米国のビキニ水爆実験では、1954年3月1日に漁船第5福竜丸がビキニ海域で被曝し、乗組員の久保山愛吉さんが重度の放射能障害でその半年後に亡くなりました。
そのことは良く知られていますが、実は福竜丸の他にも約990隻が同海域で操業していて、合計約13、000人の漁船員が被曝した事実は殆ど知られていません。
ビキニ水爆実験の被害の実像に迫るドキュメンタリー映画「放射線を浴びたX年後」が、16日、町田市で上映されます。
愛媛県の南海放送が11年前から取材を続け、成果を年1回のペースでテレビ放映していたものを、2012年に映画化したものです。
なお、NNNテレビが2012年1月に放映した「放射線を浴びたX年後」の動画(24分)は、下記のURLをクリックすると見ることが出来ます。
この回は、これまで放映してきた概要を説明した後に、米国のビキニ水爆実験下で当時日本の各地に降る雨や、各漁港で水揚げされるマグロなどから多大な放射能が検出されていた中で、沖縄だけは一貫して雨水(当時沖縄人は雨水をそのまま飲料水にしていました)からも魚からも放射能が検出されなかったことを取り上げ、それは米軍科学班の測定方法がおかしかったからであることを明らかにしています。
米軍による沖縄占領政策上そうする必要があったためで、意図的に行われたものでした。
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ビキニ水爆の「X年後」上映 町田で16日 被害の実像に迫る
東京新聞 2014年9月14日
町田市の町田市民フォーラムで十六日、映画「放射線を浴びたX年後」が上映される。アメリカが行ったビキニ水爆実験の被害の実像に迫るドキュメンタリーで、科学ジャーナリストの天笠啓祐氏の講演もある。
「原発事故を考える町田市民の会」主催の自主上映。愛媛県の南海放送が手掛けたテレビドキュメンタリーを編集した作品で、一九五四年の水爆実験による漁師の健康被害を調べた高校教師らの足跡を追い、放射性物質が日本全土を覆っていた事実などを告発した。十一年前から取材を続け、成果を年一回のペースでテレビ放映していた。二〇一二年に映画化された。
上映はフォーラム三階ホールで、午後三時からと午後六時四十五分からの二回。天笠氏は「放射能と食品汚染」のテーマで、映画の合間の午後四時四十分から講演する。一回の映画鑑賞と講演参加費として前売り千円、当日千二百円。問い合わせは会事務局=電042(726)5326=へ。 (栗原淳)