2016年3月4日金曜日

女性総理に一番近いのは? 問題発言だらけの安倍ガールズで

 ダイアモンドオンラインの3日号が、「問題発言だらけの安倍ガールズで 女性総理に一番近いのは誰!? という記事を載せました。いわゆる安倍ガールズはまさに「問題発言だらけ」なのですが、その根源には彼女らの大いなる「勘違い」があるように思われます。
 
 こうした記事はコーヒータイムにでも読むべきものと思われますが、結論からいうと首相に一番近いのは稲田朋美氏で、それと並んでいるのが丸川珠代氏だということです。
 また「勘違い」と「問題発言」で名を馳せている高市早苗氏についても、それなりの配慮をしているということです。
 その一方で安倍氏は報復人事を徹底しているので、野田聖子氏のように彼に逆らった人たちは絶対に重用しないといわれています。
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問題発言だらけの安倍ガールズで 女性総理に一番近いのは誰!?
星野陽平 ダイヤモンドオンライン 2016年3月3日
女性議員の数が増えている昨今、「○○ガールズ」と呼ぶ風潮も広まった。しかしいったい、自民党女性議員の誰が「安倍ガールズ」で、その序列はどうなっているのだろうか?政治評論家の鈴木哲夫氏に解説をしてもらった。
 
安倍ガールズNo.1は
深い信頼関係で結ばれた稲田朋美氏
 近年、日本の政治報道でよく使われる言葉に「○○ガールズ」というものがある。
 選挙で風が吹くと、与党、野党とも大きく議席を伸ばす。それで大量当選した新人議員のことを首相や党の実力者の名前に因んで「○○チルドレン」と呼ぶが、2009年の衆院選では小沢一郎民主党幹事長が擁立した新人候補に女性が多く、当選した女性新人議員は、「小沢ガールズ」と呼ばれた。
 安倍晋三政権でも多くの女性新人議員が活躍し、特に安倍首相と近い女性議員は「安倍ガールズ」と呼ばれている。
 
 「テレビが政治的に公平性を欠いた報道をすれば、電波停止もありうる」と暴論を吐いた高市早苗総務相や原発事故後の除染について「年間被曝線量の上限には科学的根拠がない」と発言し、謝罪するハメになった丸川珠代環境相、「歯舞(はぼまい)群島」が読めなかった島尻安伊子沖縄北方担当相など、最近、安倍ガールズたちが何かとかしましい。
 そんな安倍ガールズの筆頭格といえば、稲田朋美自民党政調会長が挙げられる。また、安倍ガールズ以外でも、野田聖子氏や小渕優子氏など力のある自民党の女性議員は少なくない。
 安倍首相は、「女性の活用」を打ち出しており、今後も女性議員の活躍に注目が集まる。そこで、現在の自民党における女性議員のポジションや実力、そして女性総理に一番近いのは誰かを、政治評論家の鈴木哲夫氏に聞いた
 
 「近年は女性議員の数が増えており、ひとまとめにして『○○ガールズ』と呼ぶわけですが、安倍ガールズの場合、安倍首相に特に寵愛を受けている人と、その他大勢の2つに分けられます。安倍ガールズにはランクがあって、トップはやはり、皆さんご存じの稲田朋美さんです」
 稲田政調会長といえば、保守の論客として知られ、安倍首相と政治信条が近い。国会議員になったのも、郵政解散の直前に自民党で南京事件の講演をした際、当時幹事長代理だった安倍氏の目に留まったからだと言われる。だが鈴木氏によれば、2人の信頼関係は単に思想的に近いというだけのものではないという。
 
 「安倍さんが最初に首相になったのは、06年のことですが、その1年後にお腹の具合が悪くなったということで辞めてしまいましたよね。この時、安倍さんは政治家として再起不能だと言われ、もう1回、総理になるなんて誰も思っていませんでした。それで、力を失った安倍さんからは、多くの人が離れていきました。
 ところが、そんな中でも安倍さんを慕って事務所に通い続けていた人々がいます。この人たちが今の安倍政権を支えている面々です。男性議員で言えば、内閣官房副長官の萩生田光一さんや下村博文前文科相などで、女性議員では稲田さんでした。だから、安倍さんは稲田さんを信頼しているわけです」
 
安倍ガールズが活躍する一方
首相に逆らった者の末路は…
稲田政調会長と並んで、安倍首相が信頼を置いている女性議員が丸川珠代環境相だと鈴木氏は指摘する。
 「丸川さんは、安倍さんがゼロから育てて国会議員にした女性です。丸川さんが初出馬したのは07年の参院選でしたが、この時は安倍さんが総裁枠だと言って、丸川さんを強引に自民党から擁立し、東京選挙区にねじ込んだという経緯があります。自民党に丸川さんを紹介したのは、某テレビ局の幹部と言われています。安倍さんとは親しく、その関係でアナウンサーをしていた丸川さんを安倍さんに推薦したとされています。
 丸川さんを紹介してもらった安倍さんは、将来有望と判断して立候補させましたから、自分で育てたという思いが強いんです」
 
 安倍首相が政治家として格別の扱いをしているのが稲田政調会長と丸川環境相。では、他の安倍ガールズはどうなのか。
 「総務相の高市早苗さんも安倍さんと近いと言われていますが、私が見るかぎりでは、安倍さんから特別寵愛を受けているという印象はありません。確かに重用されていますが、それは当選回数が7回もあるベテランで安倍ガールズでも最古参だからでしょう。言葉は悪いかもしれませんが、『お局』的な存在。安倍さんにとっては、高市さんの立場も慮って、稲田さんを起用する場合は、同時に高市さんも起用するかたちにしているんでしょう」
 
 一方で、安倍首相とは思想が異なる、自民党のリベラル陣営にも女性議員はいる。その代表格が野田聖子議員だ。野田議員といえば、15年9月、自民党総裁選挙に際し、出馬の意欲を見せたものの、立候補に必要な推薦人が集まらず、出馬を断念したという経緯があるが…。 
 「野田さんも総理候補に名前の挙がる女性議員の1人でしょう。ただし、野田さんはリベラル陣営から安倍さんの対抗馬として総裁選に出馬しようとしましたから、安倍さんからは徹底的に嫌われています。最近は野田さんもなるべく嫌われないように努力はしていますが、安倍さんが彼女を重用するということはまずありえません。
 
 自民党は昔から幅広い論議があるというのが個性だったはずですが、今は安倍さんの独裁色が強く、徹底した報復人事が行われるので、党内で安倍さんとは思想的に異なるリベラル陣営が抵抗できないような状況になっています。
 野田さんが所属している派閥は、岸田文雄さんを会長とする宏池会です。岸田さんもリベラルですが、今は完全に安倍さんのイエスマンになっています。この前の総裁選では、宏池会OBの古賀誠さんが野田さんの出馬を支援しましたが、岸田さんがそれを抑えにかかったわけです。
 そして、その後の内閣改造で、それまで5人もいた宏池会の入閣は岸田さんが外務大臣として入閣しただけで1人になってしまいました。『岸田さん、ゴタゴタを起こしてもらったら困りますよ』という意味なんです。それ以来、岸田外相は安倍さんの前では直立不動だと言います。そんなことを目の前にしたら、安倍さんに誰も反発できませんよね」
 
安倍総理の任期は18年9月まで
初の女性総理は稲田朋美氏で決まり?
 自民党の党則によれば総裁の任期は連続で2期6年までとなっており、安倍首相が総裁でいられるのは、18年9月まで。
 次の自民党総裁は誰になるのかと関心が高まっているところで、2月17日、安倍首相は、企業の女性幹部らが集まった懇親会の席上、森雅子元少子化担当相とともに稲田さんの名前を挙げ、『2人とも将来は自民党の指導者、首相候補として頑張っていただきたい』と述べ、話題になったばかり。
 
 鈴木氏も「安倍さんは首相の座を退いても政権に影響力を残したいと考えているでしょう。そのために信頼できる稲田さんは後継者としてうってつけ」と指摘する。
 このまま、安倍首相が求心力を保ったまま総裁選を迎えれば、稲田政調会長が初の女性総理になるのが既定路線だが、政界は一瞬先が闇。見通しはそれほど単純ではない。状況によっては、他の女性議員が初の女性総理になる目も十分あるだろう。