熊本県山鹿市の鹿本高校 考古学部は27日からの文化祭で、4回目の「鹿高博物館」を開きました。
今年は、新たに入手した「硫黄島からの手紙」など約300点の資料をそろえました。
その手紙は、戦時中は軍の機密のため国内の自分の居場所を、家族にも知らせることが出来なかったことを示しています。
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戦争の恐ろしさ知ろう 鹿本高考古学部が資料展示
熊本日日新聞 2014年09月27日
「戦争と熊本」をテーマに調査・研究をしている山鹿市の鹿本高考古学部は27日の文化祭で、恒例の「鹿高博物館」を開く。4回目の今年は、新たに入手した「硫黄島からの手紙」など約300点の資料をそろえた。
初出の一つは、日米約3万人が戦死した硫黄島(東京都小笠原村)で、1945年に35歳で亡くなった田中武来さん=熊本市出身=の手紙とハガキ20通。遺族から提供を受けた。
田中さんが家族に宛てた手紙は居場所を明かせない中、何度も居場所を尋ねる妻に「あの2つ(父島、母島)ではない直ぐ下の○○島だ。すべては軍の機密だから書けない」と記す。その後、軍に発覚しないよう内地に帰る同僚に託した手紙で「この島は硫黄島だ」と告白している。
シベリア抑留体験があり、戦争をテーマにした作品で知られる画家宮崎静夫さん(86)=熊本市=からは、14歳の時に伯父に頼まれて描いた「あ々、満州」など未発表の紙芝居3作品(計20枚)を初めて借り受けた。国民学校生時代に想像で描いた作品は当時の軍事教育の一端がうかがえる。
ほかに、外套[がいとう]や飯ごうといった軍用品、写真や手記も並べる。部長の堀啓太君(2年)は「家族への思いなど日常の平和を踏みにじってしまう戦争の恐ろしさを実感してほしい」と話している。
27日は正午~午後5時。10月1、3日は午後2~5時。同校0968(44)5101。(岩下勉)
戦争の恐ろしさ知ろう 鹿本高考古学部が資料展示の写真、図解
新たな戦争資料などを展示した鹿本高考古学部「鹿高博物館」の
会場と部員ら。右端は顧問の高木康博教諭