日刊ゲンダイが中1日おいて民主党の二人の議員を取り上げました。一人は元首相の野田佳彦議員でもう一人は山尾志桜里議員です。
野田佳彦氏こそは今の安倍政権の生みの親です。
彼は首相時代の自滅解散(2012年)による衆院選で民主党議員を170名あまりも減らし、代わりに自民党議員を180名弱増やしました。何故そんな自滅に走ったのか、あまりに理不尽に過ぎて誰も理解することはできません。
彼は首相在任中から自・公との連立を希望していたので、あるいは選挙の結果によって大同団結?することができるとでも考えたのでしょうか。しかし民主党は余りにも負け過ぎて逆に自民党は余りにも勝ち過ぎたので、結果として生じたことは単なる政権交代でした。
そんなむちゃくちゃな解散で議員の地位を失い人生を狂わされた民主党の170人余は浮かばれようもありません。
その彼が、民主・維新の新党結成に向かう動きの中で、5年も前の小沢一郎氏への恨みつらみを理由にして、「小沢氏排除」を宣言しているということです。驚くべき執念深さです。いま国民が願っている野党結集にそんな低次元な発想から水を差そうとするとはまさに低劣の極みです。
もう一人は、数年間検事を経験した後に議員に転じた山尾志桜里氏で、彼女はいまや安倍首相の「天敵」と呼ばれているそうです。民主党が山尾氏を優先的に質問者として差し向けるので、今国会の予算委員会で既に3回も登壇しています。
先日、TV放送局への政府の干渉の問題で、「なぜ精神的自由権が経済的自由権より優先するのか」と糾して、安倍首相を完璧にやり込めたのも彼女でした。
政治評論家の伊藤達美氏は「彼女の質問は挑発や揚げ足取りではなく、理路整然としていてブレない正攻法のやり方です」と述べています。その様子は山尾氏のホームページに掲載されている動画で見ることができますが、それを見ると安倍氏や高市氏が如何に関係のないことを長々と述べたてて、何とかして山尾議員の発言時間を減らそうと全力を挙げていることがよくわかります。彼らは公衆の面前であるにもかかわらず臆面もなくそういう卑劣な行為ができる人種であることを暴露しました。
日刊ゲンダイの二つの記事を紹介します。
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いまだ小沢批判…野党結集を邪魔する野田前首相に非難噴出
日刊ゲンダイ 2016年3月5日
一体、いつまで昔の個人的な恨みをグチグチと口にしているのか――。“野党結集”を邪魔する野田佳彦前首相に批判が噴出している。
ようやく新党結成に動き始めた「民主」と「維新」は、野党勢力の結集を目指し、他の野党や無所属議員にも幅広く参加を呼びかけている。実際、民主と維新が合流しただけでは、自公政権に選挙で勝てない。
ところが、野田前首相が、野党結集に水を差しているのだ。
3日、連合の春闘決起大会に参加した野田前首相は「一番(私の)足を引っ張った(小沢)元代表さえ来なければ、あとは全部のみ込もうと思っている」「方針が決まってもゴチャゴチャ言うのが民主党の悪いクセだ。一番ゴチャゴチャ言ったのは(小沢)元代表だ」と、5年以上前の個人的な恨みつらみを理由に、小沢一郎を排除すると宣言した。
しかし、民主党の岡田代表も、維新の松野代表も、ホンネでは小沢一郎の力を借りたいと考えていることもあって、心ある野党議員は全員、野田前首相を白い目で見ているという。民主党関係者がこう言う。
「そもそも野田さんは、民主党を政権から転落させたA級戦犯です。最悪のタイミングで解散を打って、民主党を大惨敗させた。あの男には他人を批判する資格はありませんよ。足を引っ張られたと恨み言を口にしていますが、小沢さんは足を引っ張ったのではなく、財務官僚にだまされて消費増税をやろうとしている野田さんに対して、『消費税率をアップしたら日本は大不況に陥る』と増税に反対しただけです。結果は、小沢さんの警告通りになった。野田さんは『自分の考えが間違っていました』『小沢さんのアドバイスに従うべきでした』と頭を下げるのが当然なのに、足を引っ張られたなんて、あまりにも勝手な言い分ですよ」
2月19日、野田前首相は、予算委員会で「安倍総理、お久しぶりです、覚えていますか」と切り出して質問したが、安倍首相に「私たちは選挙に勝ち、皆さんは負けた。そのことを噛みしめて欲しい」とバカにされ、大恥をかいている。「あいつは嫌いだ」「こいつはイヤだ」と野党結集を邪魔する男は、クビにした方がいい。
答弁で完敗続き 安倍首相が嫌う民主・山尾議員の“質問力”
日刊ゲンダイ 2016年3月3日
1日衆院を通過した2016年度予算案。年度内成立が確実になり、安倍首相は余裕しゃくしゃくらしい。その安倍首相が今、一番嫌っているのが、民主党の山尾志桜里議員(41)だという。衆院予算委員会で3回質問に立ち、3回とも安倍首相をタジタジにさせたことで、“天敵”と呼ばれている。
2月29日の予算委で、山尾議員は安倍首相が待機児童の増加を「うれしい悲鳴だ」と言ったことについて発言撤回を要求。拒否する安倍首相を30分以上追い詰めた。
1月には、首相の「パート25万円」発言を追及し、論点をはぐらかそうとする首相を許さず、たまらず首相が「こうしたことばかりやっていると、民主党の支持率が上がらないのではないかと心配になってくる」と言うと、「心配をしていただかなくて結構」とピシャリ。最後は「パートの実態をわかっていない。(国民の感覚と)ずれていることが一番の問題だ」とズバリ指摘して、ひるませている。政治評論家の伊藤達美氏が言う。
「山尾議員の質問は挑発や揚げ足取りではなく、理路整然としていてブレない。正攻法のやり方です。しかも毎回、データを用意した上で安倍首相に質問をぶつける。あれでは首相が言葉に詰まるのも無理はありません。嫌な相手だと思います」
本来、山尾議員は厚生労働委の理事。予算委のメンバーではない。予算委の質問に3回も立つこと自体が異例なのだが、民主党は、わざと“天敵”を何度もぶつけたという。
全国的な知名度はほとんどないが、安倍首相が嫌がる天敵は、どんな議員なのか。
「ミュージカル『アニー』の初代主役から東大法学部を卒業し、検察官になった異色の経歴の持ち主。才色兼備の法律のプロです。まだ当選2回ですが、愛知7区の選出で選挙も強い。将来の総理候補のひとりといわれています」(政界関係者)
山尾議員は、昨年の通常国会では法務委理事を務め、法務省の長年の念願だった司法取引の導入などを盛り込んだ「刑事訴訟法改正案」を審議未了に追い込んでいる。
予算案は可決したが、今度は舞台が山尾議員の“主戦場”厚労委に移り、安倍VS山尾の第2ラウンドが始まる。首相のトイレ休憩の回数が増えそうだ。