7月の訪日外国人は前年同月比約27%増の約127万人となり、月間として過去最多になりました。特に7月の中国からの旅行者は前年同月比101%増の約28万人で、11カ月連続で月間の過去最高を更新しています。
日本政府は東京五輪が開催される2020年に訪日客2000万人達成を目標にしていますが、中国人だけで1000万人に達すると見られています。
日中両政府間は決して良好な関係ではありませんが、中国のネットの掲示板を見ると、『鬼畜』のような日本人が登場する戦争映画やドラマを見せられていた人が、実際に日本を訪れて「日本人は親切で、民度が高い」と驚いたり、「行く前は日本が嫌いだったが、行ってみると日本人は親切で考えが変わった」とか、「政府が主張する日本についてのプロパガンダは間違っているんじゃないか」などというメッセージが多数書き込まれていて、一般の中国人は日本に対して好感を持っているようです。
こういう時期であればこそ、隣国の国民同士が信頼し合い、好感を寄せ合うことはとても重要なことです。
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訪日中国人急増 背景にネット上の日本人への好感
夕刊フジ 2014年8月31日
政府観光局によると、7月の訪日外国人は前年同月比約27%増の約127万人となり、月間として過去最多になった。円安や東南アジアからのビザの発行要件が緩和されたこともあり、訪日客は昨年初めて年間1000万人を超えた。羽田空港の国際線発着枠増加やクルーズ船の寄港増加もあり、今年は昨年を上回るペースだ。
月間の訪日外国人数は今年3月から5カ月連続で100万人を超え、7月までの累計で750万人を突破している。特に、7月の中国からの旅行者は前年同月比101%増の約28万人。11カ月連続で月間の過去最高を更新している。
百度(バイドゥ)など中国のネットの掲示板には、「日本が嫌いなのに、なぜ日本に行くんだ」という書きこみがあり、それに対して「行く前は日本が嫌いだったが、行ってみると、日本人は親切で考えが変わった」とか、「政府が主張する日本についてのプロパガンダは間違っているんじゃないか」というメッセージが多数書き込まれている。ネットの世界では、日本は好感を持たれているのだ。
中には「日本人が笑っていたので、びっくりした」というものもあった。鬼畜のような日本人が登場する戦争映画やドラマを見せられていた人が、日本を訪れて、「日本人は親切で、民度が高い」ということがわかり、驚くようだ。
最近、日本で携帯電話を落とした中国人旅行客のエピソードがネットで評判を呼んだ。ホテルに戻るタクシーの中で携帯がないことに気がついたのだが、どこでなくしたかわからない。すると、2人の日本人女性がタクシーで追いかけてきて、携帯を届けてくれた。
「せめてタクシー代ぐらい払わせてくれ」と言ったら、「いらない」と帰っていったという。実は中国のネットにはこの手の話があふれている。
中国からの観光客が増えた理由は他にもある。家電量販店のラオックスは、09年から中国の蘇寧電器の傘下となっているが、ここにきて売り上げが急激に伸びている。その理由を尋ねられた羅怡文社長は、「消費税が8%に上がったから」と答えている。
というのも、客の8割が中国人を中心にした海外旅行客で、彼らは免税の恩恵を受けられる。つまり、「(さらに)8%引き」なのだ。そのため、羅社長は「消費税が上がれば上がるほど、ウチは有利になる」と語っている。
中国でラオックスは有名で、秋葉原の店も中国人客であふれ返っている。経営再建を進めてきたラオックスは、この免税ビジネスに突破口を見いだした。今後も拡大するだろう。
訪日する中国人は、放っておいてもどんどん伸びていくと思う。もう、政治的に何があっても関係ない。ネットの普及した中国では「類は友を呼ぶ」好循環が期待できるからだ。日本政府は東京五輪が開催される2020年に訪日客2000万人達成を目標にしているが、中国人だけで1000万人はいくのではないか。