2021年12月10日金曜日

10- 台湾有事 沖縄が核攻撃の標的に 米議会諮問機関報告書

 共産党の渡久地修・沖縄県議員が8日の沖縄県議会で米議会の諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」が1117日に公表した報告書で、「台湾有事」で米国が軍事介入の動きを見せた場合、米空母とグアム、沖縄の米軍基地が核兵器による先制攻撃の標的になる可能性があると指摘していることを明らかにしました。

 もしも沖縄の米軍基地が、戦術核兵器と呼ばれる小型核兵器による「核攻撃」の具体的な標的になれば、その被害が米軍基地内で治まることはあり得ません。渡久地議員は、「沖縄が1945年のように捨て石になり、計り知れない惨劇となる」と述べています。
 また、もしも日本や在日米軍が「敵基地攻撃」を行えばその反撃の被害は日本全土に及びます。
 敵基地攻撃能力の保有を叫び、「台湾有事」を待ち望んでいるかのように見える安倍元首相や高市早苗氏らは、この現実をどう認識しているのでしょうか。
 しんぶん赤旗の記事を紹介します。
 併せて日刊ゲンダイの「安倍元首相に反省の色なし BSフジ番組で ~ 『台湾有事』に前のめり」を紹介します。
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台湾有事 沖縄が核攻撃の標的に 米議会諮問機関報告書で指摘
知事「あってはならない」
                       しんぶん赤旗 2021年12月9日
渡久地議員が告発
 米議会の諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」が11月17日に公表した報告書で、「台湾有事」で米国が軍事介入の動きを見せた場合、米空母とグアム、沖縄の米軍基地が核兵器による先制攻撃の標的になる可能性があると指摘していることが分かりました。日本共産党の渡久地修議員が8日の沖縄県議会で明らかにしました。
 米中の軍事衝突で沖縄が標的になる危険性は繰り返し指摘されていました。渡久地氏は、この報告書は「核先制攻撃」の可能性にまで踏み込む「衝撃的な内容」だと告発しました。
 報告書は、中国が「限定的な核使用」を「台湾有事における米国の干渉抑止」などのテコにすると指摘。「低出力・より精密な核兵器の限定的な先制使用」により、「米空母やグアム、沖縄の基地といった米国の軍事作戦にとって死活的な部隊を破壊」する可能性に言及しています。
 その上で報告書は、米議会に「同盟国や友好国に対して、中国政府に軍縮交渉に入るよう圧力を強めるよう説得する」と同時に「米国の中距離ミサイルや他の米軍部隊を駐留させる意思を探求すべきである」と提言しています。

 渡久地氏は、米国も核先制使用の選択肢を維持していることをあげ、「米軍のミサイルが配備されれば、沖縄は76年前のような捨て石になり、計り知れない惨劇となる」と指摘。(1)日米中各政府に、沖縄は核戦争に巻き込まれることを拒否することを求める書簡を送る
(2)来年3月の核兵器禁止条約締約国会議に日本もオブザーバー参加するよう求める―ことを提案しました。
 玉城デニー知事は「台湾有事で沖縄が標的になることはあってはならない」として、政府に地域の緊張緩和と信頼醸成を求める立場をあらためて表明。書簡について「十分、可能な手段」だと述べました。


安倍元首相に反省の色なし! BSフジ番組でナマ大放言1時間超、「台湾有事」に前のめり
                          日刊ゲンダイ 2021/12/08
「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事」発言で物議を醸す安倍元首相が懲りずにボルテージを上げている。7日はBSフジ「プライムニュース」に1時間超も生出演。
 米国の北京五輪外交的ボイコットをめぐり、「首脳が行ったり、外務大臣が行ったりというのは競技とは関係ない」と米国追随をにおわせるなど、言いたい放題。
 司会者から「自民党の最大派閥・清和会の会長に就任されました、安倍晋三元総理大臣にお越しいただきました」と紹介された安倍氏は、口を真一文字に結んだまま応じたが、いったん口を開くとマシンガントークが止まらない。指さしも健在だ。
 番組テーマは「台湾有事は日本有事…発言の真意と対中政策」。オンライン参加した台湾シンポジウムでの発言の意図を問われた安倍氏は、中国が台湾に対する圧力を強めているとして、早口でこうまくし立てた。
「(台湾は)与那国島、先島列島(先島諸島)と100キロしか離れていないんですから。有事となれば、日本にとっても少なくとも『重要影響事態』になりますから」「日本の意思を示しておく。どういうことに発展する危険性があると申し上げていく必要がある」

「米国と一緒に打撃力行使」
 安倍氏はさらに、台湾海峡に米軍が展開し、中国から武力攻撃を受ける可能性に言及。「存立危機事態」へ発展する可能性を強調し、「集団的自衛権の行使を行うことになる」と前のめり。首相在任中に言い出した敵基地攻撃能力保有についても正当化し、話をどんどん飛躍させた。
「北朝鮮がミサイルを発射してどっかに着弾する。米国が報復して第2撃、第3撃はダメだと示す。三沢(基地)からF16(戦闘機)が爆弾を積んで攻撃に行く。日本に〈一緒に行こうよ〉と言いますよね。その時は一緒に行って打撃力を行使する。〈できない〉という答えはあり得ない」