2021年12月6日月曜日

財政法に反する 大軍拡補正予算案に過去最大7738億円

 しんぶん赤旗が「補正予算案に軍事費として過去最大の7738億円を計上したのは財政法に違反」とする記事を出しました。
 そもそも補正予算とは、「当初予算の作成後に生じた特に緊要な経費の支出』に限って可能になる29条)」ものです。それに対して安倍政権以降、政府が毎年膨大な軍事費を計上しているのは、当初予算に合算すると巨大な額になって目立つのを避けるための便法であり、明らかな違法行為です。
 今回、補正後の同年度の軍事費は61078億円となり初めて6兆円を超えGDP比は約1・09%で、歴代政権が目安としてきた1%を突破します。
 辺野古の米軍新基地建設には801億円を計上しましたが、その理由に「予定よりも工事が進捗したため」という明かなデタラメを挙げています。
 補正予算案で最も大きな比重を占めるのは、過去に契約した艦船・航空機の調達や建設工事の分割払い分ですが、これらは年初において把握できるものなので、当初予算の作成後に生じた「特に緊要な経費の支出」などではありません。何もかもがデタラメです。
 しんぶん赤旗の記事を紹介します。
 併せて沖縄で4日に行われた「沖縄は絶対負けない 新基地阻止県民大行動」に関するしんぶん赤旗の記事を紹介します。
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財政法に反する大軍拡 補正予算案に過去最大7738億円
                       しんぶん赤旗 2021年12月5日
辺野古埋め立て追加 軍需産業に前金払い
 岸田文雄政権は2021年度の補正予算案に過去最大の軍事費7738億円を計上しました。防衛省によると、補正後の同年度の軍事費は6兆1078億円となり、初めて6兆円を超えます。GDP(国内総生産)比は約1・09%で、歴代政権が目安としてきた1%を突破します。(斎藤和紀)



グラフ:補正予算を含む軍事費の推移
 重大なのは、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に801億円を計上したことです。埋め立て区域南側(辺野古側)に土砂を投入する工事の追加分に充てられます。補正予算に盛り込んだ理由について、防衛省の担当者は「思ったより工事が進んでおり、一日も早い返還を達成するため工事を着実に進める」としています。

完成見通しなく
 同基地建設をめぐっては、沖縄県の玉城デニー知事が11月25日、大浦湾側に広がる軟弱地盤の改良工事に伴う設計変更申請を不承認としています。申請の対象区域外であることを理由に辺野古側の埋め立て工事を進めても、基地は「完成の見通しがない」(デニー知事)のが現状です。政府は県の判断に従い、工事を中止すべきです。
 財政法は、補正予算への計上を当初予算の作成後に生じた「特に緊要な経費の支出」(29条)に限定しています。完成の見通しがなくなった下で辺野古の関連経費を計上するのは、財政法の趣旨からも成り立ちません。
 補正予算を組んでまで基地建設を加速させるのは、「県や県民が反対しても断固進める」という岸田政権の姿勢を示すことがねらいとみられます。

中小は苦境でも
 補正予算案で最も大きな比重を占めるのは、過去に契約した艦船・航空機の調達や建設工事の分割払いである「歳出化経費」です。全体の約64%を占める4934億円に上ります。とりわけ、新型コロナウイルスの影響で兵器製造企業の経営が悪化し、納期が遅れるリスクがあるとして、4287億円をこうした企業への前金払いに充てるとしています。経団連の防衛産業委員会など防衛関連4団体が9月10日に岸信夫防衛相に対し、「防衛関係企業の資金繰り」に関する施策を「柔軟かつ効果的に講じる」よう求めており、軍需産業界の要求に応えるものです。コロナ禍でさまざまな業種の中小企業、個人事業主が経営難に直面しています。業種を問わず支援する持続化給付金等の再支給には背を向ける一方、軍需産業には手厚い支援です。

ツケ回し928億円
 ミサイルや航空機などの新規調達にも巨額の予算を投じています。具体的には、迎撃ミサイル・パトリオット改良型(441億円)やP1哨戒機(3機・658億円)、C2輸送機(1機・243億円)などです。8月の22年度概算要求から補正予算に前倒しするものです。「安全保障環境が厳しさを増している」ことを強調していますが、概算要求でも同じ理由を挙げており、「特に緊要な経費」とは言えません
 こうした兵器の新規調達に伴い、新たに928億円が将来にツケ回しされます(「新規後年度負担」)。近年、後年度負担は拡大の一途をたどっており、財政の硬直化を招いています。地域の緊張を高め、財政法にも反する補正予算への軍事費計上は撤回すべきです。


沖縄は絶対負けない 新基地阻止 知事訴えに熱い拍手 県民大行動
  ゲート前800
                       しんぶん赤旗 2021年12月5日
 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に反対する「オール沖縄会議」は4日、辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前で、コロナ禍のため長らく中止としていた集会形式の「県民大行動」を行いました。玉城デニー知事も駆け付け、800人超の参加者は、新基地建設阻止の実現を、さらに強く誓い合いました。
 沖縄防衛局が県に申請した新基地建設をさらに推し進めようとする設計変更を「不承認にしたご報告に伺った」と、デニー知事はあいさつを始め、聴衆から盛大な拍手が起きました。デニー知事は「新しい基地を県民自らが提供する立場にはないことは明確だ。基地のない平和な島・沖縄をめざす道のりを、県民の皆さんとつくっていく意思は、決して揺らぐことはない。(新基地建設を強行しようとする)国の横暴に絶対に負けてはいけない。私たちの意思は絶対にくじけるものではない」と訴えました。

 日本共産党の赤嶺政賢衆院議員など「オール沖縄」の衆参国会議員、県内各地の「島ぐるみ会議」の代表者なども訴えました。名護市長選予定候補の岸本ようへい市議と、瑞慶覧(ずけらん)チョービン南城市長も、来年1月16日告示(23日投票)の両市長選での必勝の決意を述べました。