29日、東京・永田町の国会前の芝生にシートを敷き、子育て中の女性たちが「ママカフェ@国会前」を開いて、安保法施行に対して静かに抗議の意思を示しました。
また、安全保障関連法は憲法違反と主張する弁護士らは、東京や京都、大阪、広島などで違憲訴訟の準備を進めていて、4月には先陣を切って東京地裁に大規模訴訟が起こされる見通しだということです。
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ママたち、国会前で「安保法廃止あきらめない」
東京新聞 2016年3月29日
他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法が施行された二十九日、東京・永田町で、子育て中の女性たちが「ママカフェ@国会前」を開き、静かに抗議の意思を示した。施行に反対する市民が連日、声を上げる国会前。メガホンや鳴り物で大きな声を響かせるデモとは趣を異にした集いで、参加者はお茶を味わったりしながら「法廃止をあきらめない」との思いを分かち合った。 (小林由比、小松田健一)
企画したのは、安保法審議中の昨年七月にできた「安保関連法に反対するママの会@ちば」のメンバーら。
子育て中で夜の抗議行動には来られないが、施行日に集まりたいと呼びかけた。首都圏各地から約十人が集まり、レジャーシートを敷いて手作りのクッキーやお弁当を囲んだ。
「政府は根拠のない危機をあおってばかりで、法についての説明は場当たり的で、ごまかしばかりだ」。大学生の娘がいる宮本理恵さん(52)=千葉県=が批判する。夫婦別姓の問題に取り組んできたが、「個人の自由や尊厳を大切にしない点で安保法も同じ」。
これまでも本気で闘ってきたつもりだったが、「これからはもう一段引き上げて闘って廃止を目指さなくては。まずは次の参議院選挙に向けて、廃止を目指す議員が一人でも増えるようにしたい」と話した。
二歳の長女と参加した女性(33)=東京都武蔵野市=は「子どもを持って、自分の子だけでなく、どの子も殺されてほしくないという気持ちが強くなった」と振り返る。「安保法の中身だけでなく、あれだけの反対の中で成立させたことも許せない」
高校生から小学生まで三人の子どもを育てる村田マユコさん(46)=千葉市=は、息子たちの世代が、経済的な理由などから自衛隊入隊を余儀なくされるのではないかと不安がる。「目の前の子育てに追われ、政治に目を向けてこなかったけど、このままではいけないと思った」
「施行にも内心とても怒っている。でも、明るく平和の大切さを語ることで、これからも法の問題点を伝えていきたい」と思いを語った。
「安保法は違憲」提訴準備 京都の弁護士ら
京都新聞 2016年3月28日
安全保障関連法は憲法違反と主張する弁護士らが、東京や大阪、広島などで違憲訴訟の準備を進めている。先陣を切り、4月にも東京地裁に大規模訴訟が起こされる見通し。
京都ではベテランから若手まで幅広い年代の弁護士が3月上旬に第1回会議を開いた。今後は各地の状況も踏まえ、提訴内容を詰めていくという。
東京地裁では安保法に基づく自衛隊出動を事前に差し止める訴訟と、精神的苦痛を受けたとして国家賠償を求める訴訟を起こす予定だ。「平和的生存権」や人格権侵害を主張する。