2021年12月19日日曜日

データ書き換えと隠ぺい コロナ対応 「敵基地攻撃」など 小池書記局長が追及

 共産党の小池晃書記局長は17日の参院予算委員会で、国交省の統計データ書き換え問題など安倍政権以来の異常な隠ぺい姿勢を追及し、都道府県に出した指示文書の提出を要求しました。斉藤国交相は再三の追及を受け「もしあれば提出する」と答えざるをえませんでした。
 新型コロナウイルス対応では、政府が病床確保を言いながら「地域医療構想」のもとで20万床もの急性期病床の削減計画を進めている矛盾を批判し、その一方で病床削減計画ほとんど進んでいないのは「自治体も住民も急性期病床を必要としているからだ」として、地域の実情にあわない病床削減計画の撤回を迫りました。
 賃上げ政策では「地域格差是正というなら決定打が全国一律最賃ではないか」と指摘しました。
 敵基地攻撃能力」保有については、「全面戦争に発展する話だ。こんなものが憲法9条で認められるはずがない」と厳しく批判しました。
 それに対して岸田首相は聞かれたことに答えず、はぐらかしの答弁を繰り返しました。
 小池書記局長は質問後、国会内で記者会見し、「首相は言葉遣いは丁寧だが、聞いている中身にことごとく答えず、はぐらかし、逃げまくっていた。国民は今日の答弁では納得できない」「岸田首相は選択的夫婦別姓“早期実現”を掲げる議員連盟の呼びかけ人をやっていたのに、 極めて無責任な姿勢が明らかになった」と批判しました。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
データ書き換え 異常な隠ぺい コロナ対応、「敵基地攻撃」の危険
命・暮らし・平和守る政治こそ 参院予算委 小池書記局長が追及
                      しんぶん赤旗 2021年12月18日
首相、はぐらかし繰り返す
 日本共産党の小池晃書記局長は17日の参院予算委員会で、国土交通省の統計データ書き換え問題など安倍政権以来の異常な隠ぺい姿勢を追及し、新型コロナウイルス対応、賃上げ政策、「敵基地攻撃能力」保有の検討など政府の対応の矛盾を厳しく指摘しました。国民の命・暮らし、平和を守る政治への転換を迫ったのに対し、岸田文雄首相は聞かれたことに答えず、はぐらかしの答弁を繰り返しました。関連記事

データ書き換え
 小池氏は、国交省が「建設工事受注動態統計」のデータを書き換え、二重計上していた問題について、都道府県に出した指示文書の提出を要求しました。斉藤鉄夫国交相は「その文書は知らない」としどろもどろに答弁。再三の追及を受け「もしあれば提出する」と答えざるをえませんでした。

森友問題
 さらに小池氏は「森友学園」問題について、公文書改ざんを強要され命を絶った近畿財務局職員だった赤木俊夫さんの妻・雅子さんが国を訴えた裁判で国が「認諾」し、真相隠しを図ったと厳しく批判。雅子さんの怒りの声を代弁し「会って謝罪、説明すべきだ」と迫りましたが、岸田首相は訴訟中を理由に「会うことには慎重でなければいけない」などと背を向けました。

病床削減
 国民の命と暮らしを守る問題では、喫緊の課題である新型コロナ対応などについて追及。政府が新型コロナ対応のための病床確保を言いながら、「地域医療構想」のもとで20万床もの急性期病床の削減計画を進めている矛盾を批判。一方で2015年からの20万床削減計画はほとんど進んでいない実態をあげ「自治体も住民も急性期病床を必要としているからだ」と、地域の実情にあわない計画の撤回を迫りました。
 しかし岸田首相は「構想についてしっかり考えなければならない」と述べただけ。小池氏は「医療提供体制に余裕がないと、感染症有事に備えられない」というのが医療界の一致した見解だと重ねて撤回を求めました。

賃上げ


(出典:経済財政諮問会議(2021年5月14日)資料から小池晃事務所作成

 さらに小池氏は、「政府ができる賃上げが、最低賃金の引き上げだ」と強調。コロナ禍で広がる貧困と格差の克服のために全国一律の最低賃金1500円への引き上げを要求しました。
 日本の賃金水準は国際的にも低く、地域別最賃制度は世界の4カ国にしかないことをあげ、「狭い国土の日本であまりに不合理だ。地域格差是正というなら決定打が全国一律最賃ではないか」と指摘。政府の「賃上げ減税」は、中小企業には恩恵がなく実質賃金はマイナスだとして、「中小企業にとって法人税よりはるかに負担が重い社会保険料の事業主負担分を補てんすべきだ」と求めました。岸田首相は「効果がない」などと否定し全国一律にも「問題がある」などと強弁しました。

敵基地攻撃能力
 最後に小池氏は、岸田首相が所信表明では初めて検討を表明した「敵基地攻撃能力」について追及。相手国の領域まで乗り込んでミサイル基地をしらみつぶしに攻撃し、制空権を確保して地下施設も含めて大規模な攻撃を行うものだとして「全面戦争に発展する話だ。こんなものが憲法9条で認められるはずがない」と訴えました。

「敵基地攻撃のためには、

他国の領域において、
移動式ミサイル発射機の位置をリアルタイムに把握するとともに、
地下に隠蔽されたミサイル基地の正確な位置を把捷し、
まず防空用のレーダーや対空ミサイルを攻撃して無力化し、
相手国の領空における制空権を一時的に確保した上で、
移動式ミサイル発射機や堅固な地下施設となっているミサイル墓地を破壊して
ミサイル発射能力を無力化し、
攻撃の効果を把握した上で吏なる攻撃を行うといった
一運のオペレーションを行うことが必要」

出典:2020年7月9日参議院外交防衛委員会での日本共産党・井上哲士議員に対する河野太郎防衛相
(当時)の答弁から抜粋、小池晃事務所作成