2016年3月23日水曜日

2016国連の幸福度ランキング、日本は世界で53位。

 国連設立した機関が公表した「2016年版の世界幸福度報告書」によると、日本の幸福度のランキングは世界で53位でした。因みに主要国で日本よりも下位なのはロシア56位中国83位だけでした。
 日本の「一人当たりGDP」は20位以内で「健康寿命」は世界でもトップクラスであるにもかかわらず、「社会的自由=人生の選択肢が幅広い」と「社会の寛容さ」が大いに足を引っ張ったからだということです。
 
 そういえば安倍首相は、以前に日本の相対的貧困率が先進国の中で極めて劣位であることを国会で指摘されたときに、絶対的貧困度は低くないから良いのだという意味の回答をしていました。いわば現代人は全体として江戸時代よりも豊かになっているから格差の問題は無視していい、というのと同じことを堂々と述べたわけです。
 彼においては、アムネスティなどがなぜ「相対的貧困率」を指標にしているのかについて、終生理解することができないのだろうと思います。
 同様にして、日本の「社会的自由」や「社会の寛容さ」が極めて劣位であることも、やはり理解することができないに違いありません。
 
 ブログ:Everyone says I love you ! の記事を紹介します。
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2016国連の幸福度ランキング、日本は世界で53位。
社会の寛容度、人生の選択肢の幅の広さで劣る。
Everyone says I love you ! 2016年03月21日
 3月20日は世界幸福デーとされているそうで、国連と米コロンビア大学が設立した「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」と同大学地球研究所は、これにあわせて2016年3月16日、2016年版の世界幸福度報告書(2016 World Happiness Report)を公表しました。
 同報告書は2012年から公表されるようになったもので、社会をより健康に、より効率的にする手段として、幸せの質を数値化しています。
 
 この報告書によると、昨年スウェーデンに最高位の座を明け渡したデンマークが全157か国中の1位に返り咲き、小差の2位はスイスで、3位以下にはアイスランド、ノルウェー、フィンランド、カナダ、オランダ、ニュージーランド、オーストラリア、スウェーデンがランクインしました
 この10か国中は去年と同じメンバーで、ごらんのように7か国が西欧の中小規模国となっています。
 ちなみに国連の常連理事国を見ると、米国は、13位となり、昨年から2ランク上昇。英国は23位、フランスは32位で、ロシアは56位、中国は83位。
 ちなみに、日本は去年の46位から7位順位を下げて53位でした。
 
 幸福の数値化なんて絶対的なものではありえないわけですが、この報告書の作成者らによると、この幸福度ランキングのファクターは
 
1 一人当たりの国内総生産
2 社会的支援=社会福祉、困難な時に助けてくれる人がいるか
3 健康寿命
4 社会的自由=人生の選択肢が幅広い
5 社会の寛容さ
6 汚職のなさ
 
 日本は1も落ちたとはいえ20位以内ですし、3は世界有数、6も世界の中ではトップクラスなのですが、原典を当たると、4の社会的選択の自由と5の社会の寛容さが足を引っ張って50位台に甘んじることになりました。
 
 たとえば、アイスランド(3位)とアイルランド(19位)はともに金融危機で経済的な打撃を受けたにもかかわらず、幸福度に大きな変化はなかったのですが、この両国に共通しているのは高度な社会福祉制度です。
 また、軍隊を持たない国として有名な中米のコスタリカという国があるのですが、この報告書を作った地球研究所の所長でSDSNを統括するコロンビア大学のジェフリー・サックス教授がそのコスタリカに言及し、経済力が多くの経済大国に比べて劣りながら14位となったコスタリカは、経済大国ではないが健全で幸福な社会の一例になっていると指摘しました。
 
 さらに、報告書は、
「より不平等が少ない国に暮らす人々の方が、より幸せであると感じる」
ということも明らかにしています。
 なかなか考えさせられる調査ではないですか。