「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」と詠んだ市民の俳句を、さいたま市の三橋公民館が月報への掲載を拒否した問題で、市民有志らが27日、2回目の市民集会を開きました。
さいたま市公民館運営審議会委員長の安藤聡彦埼玉大教授がパネリストとして発言し、「掲載拒否が認められてしまえば、物事が言いづらい世の中になる」と指摘しました。
会には県内外から約160人が集まり、そのうちの約20人が発言しました。
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民主主義の礎守れ 九条俳句掲載拒否 さいたま市民ら集会
東京新聞 2014年9月28日
「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」と詠んだ市民の俳句を、さいたま市大宮区の三橋(みはし)公民館が月報への掲載を拒否した問題で、市民有志らが二十七日、さいたま市の市民会館おおみや小ホールで二回目の市民集会を開いた。会場には約百六十人が集まり、「言論封殺だ」などと批判の声が相次いだ。
有識者らでつくる、さいたま市公民館運営審議会委員長の安藤聡彦(としひこ)・埼玉大教授(社会教育学)がパネリストとして発言し、「掲載拒否には納得できる根拠がない。拒否が認められてしまえば、物事が言いづらい世の中になる」と指摘した。
参加者約二十人が発言したが、ほとんどが公民館や、管轄する市教育委員会への批判。「梅雨空-」の作者と同じ俳句会の女性は「月報の掲載作品を選ぶ句会は毎月、和気あいあいとやっていた。公民館の方から中身がだめと言われるなんて筋違いで、納得できない」と憤った。「公民館で、政治的な内容を話しちゃいけないのか。民主主義の根本が問われている」と反発する男性もいた。
市民集会は、約百人を集めた七月二十五日以来、二回目。主催者側が出席を求めていた市教委の担当者は今回も参加しなかった。 (岡本太)
9条俳句拒否根拠示せ さいたま 市民有志が考える集い
しんぶん赤旗 2014年9月28日
さいたま市大宮区の三橋公民館が、俳句サークルが選んだ「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の句を公民館だよりに掲載拒否した問題についてさまざまな角度から議論しようと、市民有志の呼びかけによる集いが27日、同区の市民会館おおみやで開かれ、160人が参加しました。
市の公民館運営審議会委員長の安藤聡彦(としひこ)埼玉大学教授が発言し「自主的な学びや活動、表現に対し公的レベルでの規制が起きており、生きづらい社会をつくり出している。市の公民館で起きたことは、まことに残念」と語りました。掲載拒否について「市は正当な根拠を示せていない」と指摘。審議会での議論も不十分だとし、今後、句会の当事者の意見も聞きながら議論を深めたいと語りました。
県内外から多くの市民が参加し「公民館の改修問題で署名を集める箱を置いたら『政治問題に当たる』と撤去を強要された」などの事例が報告され、「意見を言うことをためらう空気になるのが怖い」などの声が上がりました。安藤氏は「公民館は一人ひとりの市民と地域の民主主義の力で支えられている。この問題を議論し、伝える取り組みが問題解決にとって決定的に大事」と話しました。
集いでは、教育学者の大田堯(たかし)東京大学名誉教授のインタビュービデオが紹介されました。