2021年12月23日木曜日

思いやり予算 5年1兆円超 米側要求受け入れ

 日米両政府は2226年度の5年間の米軍「思いやり予算」を、約10551億円とすることで合意しました。現行水準と比べ年約100億円増年平均で約2110億円となりました。しんぶん赤旗が報じました。

 そもそもこの支出は日米地位協定上も支払い義務のない負担で米国が財政と貿易の『双子の赤字』を抱えていた1980年代に、日本側(金丸議員)が「思いやり」の口実で62億円を負担したのが始まりでした。
 それを今では日本の方が厳しい財政状況なのに、30数倍に拡大した額で黙々と続けられている訳です。新に追加された項目などを見るにつけても、まさに「様々に因縁をつけられて強請られる」という事態を思わせます。
 東京新聞が、「思いやり予算増額は〝米国に物言えぬ日本象徴”。歯止めない支出見直しを」と題して、沖縄国際大の前泊教授へのインタビュー記事を出しています。
 併せて紹介します。
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思いやり予算 5年1兆円超 米側要求受け入れ 共同訓練費目を新設
                      しんぶん赤旗 2021年12月22日
 日米両政府は21日、2022~26年度の5年間の米軍「思いやり予算」(在日米軍駐留経費の日本側負担)を、約1兆551億円とすることで合意しました。米側の増額要求を受け入れたもので、現行水準と比べ年約100億円増となり、年平均で約2110億円となりました。
 基地の光熱水料負担を段階的に削減する一方で、「自衛隊と米軍の相互運用性を高める」ため、共同訓練の資機材の調達費を新設。提供施設整備費も大幅に増額しました。
 林芳正外相は同日の会見で、「日米同盟を一層強化する基盤を構築することで一致したことを踏まえ、在日米軍駐留経費負担の通称を『同盟強靱(きょうじん)化予算』とする」と述べ、「思いやり予算」という名称を使わない意向を表明しました。米側に過剰な負担をしているとの批判を避ける狙いがあるとみられますが、日米地位協定上も日本側に支払い義務のない負担であるという本質は変わりません
 来年1月7日開催で調整する日米安保協議委員会(2プラス2)で林外相とブリンケン国務長官が署名する方向で検討。日本政府は次期通常国会で新協定を提出し、現行協定が期限を迎える3月末までの国会承認を目指す構えです。
 今回の合意で、米軍基地で働く従業員の労務費について、日本側負担の対象となる人数は2万3178人と現行を維持。光熱水料は22・23両年度は234億円、24年度は151億円、25・26両年度は133億円としました。一方、「自衛隊と米軍の相互運用性の向上」を名目に、訓練機材の調達費を新設し、5年間で最大200億円を負担します。またアラスカへの航空機訓練移転費として毎年度約114億円を支出することになります。
 提供施設設備費も大幅増額、5年間で最大1641億円としました。米軍の対処力強化に向け、航空機格納庫整備などに充てます。


思いやり予算増額は「米国に物言えぬ日本」象徴 歯止めない支出見直しを
 沖縄国際大の前泊教授
                         東京新聞 2021年12月22日
 2022年度から5年間の在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)が増額されることについて、沖縄国際大学の前泊博盛教授に問題点を聞いた。(聞き手・川田篤志)

 ―合意内容の評価は。
 「増額は、米国に物言えない日本の現状を物語っている。中国による台湾有事の危機が叫ばれる中、日本の対米追従の姿勢が強まっているが、かつての米ソ冷戦など、戦後に安全保障上の危機がなくなったことはない。軍事危機をあおり、歯止めなく思いやり予算や防衛費を増額するのは問題だ」

 ―訓練資機材調達費を新たに負担する。
 「訓練移転費のみならず、訓練に必要な資機材まで新たな負担することに根拠はあるのか疑問だ」

 ―通称を「同盟強靱化予算」に変更する。
 「名前を変えても本質は変わらない。国民にとって負担根拠が乏しく、歯止めなき対米駐留支援金だ」

 ―日本の財政状況は厳しい。
 「思いやり予算は、米国が財政と貿易の『双子の赤字』を抱えていた1980年代に62億円を負担したのが始まりだ。今では日本の方が厳しい財政状況なのに、いつまで肩代わりを続けるのか。物価上昇などによる米軍駐留経費の増加を受け、日本が自主的に負担し始めた当初の趣旨を考えれば、見直すべきだ」

 ―米軍基地を抱える沖縄の現状は。
 「ここ数カ月はオスプレイが騒音を連日響かせ、CH53大型ヘリは普天間上空で旋回を繰り返している。中台危機をにらんだ米軍の有事即応体制下で思いやり予算を増額させれば、中国が猛反発し、小規模な軍事的衝突がいつ起きてもおかしくない。不安でしょうがないという沖縄の危機感を共有してほしい」

まえどまり・ひろもり 沖縄県宮古島市生まれ。明治大学大学院修了。新聞記者を経て2011年から現職。専門は基地経済、日米安保論、日米地位協定論。61歳。