2016年3月21日月曜日

21- 消費税率引き上げ巡り与野党が論戦

 NHK NEWS WEB 2016年3月20日
NHKの番組「日曜討論」で、来年4月の消費税率の引き上げについて、自民党は、世界経済の現状を踏まえて予定どおり実施するかどうかを政府・与党内で議論し、夏の参議院選挙の前に判断するのが望ましいという考えを示したのに対し、民主党は、消費税の軽減税率の導入などを前提とした引き上げには反対する考えを示しました。
 
この中で、自民党の溝手参議院議員会長は「財政健全化をしっかり図っていくということが、最終的には日本のために正しい選択だったということになるのではないかと思うが、世界経済、マクロ経済の中でどう影響していくか、もう一回議論することが極めて重要だ。参議院選挙までにはまだ数か月あるので、決断、方向付けは、その前にしたほうがいい。安倍総理大臣が引き上げの先送りを判断し、衆参同日選挙の流れができることには賛成だ」と述べました。
 
公明党の魚住参議院会長は「きっちりと来年4月に引き上げることが可能な経済を作ることが大事で、そのためにアベノミクスを推進してきた。これから地方や中小企業に効果を波及させていこうとしている最中で、政府と一体になって取り組んでいく」と述べました。
 
民主党の郡司参議院議員会長は「税と社会保障の一体改革を大事に考えていくことに変わりはないが、アベノミクスの失敗を隠すために税率の引き上げを先送りするような流れは、詭弁(きべん)だ。加えて、軽減税率というわれわれには理解できない制度を導入するのだから、今のままでは税率の引き上げには反対というのが私たちの考え方だ」と述べました。
 
共産党の市田参議院議員団長は「暮らしも経済も景気も財政も悪くする消費税の増税は、きっぱり中止すべきだ。税率を倍にすると抵抗が大きいので2段階でまず8%にしたが、8%の段階で影響が出ており、10%など論外で、きっぱりやめるべきだ」と述べました。
 
維新の党の寺田参議院会長は「消費税は必要な税だが、その前に身を切る改革を行って、行政のむだを省くことから出発すべきだ。消費税の逆進性の問題もあるので、給付付き税額控除を導入することなども含めて、もう一度考え直すべきだ」と述べました。
 
おおさか維新の会の片山共同代表は「景気と、身を切る努力と、軽減税率の財源の3つをきちんと手当てしなければ、税率を引き上げるべきでない。無理をして上げても、税収が増えず景気がもっと落ち込んだら、みんなが困るので、延期すべきだ」と述べました。
 
社民党の福島参議院議員会長は「もし安倍内閣が増税を延期するのであれば、アベノミクスの失敗を明確に認めるべきだ。消費税の増税には反対であり、富裕層に増税し、法人税を下げないことで税収を確保して、社会保障に充てるべきだ」と述べました。