。8月19日以降、救済が認められたのは全国で66人。認められれば死亡一時金、医療費などが支払われるが、カルテ、ワクチン接種済証などの書類をそろえる必要があるなど申請のハードルは高い。市民が使いやすいシステムとは言い難いのが実情だ。
 救済制度は、専門家による国の疾病・障害認定審査会で因果関係を判断する。厚生労働省によると、これまで認定されたのは急性アレルギー反応やショック症状を伴うアナフィラキシーに類する症例に限られる
 大崎市の60代の主婦は7月、2回目のワクチン接種をした夜に激しい関節痛や頭痛に襲われた。翌日、市内の病院に救急搬送され、点滴や投薬を受けて一晩過ごした。
 女性は「退院証明書にはワクチン副反応と記入された。自己負担額が4万円を超え救済制度を使いたいが、手続きが分かりにくい。接種を推進するなら救済措置も国民に寄り添う仕組みにしてほしい」と訴えた。


ワクチン接種会場トイレで60代女性死亡 秋田、翌朝に発見
                        河北新報 2021年10月26日
 秋田県由利本荘市は26日、新型コロナウイルスワクチン接種会場のトイレで、前日に1回目のワクチン接種をした市内の60代女性が亡くなっているのが見つかったと発表した。
 市によると、女性は25日午後2時ごろ、体育施設「総合防災公園ナイスアリーナ」で、米モデルナ製ワクチンを接種。15分の経過観察を終え、2回目の接種を予約した。26日午前9時35分ごろ、清掃業者がトイレの個室のドアに寄りかかり亡くなっていた女性を見つけた。由利本荘署が死因などを調べている。