2021年12月2日木曜日

立民が進む弱小政党への道(植草氏)/連合との距離を誤るな(日刊ゲンダイ)+

 立民党の役員人事で、泉 新代表は1日、西村智奈美氏を幹事長に、逢坂誠二氏を代表代行に、小川淳也氏を政務調査会長に、馬淵澄夫氏を国対委員長にそれぞれ起用する意向を明らかにしました。2日に決定する予定です。これで枝野・安住(前国対委員長)両氏が去って、民主党時代のメンバーが一新されました。
 泉氏は1日のテレビ朝日で「今後野党共闘にどう向き合うか」と問われ、先ず衆院選の総括をしてから決めたいと答えました。これまで代表戦に忙殺されていたことは分かるので、早急に進めて欲しいものです。
 衆院選で明らかにされたことは、立民党が選挙区で36議席から63議席に増やせたのは野党共闘によって候補者を1本化したからであり、比例区で69議席から44議席に減ったのは立民党への支持者が減ったからです。従ってなぜ大幅に国民の支持を失ったのかについて真剣に分析する必要があります。
 植草一秀氏は、「泉氏は共産党との共闘はあり得ないとする連合と足並みを揃えている。連合は戦争法制容認、原発稼働容認、消費税増税容認の色彩を色濃く持つ。共産党との共闘をあり得ないとする主張は守旧勢力の主張そのもの。立民党がこの方向を明確にするなら、支持者は激減し、次の総選挙でさらに惨敗の度合いを強めることになるだろう」と述べていますこれまでの「連合至上主義」は改めるべきでしょう。
 「連合」との関係については日刊ゲンダイは、「立憲民主党・泉健太新代表を待つ“茨の道” 最大の関門は支援団体『連合』との距離感」と題した記事で、「立民党が連合のための政党になってしまったらおかしな話。主体は政党にあるのだから、立憲がまず理念や方向性を決めて、支援してもらえるのかどうかを問うのが筋」というジャーナリストの鈴木哲夫氏の言葉を紹介し、「民党と共産党との共闘をあり得ないと切って捨てる連合は、支援団体の 則を超えている。立場をわきまえない発言を平気でするのは、芳野会長が“あやつり人形”で、幹部に言われるがまま話しているだけだから(連合関係者)との指摘もある」と述べています
 立民党が真っ先にやるべきことはこうした「連合」との異常な関係の清算です。
 2つの記事を紹介します。
 + 関連記事
   (10月25日)労働者側の視点のはずが…芳野友子連合会長は自民党の広告塔なのか
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
立憲民主が進む弱小政党への道
                植草一秀の『知られざる真実』 2021年12月 1日
日本国憲法前文に次のように記している。
「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、(中略)主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」
「国民が正当に選挙された国会における代表者を通じて行動する」
のである。

「国政は国民の厳粛な信託によるもの」。他方、政党は「共通の政治的目的を持つ者によって組織される団体」。
国民が各個人の考えを代弁する政党に所属する候補者や政党そのものに投票する選挙を通じて政治が行われる。政党のために国民が存在するのではなく、国民のために政党が存在する。
より正確に言えば、国民が自らの望む政治を実現するために政党を組織するのだ。
国民のための政党であって政党のための国民ではない。
立憲民主党がこの基本を理解しているか疑わしい。

立憲民主党が泉健太氏を新代表に選出した。立憲民主党は先の衆議院総選挙で惨敗した。
立憲民主党と国民民主党はかつての民主党、民進党が離合集散を繰り返して創設されたもの。
このグループの2017年選挙と2021年選挙での獲得議席数は以下のとおり。
  2017年「立憲+希望」 選挙区36  比例69
  2021年「立憲+国民」 選挙区63  比例44
立憲民主党議席は改選前が109だったが、今回総選挙で96に減らした。
選挙区で議席を大幅に増やしたが比例代表で議席を大幅に減らした。
選挙区で議席を増やした要因は野党共闘にある。
共産党が候補者擁立を取り下げて立憲候補者の支援に回った。この結果として多数の議席を確保した。
他方、比例代表選挙結果は立憲民主党の実力を示す立憲民主党は支持を大幅に失い、比例代表の議席を大幅に減らした。
比例代表選挙で全有権者の何パーセントが投票したのかを示す絶対得票率を見ると

 

衆 院 選 挙

政  党

2017

2021

立憲+希望

20.0%

立憲+国民

13.7%

維  新

3.3%

7.8%

共 産 党

4.2%

4.1%

になっている。
「立憲+国民」が得票率を大幅に下げ、「維新」が大幅に得票率を上げたことが分かる。
泉健太氏は共産党との共闘に否定的な姿勢を示す。「共産党との共闘はあり得ない」とする連合と足並みを揃えている。
次の選挙で立憲民主党が共産党との共闘を排除するなら、立憲民主党は選挙区でほとんど議席を確保できなくなるだろう。
参院選について野党候補を一本化することが望ましいとしているが、基本政策を共有せずに候補者を一本化することは正当でない。「野合」そのものだ。
連合の主張は、戦争法制容認、原発稼働容認、消費税増税容認の色彩を色濃く持つ。
共産党との共闘をあり得ないとする主張は「守旧勢力」の主張そのもの。
立憲民主党がこの方向を明確にするなら、支持者は激減し、次の総選挙でさらに惨敗の度合いを強めることになるだろう。
重要なことは、自公政治刷新を求める主権者の層が極めて厚いこと。
戦争法制排除、原発稼働ゼロ、消費税減税・廃止を求める主権者が多数存在する。
この主権者は共産党との共闘を排除しない。
立憲民主党が守旧政党としての性格を鮮明にすると、自公政治刷新を求める主権者の意思を代弁する中核政党が不在になる。
守旧政党としての性格を露わにする立憲民主党に国政を委ねることはできない。
この意味で日本の主権者は自らの政治的主張に寄り添う、信頼できる確かな野党を創設する必要に迫られている
立憲民主党代表選結果が今後の最大課題を明らかに示している。

鳩山友紀夫元首相との対談(アジア共同体研究所主宰YouTube動画「UIチャンネル」)
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のご高覧も賜りたい。
             (以下は有料ブログのため非公開)


立憲民主党・泉健太新代表を待つ“茨の道” 最大の関門は支援団体「連合」との距離感
                          日刊ゲンダイ 2021/12/ 01
 立憲民主党の代表選が30日、東京都内で投開票が行われ、決選投票の末、泉健太政調会長(47)が逢坂誠二元政調会長(62)を破り、新代表に選出されたが、喫緊の課題である党の立て直しは茨の道だ。
 7カ月後に迫る参院選で、野党第1党として与党といかに対峙するのか、いかに有権者の支持を高めるのか、態勢づくりが急がれる。最大の関門は支援団体の「連合」との関係だ
「連合と共産党の考えが違う。立憲と共産党の共闘はあり得ないと言い続ける
 28日に出演したBSテレ東の番組で、連合の芳野友子会長(55)はこう強調した。新代表に対しては、「しっかりコミュニケーションを取り、連合の考え方に理解いただきたい」。来夏の参院選に関しては、「立憲、国民民主党、連合が協力し合って戦える関係をつくりたい」「(両党の)合流を今後も求めていきたい」と連合側の主張を展開した。

連合の芳野友子会長は“あやつり人形”
 代表選最終盤にこの発言とは、候補者にプレッシャーを与えようとしているのだろうか。4候補はいずれも「衆院選での共産党との共闘は間違っていなかった」としているから、芳野連合との協力関係を再構築するのは簡単ではない。
「大事なのは距離感です。立憲民主党が連合のための政党になってしまったらおかしな話。主体は政党にあるのだから、立憲がまず理念や方向性を決めて、支援してもらえるのかどうかを問うのが筋。連合のための政党なら、連合が主体となって政党をつくればいいわけですから」(ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
 確かに、立憲と共産党との共闘を「あり得ない」と切って捨てる連合は、支援団体の則を超えている。立場をわきまえない発言を平気でするのは、「芳野会長が“あやつり人形”で、幹部に言われるがまま話しているだけだから」(連合関係者)との指摘もある。連合の共産嫌いは労働組合の闘争の歴史からくる過去の恩讐のような側面もあり、新代表が連合の言うなりになれば、判断を間違う。
 さらに泉新代表には、党内融和と支持率アップという課題ものしかかる。旧立憲系、旧国民民主系、旧無所属系など、代表選での支持には党内グループの色分けが見えた。党内の足の引っ張り合いが旧民主党時代からの“お家芸”だけにノーサイドをつくれるのかどうか。
 1ケタに低迷し続ける支持率をアップするには、いかに有権者の期待感を集めるかだが、これが一番難しい。