7日、「守ろう!外国人労働者のいのちと権利」集会が参院議員会館で開催されました。
外国人からは以下のような実態が報告されました。
縫製業で働いていた中国人女性は1年目と2年目は給料が出たが、3年目になり支払われなくなった。現在7か月未払い。
もう一人の縫製業で働いていた元技能実習生の中国人女性は、18年10月来日。1日13.5時間労働、残業代は時給550円、休日は月2回、労働基準監督署に告発したところ社長は会社を別組織に偽装し破産を申請し、未払い賃金は踏み倒しに。
弁当工場で働いていた2人の元技能実習生のビルマ人は劣悪な労働環境を報告。住居は5畳程度の部屋に3人が押し込められ、家賃は1人2万円程度、不衛生で、部屋にはネズミや虫が発生し、食事は腐りかけた弁当でうじ虫が湧いた。環境の改善を申し入れたが、聞いてもらえなかった。
在日ビルマ市民労組のミンスイ会長は「彼らは技能実習制度から逃げてきた難民。技能実習生がなぜ失踪するか。メディアは理由をきちんと考えてほしい。1週間、彼らと同じところで住んで一緒に働けばわかる。技能実習制度は廃止すべき」と訴えました。
コンビニの総菜工場で働き手首を負傷したベトナム人女性技能実習生は、セブンイレブンの総菜をつくる工場で、女性はもう一人のベトナム人と2人で仕事をしていて、毎日重い材料を運び1年経つと、もう一人は帰国してしまったため、女性1人で仕事をしなければならなくなった。朝早く、夜遅くまで残業の毎日で疲れが取れず、3年目に入ると左の手首が腫れて治らなくなった。会社に労災を相談したが手続きをしてくれなかった。しかし、全統一労働組合へつながり手続きでき、6月に手術、10月に労災が認められたが左手首にはまだ痛みが残る。
とても現実とは思えないような悲惨な状況で、日本の経営者が如何に残酷であるかが身に染みて、日本人であることに絶望したくなるほどです。
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弁当工場・惣菜工場の劣悪な労働環境ー「守ろう!外国人労働者のいのちと権利」集会
松本浩美 レイバーネット日本 2021-12-09
報告 松本浩美
12月7日「守ろう!外国人労働者のいのちと権利」集会が、参院議員会館で開催された。以下、現場からの報告を紹介する。外国人労働者が置かれた劣悪な状況が浮かび上がった。
岐阜一般労組第二外国人支部からは、(元)技能実習生など8人が参加。支部長、甄凱(ケンカイ)さんが実態を報告。一人は縫製業で働いていた中国人女性。在留資格は「企業内転勤」。1年目と2年目は給料が出たが、3年目になり支払われなくなった。現在7か月未払い。社長は「ちょっと待ってくれ」とか「家を売って金をつくる」とは言うものの、支払いなし。
もう一人はやはり縫製業で働いていた中国人女性。元技能実習生。2018年10月来日。1日13.5時間労働、残業代は時給550円だった。休日は月2回。労働基準監督署に告発。調査が入ったが、社長は調査に対して技能実習生が何を話したか、チェックするため、彼女たちのポケットにICレコーダーを入れておくように命じた。会社には是正勧告が出たが、社長は会社の権利を移動させ、別組織に偽装。破産を申請。未払い賃金は支払われず。こういう踏み倒し方は、技能実習生が酷使される職場ではよく見られるケース。
在日ビルマ市民労働組合からは、弁当工場で働いていた2人の元技能実習生の劣悪な労働環境を報告。あてがわれた住居は、5畳程度の部屋に3人が押し込められ、家賃は1人2万円程度。不衛生で、部屋にはネズミや虫が発生。食事は腐りかけた弁当で、うじ虫が湧いた。トイレはくみ取り式、ここでもうじ虫が湧いた。環境の改善を申し入れたが、聞いてもらえなかった。
2人は現在は難民申請中。ミンスイ会長は「彼らは、どこから逃げてきたかというと、技能実習制度から逃げてきた難民。技能実習生がなぜ失踪するか。メディアは理由をきちんと考えてほしい。1週間、彼らと同じところで住んで一緒に働けばわかる。技能実習制度は廃止すべき」と訴えた。
全統一労働組合からは、コンビニの総菜工場で働き、手首を負傷したベトナム人女性技能実習生のケースが報告された。女性は腕に包帯を巻いた姿で現れた。会社は社員約9000人、そのうち約600人強が日本人で、その他は外国人労働者。技能実習生も多く働いている。全国に10か所工場がある。セブンイレブンの総菜をつくる工場で、女性はもう一人のベトナム人と2人で仕事をしていた。毎日重い材料を運ぶ。1年経つと、もう一人は帰国してしまったため、女性1人で仕事をしなければならなくなった。朝早く、夜遅くまで残業の毎日。疲れが取れなくなった。
3年目に入ると、左の手首が腫れて治らなくなった。仕事ができないので休んだ。会社に労災を相談したが、「痛くなったらすぐに言わないとダメ」「あなたはもうすぐビザが切れるから無理」などと言って、手続きをしてくれなかった。しかし、全統一労働組合へつながり、手続きできた。病名はTFCC損傷。6月に手術、10月に労災が認められた。左手首にはまだ痛みが残る。
女性は訴えた。「手が痛くなってから1年。労災の手続きを会社でやってくれなかった。つらい仕事をがんばったのに、裏切られた気分です。労災を知らずにベトナムに帰った人もいます。私たちが体を壊さずに働けるように、日本の皆さん助けてください」