オバマ米大統領は11日、イラク、シリアで活動するイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」を壊滅させるための包括的な戦略を発表し、目的の達成に向け米国が「幅広い有志国連合を率いる」と強調しました。
「明日の自由を守る若手弁護士の会」は、これは集団的自衛権の行使容認を閣議決定した日本にとって他人事ではなく、直ちに身に降りかかってくる問題であるとしています。
「有志連合」の参加国は、米国、英国、フランス、ドイツなどの10ヵ国で、訪米中の自民党の河井克行衆院議員に対して「有志連合の構築を進めている」との説明があり、
イラクへの「人道支援の一層の拡充」や周辺国支援の強化を要請したということです。河井議員は、帰国後安倍首相に伝えると返事をしています。
イラクへの「人道支援の一層の拡充」や周辺国支援の強化を要請したということです。河井議員は、帰国後安倍首相に伝えると返事をしています。
安倍首相が果たしてキチンと日本の立場を主張できるのか、あるいはなし崩し的に参戦させられるのか、早くも安倍政権への試金石となる問題が生じました。
参戦したりすれば当然イスラム国から報復の対象とされます。ここは是非、安倍氏がテレビを通じて国民に説明したことが偽りでないことを証明して欲しいものです。
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終わりのない「対テロ戦争」 集団的自衛権をリアルに考えよう
明日の自由を守る若手弁護士の会 2014年9月12日
報道によると、オバマ米大統領は10日夜(日本時間11日午前)、ホワイトハウスで米国民に向け、イラク、シリアで活動するイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」を壊滅させるための包括的な戦略を発表し、シリアでの空爆を承認する考えを表明しました。
目的の達成に向け、米国が「幅広い有志国連合を率いる」と強調したそうです。
泥沼化した対テロ戦争を批判したオバマ大統領が、新たな対テロ戦争の宣言をした、という絶望的な皮肉に、目眩がする思いですが…(テロって、特定の国とか民族じゃなく手段なので、はっきり言えば誰がいつどこでどんな意味を込めてやろうともテロはテロなので、「テロの撲滅」なんて不可能なんですけどね、なんて思ったりもしますが)。
ともかく、アメリカが戦争を大いに続けるということ。そして「幅広い有志国連合を率いる」なんてことも強調していること。
これは、集団的自衛権の行使容認を閣議決定されてしまった日本の主権者として、他人事としてとらえてはいけません。
憲法9条を骨抜きにするんです、と宣言した現政権は、9月末から始まる臨時国会では関連法案の改正が進める予定です。私たち主権者はもちろんどんな議論がなされるのか監視していくわけですが、そこでは「想像力を働かせること」がとても大事です。
イスラエルのガザへの侵攻、連日報道されていました。
目をそむけたくなるような、虐殺された子ども達の映像もたくさん流れました。なにこれ意味分かんない、なんなの宗教の争いって、と思った方、きっと多いと思います。
でも、日本(安倍政権)はイスラエルと共同声明を発表しました。
イスラエルへの武器提供が進められ、イスラエルの同盟国になりつつあるのです。
そして、アメリカの際限のない「対テロ戦争」はもちろん、同盟国の戦争です。
集団的自衛権の行使というのは、つまり、イスラエルのパレスチナへの侵攻(容赦ない民族浄化)に参戦し、あるいはアメリカの終わりのない対テロ戦争に自衛隊を投入することです。
参戦すれば、どんなにこちら(日本政府)が「必要最小限」と言ったところで、相手にしてみれば日本は敵です。敵はテロの標的になります。
宗教とか全然よく知らないし-、とか、そういう場合ではないのです。遠くでの戦争でしょ、日本国内にいれば関係ないでしょ、とか、そんなわけはないのです。
戦争に参加する、ということを、リアルに想像しましょう。
その上で、主権者としてこの国の未来を選び取りましょう。 他人任せでは、自分の未来も、子どもの未来も守れません。
米政府、日本にイラク支援拡充を要請 NSC日本部長
産経新聞 2014年9月10日
【ワシントン=加納宏幸】米国家安全保障会議(NSC)のレイモンド・グリーン日本部長は9日、訪米中の自民党の河井克行衆院議員と会い、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に対抗するため有志連合の構築を進めていることを説明した。その上でイラクへの「人道支援の一層の拡充」や周辺国支援の強化を日本に要請。11日付でグリーン氏に代わるクリストファー・ジョンストン次期日本部長も同席した。