日経新聞 2016年3月2日
国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は2日までに、国の調査に伴い、広島、長崎など33都府県と海外に住む被爆者に記してもらった体験記が2月29日時点で1万103人分届いたと発表した。
体験記はデータベース化し、承諾が得られたものを、7月から広島、長崎両市の追悼平和祈念館で公開する。
厚生労働省は被爆者の生活や健康状態を基に援護事業を進めるため、10年おきに「原子爆弾被爆者実態調査」を実施。昨年10~11月、約5万6千人を対象に調査し、体験記の記載も依頼した。
表題を「被爆について思うこと」として自由に記述する形式。被爆当時の様子や、戦後の食糧難などの体験が記されているという。
広島の追悼平和祈念館の担当者は「つらいことを思い出しながら、一生懸命書いてくれた被爆者の思いを、きちんと後世に伝えていきたい」と話している。〔共同〕