2016年3月12日土曜日

12- 安倍政権は全部この繰り返しか

選挙前には隠しておいて終わったら出す。忘れた頃に選挙やる。
小沢一郎(事務所)2016年3月8日 
安倍総理は先日年初からの急激な為替変動について問われ、「高はある種の信認で、むしろいいこと」という趣旨の発言をした。
こうなると恐ろしいことに総理自身がもはやアベノミクスを全く理解していないということなる。
さんざん円安→株高を自作自演しておいてこの発言である。
体何がしたいのか
 
とりあえず任期中の憲法改正、国防軍創設と、本音を語ってみる。
反応がよくない。
与党からも選挙なのにと言われる。
また引っ込める。
選挙が終われば、また持ち出し、安保法制のときのように無理やり押し通す。
つまり、選挙前には隠しておいて終わったら出す。
忘れた頃に選挙やる。
全部この繰り返しか。
 
昨日、日銀総裁が「マイナス金利は円安に効果がある」といった途端、この急激な円高である。
あまりに見事である。
今や完全にオオカミ少年になりつつある。
そもそもアベノミクスから3年たって、未だ金融政策頼みのところが大問題。
やったことといえばネットでの薬品販売緩和くらい。
何もやっていない。
 
アベノミクスの人々は「必要に応じて断固たる措置をとる」「あらゆる手段を講ずる」「政策手段に限界はない」と、そんなことばかり言っている。
一体いつ何をしたというのだろう。
もっとも未だ「アベノミクスは失敗していない」らしいので、当分何もしないだろう。
大体政策手段に限界がない訳なかろう。
 
アベノミクスで急に、今や正式な名すら出てこない「一億総何とか作戦」とか言い始めた原因はただひとつ。
それは、巧妙に「三本目の矢」を隠すためである。
なぜ隠すのか。
それは「三本目の矢」など初めからなかったからである。
唯一ネットでの薬品販売規制緩和らしい。
もはやマジックショーの域である。
 
安倍総理は先に急激な円高を「ある種の信認で良いこと」といった。
逆である。
アベノミクスへの信頼が失われたからこそ今までの反動として猛烈な円高が進んでいるのである。
そのことの深刻さが全くわかっていないから、こういう発言になる。
物価目標から何からアベノミクスを自分自身で全否定している
 
アベノミクスの閣僚達の答弁を聞いていると、どこか戦前の大本営発表のような印象を受ける。
「基本的にうまくいってます」「こんなに成果が出てます」「失敗してません」と。
戦前であればみんな信じたかもしれないが今は誰も信じない。
だからこそ健全なメディアは重要。
真実が隠されたら、もう終わり。
 
今消費マインドはほんとうに厳しく冷え込んでいる。
一方、アベノミクスの閣僚達は「景気はうまくいっている」と繰り返してばかり。
ますます人々の経済政策に対する信認は薄れ、スパイラル的にますます消費マインドが冷え込む。
極々単純な因果関係だが、失敗を認めるのが嫌で誰も現実をみようとしない。
 
内閣府の2月消費動向調査によると消費者態度指数は前月比▲2・4の40・1と、2カ月連続で低下。
低下幅は13年10月以来の大幅なものとなった。
連日アベノミクスの経済閣僚が何と答弁しようと、数字がアベノミクスが成功だったのか失敗だったのかについて物語っている。
まず経済指標の確認が先。
 
総理の答弁を見てみると毎日本当によくキレている。
「前政権と比べて・・じゃありませんか!」とか常に絶叫調。
ここまで感情的に答弁し続ける例はない。
謙虚に聞く耳を持つ感じはなく、というか実はあまり聞いておらず、議論にならないことが多い。
野党は国民の代わりに質問しているという意識が皆無。
 
本日発表の景気ウォッチャー調査によると、2月の指数は前月比▲2.0の44.6と、2か月連続で低下。
これを受け、政府は景気判断を「弱さがみられる」とし、1年3か月ぶりに下方修正した。
人々の期待を膨張させるだけ膨張させたアベノミクスによる正に自爆である。
3年も経った。
もう十分である。