TeNYテレビ新潟が、「“裏金要求”めぐる泉田議員と星野県議 かつては蜜月関係の2人に亀裂」とする記事を出しました。
それによると知事を退任した泉田裕彦氏が17年、新潟5区から衆院選に立候補した際も、一部から異論が出る中で当時自民党新潟県連会長であった星野県議が擁立を後押しし当選を果たしました。しかし衆議院議員になってからは新潟県での議員活動は殆どなかったので、星野県議や高鳥自民党新潟県連会長と泉田議員とは折り合いが悪くなっていたということです。
テレビ新潟は、その他の県会議員の思いについても報じています。
いずれにしても選挙区内への〝実弾投入要請” が事実なら、広島の買収事件と構図は一緒で、茨城6区では、選挙中に開催された演説会参加者に日当が支払われた「有権者買収」疑惑も浮上しています。選挙でカネをバラまくのは、自民党にとって当たり前ということなのでしょうか。
日刊ゲンダイの記事も合わせて「泉田裕彦議員『裏金要求告発』問題」の「続報2」として紹介します。
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“裏金要求”めぐる泉田議員と星野県議 かつては蜜月関係の2人に亀裂
TeNYテレビ新潟 2021/12/02
泉田裕彦衆議院議員が裏金を要求されたと訴えている問題。泉田議員が“要求したのは星野伊佐夫県議”と名指ししたのに対し、星野県議は真っ向から否定しています。以前は蜜月関係にあったという2人ですが、しだいに距離が広がっていったと関係者は話します。
【自民党・泉田裕彦衆院議員(12月1日)】
「要求したのはですね、星野伊佐夫自民党長岡支部長であります」
裏金を要求されたと主張する泉田裕彦衆議院議員。
【自民党・星野伊佐夫県議(12月1日)】
Q 金銭の要求とか裏金の要求は?
「まったくない」
Q なかったということで?
「まったくだよ。まったくない」
事実無根と反論する星野伊佐夫県議。
2人は協力関係にあったはずでした。
2004年から県知事を3期12年務めた泉田議員。その後ろ盾となったのが…
【星野伊佐夫県議(2012年・当時は自民党県連会長)】
「2月県議会で我が党の代表質問で出馬について尋ねる質問が出ると思います。(出馬を表明すれば)極めて前向きに我が党は検討をさせていただく」
当時、自民党県連の会長を務めていた星野県議でした。
泉田議員が2017年、新潟5区から衆院選に立候補する際も、一部から異論が出る中で星野県議が擁立を後押ししました。
新潟5区内の県議は。
【自民党・松原良道県議】
「長く星野さんが県連会長をしている中で、泉田先生は(県知事を)3期12年も務めた中の付き合いは、相当深いと私は認識してました」
一方、関係の悪化を指摘する県議もいます。
【自民党・皆川雄二県議】
「前回の衆議院選挙の直後から徐々に何となくすきま間が風吹いてるような雰囲気はありました」
泉田議員をめぐっては衆院選で初当選して以降、地元での活動が見えないと関係者の間で不満がくすぶっていました。
【自民党・宮崎悦男県議(2021年9月)】
「もっと地域を歩いてくれよと、現場主義貫いてくれよと。『長島先生(故・長嶋忠美衆院議員)の名代…? 冗談じゃねえよ』と、俺は言ったことがあります」
【自民党・星野伊佐夫県議(2021年9月)】
「新潟県の知事を12年間やって、民間の経験がないわけですよ。そうであれば当然、誰がなってもギクシャクしたり、意見が合わなかったり、手法が変わったりと、そのようなことがあるので…」
今回の衆院選。星野県議は泉田議員の選挙対策本部には入りませんでした。最後まで一枚岩になれなかった泉田陣営…。
Q一枚岩になれました?
【自民党・皆川雄二県議(2021年10月・選挙戦最終日)】
「3枚ぐらいに分かれてますけど岩自体は固まっています」
12月1日の記者会見で泉田議員は選挙戦をこう振り返りました。
【自民党・泉田裕彦衆院議員(12月1日)】
「『配ることはできない』ということでお断りをしました。そしたらもう選挙は本当に大変だった」
【自民党・宮崎悦男県議】
「お金がないから票が伸びなかったという言葉を手弁当で頑張っている人たちが聞いたら、どういう気持ちになるのか。信頼関係は全くなかったんだなというのを感じました」
泉田議員と星野県議。蜜月関係は決裂しました。
【自民党・泉田裕彦衆院議員(12月1日)】
「(星野県議は)17年前の初めての知事選挙の時からお世話になっている方です。したがって今回のことは本当に残念でならないと思っています」
【自民党・星野伊佐夫県議(12月1日)】
「やっぱり寂しいし、悲しいよね。きょう党議で1人の方が泉田さんと離別したいというのが出たけども、私もおそらく離別だな」
決定的な亀裂が入った両者の関係。どのような決着をみせるのでしょうか。
自民党「裏金選挙」また発覚! 泉田議員が暴露した“新潟のドン”による実弾投入要請
日刊ゲンダイ 2021/12/02
また自民党の“金権選挙”が発覚した。自民党の泉田裕彦衆院議員(比例北陸信越ブロック)が1日の会見で、新潟5区から出馬した衆院選の際に党関係者から“裏金要求”があったと暴露したのだ。
■「比例に引っかからなかったら終わり」と迫られた
泉田氏によると、裏金を要求したのは、県政の“ドン”といわれる星野伊佐夫県議(82)。選挙対策として、2000万~3000万円を選挙区内の関係者に渡すよう要請してきたという。2人のやりとりがあったのは9月4日。菅前首相が退陣表明した翌日だ。
星野宅に赴いた泉田氏は、自らが劣勢に立たされている世論調査のデータを見せられ「泉田さん、勝とうや。2000万や3000万の金を惜しんで一生を投げ出してはいけない」「比例に引っかからなかったら終わりだよ」と迫られた。
親指と人さし指で「OKサイン」をつくった星野氏に「(第三者の)○○くんはこれ(カネ)を使うことを知っているからね」とも言われたという。
選挙買収を命じられたと受け止めた泉田氏が難色を示し、河井元法相夫妻による買収事件に触れると、「そんなのは表面の話」「そういう世界だから」と諭されたという。
泉田氏側の“私怨”が影響
泉田氏は当時の会話の音声を所有。高鳥修一県連会長に直接、検証を要求したものの取り合ってもらえず、やむなく会見で“告発”するに至ったと打ち明けた。近く、県連に星野氏の除名を要請するという。
選挙区内への“実弾投入要請”が事実なら、広島の買収事件と構図は一緒。茨城6区では、選挙中に開催された演説会参加者に日当が支払われた「有権者買収」疑惑も浮上している。泉田氏の“告発”が事実なら、選挙でカネをバラまくのは、自民党にとって当たり前ということだ。
星野氏は「全くの事実無根」と否定しているが、次々と浮かび上がる「選挙違反」疑惑。
ただ、今回の告発については、泉田氏側の“私怨”が影響している可能性もあるという。
「新潟5区では、泉田氏さんの他に元長岡市長の森民夫さんが立候補。泉田さんと森さんで保守票を食い合う分裂選挙になりました。本来なら、県連が森さんの出馬を抑えるべきでしたが、それがかなわなかった。その結果、泉田さんは小選挙区で落選。苦杯をなめました。その恨みが根底にあるのではないか。もともと、星野県議や高鳥さんら県連側と泉田さんは折り合いが悪い。県連に攻撃を仕掛ける意図があるのではないか、と囁かれています」(地元関係者)
「聞く力」がご自慢の岸田首相は、泉田氏の話をどう聞くのか。