安倍首相が成長戦略の柱の一つとして、「女性の活躍」をあげたのは3年前の2013年でした。それがいつの間にか「女性が輝く社会へ」に変わっていたりして・・・安倍氏の場合は耳に快い言葉をスローガンとして乱発するので、どうしても記憶に残りにくいし、本来「的」であるべきものが「矢」となっていたりするので混乱します。
いずれにしても政権発足早々に「女性の活躍」が言われていたようなのですが、政権のイメージはそんなものからはほど遠くて、唯一記憶に鮮明なのは数名の極右女性閣僚(級)たちの「その線での」大活躍でした。
日刊ゲンダイによれば、いまや安倍自民は次から次へと”女性の怒り”に見舞われているということです。
昨年の”誰の子供も戦争に行かせない”の「ママの会」に始まって、宮崎謙介元衆院議員の不倫、「保育園落ちた」のお母さんたち、乙武氏の不倫、大西英男議員の「巫女さんのくせに」発言等々、安倍自民党は「女性を敵に回す言動」には事欠かないということです。
日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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乙武騒動が追い打ち 安倍自民を襲う「女性の怒り」の連鎖
日刊ゲンダイ 2016年3月26日
参院選で自民党からの出馬が固まっていた乙武洋匡氏の不倫騒動、大西英男衆院議員の「巫女さんのくせに」発言――。今週も安倍自民党がらみの「女性を敵に回す言動」が相次いだ。自民党内からはこんな嘆き節が聞こえてくる。
「いやな流れだ。政局においてこういうことが、ままあるんだ。誰かが仕組んだわけでもなく、一つ一つは別々の無関係な出来事なのに、結果的につながってくる。次から次へと『女性の怒り』を招いている現状が、まさにそうだ」(ベテラン議員)
確かにその通りだ。安倍政権が“オンナの怒り”を招いた最初のきっかけは、昨年の安保法制。学者やシールズら学生に続く形で、「誰の子供も戦争に行かせない」と「ママの会」ができた。
次いで年明けの宮崎謙介元衆院議員の「ゲス不倫」。
「ただのイケメン議員の不倫というだけでなく、『イクメン宣言』をしていた議員だったことで女性がより強く反応した。表向きは子育てや働く女性に理解のある顔をして、裏では不倫。『女をバカにするな』というわけです」(自民党関係者)
追い打ちをかけるように、今年2月、厚労省が「要介護1、2」をサービス認定から外す検討を始めた。「介護を家庭に戻す」ことになり、女性の負担が増えるのは確実。これで怒りは増殖した。
そして2月中旬の「保育園落ちた」ブログである。ついに怒りは火を噴いた。
「極め付きが、北海道5区補選の野党統一候補です。2人の子どもを育てるシングルマザーで、介護や福祉の専門家。14年衆院選で北海道の別の選挙区から出馬していて、補選で民主が擁立しようとしたのも昨年のこと。女性をめぐる一連の騒動とは無関係に候補者に決まりましたが、結果的にいまの安倍政権批判の受け皿として、ピタリとハマる経歴なのです」(前出の自民党関係者)
恐ろしいほどの連鎖ではないか。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「女性政策が与野党の争点になるなんて、ついこの間まで誰ひとり、予測していませんでした。こういう政局の流れが、それも世論主体でできてしまうと、覆すのは簡単じゃない。安倍政権は保育の拡充などの政策を大慌てでまとめていますが、後手後手で、選挙目当ての人気取りが透けて見えてしまう。今後“女性の審判”が安倍さんにとって最大の試練になるでしょう」
25日、加藤勝信1億総活躍相は、選挙で女性候補者が一定割合を占めるよう、与野党各党に数値目標設定を要請する考えを表明した。女性候補発掘に最も消極的で、他の党よりも女性議員を“客寄せパンダ”としか思っていない自民党が、よく言うよ、だ。浅知恵はミエミエ。ますます女性の怒りを買うに違いない。