2020年2月29日土曜日

29- なぜPCR検査は増えないのか ~ (世に倦む日々)

 1日3800件と厚労相が言っていた検査能力は、直近でも1日900に過ぎず、検査しなくてはならない幼児や妊婦もなかなか受けられないままでいます。
 29日現在でも、NHKは相変わらず「罹患の疑いがあってもすぐに病院に行かずに、37・5℃以上が4日間(老人は2日間)続いたのちに相談窓口に電話をしてから・・・云々」と、折に触れて放送しています。

 実態は何も変わっていません。韓国では既に1日1万件の検査を実施していて、全国500か所に設置した臨時の検査場で希望者が検体検査を受けているというのにです。また、ロシュ社から無償で提供されたキットを使って大量のPCR検査を行っている中国は、日本の惨状を見るに見かね1万2500キットを日本に寄贈したというのにです
 もはや何が何でもPCR検査を抑制して、感染者数を低く見せようという政府の意図は余りにも明らかです。

「世に倦む日々」氏は、それは森喜朗氏(東京五輪組織委員会会長)と安倍首相、麻生太郎それに医師会を牛耳っている武見敬三氏によって決められたと見ています。東京五輪に向けての欺瞞と医師会の利権が合体してのものということです。
 しかしそんなことで東京五輪への環境が整うなどはあり得ないことで、検査件数が驚くほど低いことに諸外国が疑念を持つことは自明であり逆効果です。現実にJOC内からも批判が噴き出ています。

 ブログ「世に倦む日々」の記事を紹介します。

 追記 医師会の利権との絡みについては、このところ武田邦彦氏が同氏の音声ブログ:「新型ウィルスを考える1~7」で言及しています。http://takedanet.com/archives/1076941582.html  http://takedanet.com/archives/1076988040.html 
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なぜPCR検査は増えないのか - 「基本方針」は誰がいつ決めたのか 
世に倦む日々 2020-2-27
25日に発表された政府の「基本方針」が、わずか1日で崩れ始めた。全国一律の自粛要請は行わないとしていた興行規制策が、「大規模なスポーツや文化イベントなどについて、今後2週間程度、中止か延期、または規模を縮小するよう要請」に変わり、Jリーグやプロ野球が試合延期や無観客試合を決めて発表、歌手の公演も相次いで中止になった。大相撲春場所も中止か無観客になるだろう。PCR検査についても、国会質疑で追及され、重症者の確定診断のためだけに使うとした方針が世論の批判を浴びて揺らぎ始めた。実際に政府が民間企業に門戸開放してPCR検査を増やすかどうかは不明だが、少なくとも口先のタテマエベースでは検査拡大が正論になり、検査不要論は後退した感がある。検査不要論を唱えていた御用医師たちが立場が悪くなって転向を始めた。昨夜26日に報道1930に出演した久住英二が、検査のパイを拡大すべしと言ったのには驚かされた。検査無意味論の急先鋒だった男が舌の根も乾かぬうちに。 

テレビ報道での暴露や国会での野党の追及により、1日3800件と言っていた検査能力が真っ赤な嘘で1日900件しか検査してないこと、相談センターに市民が電話してもたらい回しされ、保健所-自治体-厚労省の窓口が検査を拒否している実態も明らかにされた。相談センターというのは、政府が作ったたらい回しのための機関である。25日の「基本方針」というのは、この感染症について最初から一貫して政府が行っている対処の言語化であり、一言で言えば棄民政策に他ならない。政府は面倒見ないし、医療も受けさせないから、感染したら自分で何とかしろという「対策」だ。それがさも何か予防と救済の措置をしているように見せるため、相談センターを設置したり、専門家会議を立ち上げたりして、NHKを中心にテレビ番組で欺瞞宣伝を垂れ流していた。この「基本方針」を崩す原動力となったのは、テレ朝のモーニングショーであり、そこで言論をリードしている玉川徹である。めざましい活躍と言っていい。一人の言論の力でここまで状況を動かした。

私見として、政府は否応なくPCR検査を増やさざるを得なくなるだろうと予想している。それは決して庶民を救済するためではなく、「上級」からの検査圧力に抗しきれなくなるからだ。具体的に、例えば電通で感染者が出た、JR東日本の相模原駅関係で感染者が出た、三菱地所のビルで、三菱UFJ銀行の支店で感染者が出たという事例が相次いでいる。彼らは、感染者に繋がる周囲を検査しているはずだ。相模原駅の場合、最初に感染した男性の同僚から二次感染者が出ている。電通がどの程度の人数を検査したかは伏せられているが、優先的にPCR検査の枠に割り込んだに違いない。企業は企業を守るために検査せざるを得ない。東京都の1日120件だの340件だので足りるはずがない。一人のサスペクト潜在的なお客には経過観察があるから最低2回のPCR検査が必要だし、サスペクトには家族がいる。こういう具合に、いわば「上級」が検査の拡大を要求し、政府はそれに対応せざるを得ない

JR相模原駅関係で何人の職員や家族が検査を受けたのか不明だが、ここはエピソードあるいはクラスター小集団という位置づけになり、サスペクト認定された者は率先して検査対象になっている。9歳の男の子が9日間も熱を出し、肺炎と診断されながらも検査を受けられず、電話でたらい回しされる虐待が行われる一方で、大手企業や公共機関で感染者が出た場合は、その周囲がスムーズに検査対象となっている現実がある。電通の社員が検査を受けられたのはどうしてだろう。果たしてそれは、4日間37.5度の発熱を自宅で耐えた上での検査と結果判明だったのだろうか。それから、河野太郎が、クルーズ船のサポート任務に携わった隊員全員の検査を済ませたということを自慢げにツィートしていた。37.5度の発熱のない自衛隊員が検査を自動的に受けられている。かたや、東京在住の20代の妊婦の女性が、保健所から検査を拒否され、「このまま胎児と死ぬしかないですか」と途方に暮れている。

なぜ政府は検査をしないのだろうか。韓国では1日1万件の検査を実施していて、全国500か所に設置した臨時の検査場で希望者が検体検査を受けている。その様子はNEWS23で映像紹介されていた。その理由について合理的な説明を与えているのは、現時点で上昌広だけである。25日にNEWS23に出演した昌広は、政府が検査をしようとしない二つの理由を指摘した。一つは、感染症研と厚労省の利権の問題であり、スイス・ロシュ製の検査キットを使いたくない政府と感染症研が、何だかんだと口実をつけて、ロシュ製の製品を排除しているという問題である。感染症研が補助金を受けて検査キットを開発していて、国産の新製品を使わなくてはいけないというのが厚労省の論理なのだと言う。中国にはロシュ社が無償でキットを提供していて、中国は大量のPCR検査をそれで処理しており、日本の惨状を見るに見かねた中国政府が日本政府に1万2500キットを寄贈した

上昌広が説明したもう一つの理由は、東京五輪開催の支障となる要素を隠すため、感染者数の実数を隠蔽しているという点である。検査をしなければ感染者はカウントされない。見かけ上の感染者数は増えない。この指摘は玉川徹もしていて、東京五輪の開催のありきが先行し、そのため新型コロナウィルス禍を矮小化する動機にかられ、検査を抑えることで感染者数が増えないように工作しているのだと言う。この説明は説得的なものだ。感染症禍が本格化して1か月が経つ。よく言われるところの「司令塔不在」だが、この国で今回の感染症対策の司令塔をやっているのは誰なのか。司令塔は決して不在ではない。司令塔はやはり安倍晋三である。今回の徹底した無策と隠蔽と不作為の棄民政策は、安倍晋三によって意思決定され、厚労省の官僚(医官)にダウンロードされ、例によって官僚たちの安倍晋三への忖度と奉仕によって遂行されている。そう断言できる。

今回の「基本方針」、すなわち検査をせず、感染者数を出さずに隠蔽するという方針は、果たしていつどのように決まったのか。推理を述べよう。1月27日の首相動静を見ると、午後6時37分に公邸に森喜朗が訪ねてきて二人で晩飯を食っている。珍しいことだ。82歳で政治の一線からは引退した身のはずの森喜朗が、わざわざ夜に公邸に出張ってきて、安倍晋三とサシで2時間も膝つきあわせて会食密議している。新型コロナウィルスと東京五輪に関する策謀だろう。それからほぼ一週間後の2月3日、また森喜朗と築地のふぐ料理屋で会食している。このときは青木幹雄と一緒だが、一週間に2度も森喜朗と会食というのは珍しいし、重大な密謀と意思決定が行われたものと推察する。今日に至るまでの「基本方針」は、この二度の会談で決まり、確認されたものではないか。検査をしなければ感染者数は増えない。重症化しても検査しなければただの肺炎として始末できる

感染しても8割は軽症で自然治癒する。ただし、重症者はゴホゴホと咳をしてウィルスを撒き散らすから、病院に入れて隔離しなければならない。こういう認識の下、東京五輪に最も影響の出ない方策として、放置と無策と自己責任の方針が採られたのだろう。今回の「基本方針」を決めたのは安倍晋三と森喜朗だ。が、あと二人の政治家の影も見える。その一人は政権No.2の麻生太郎である。この男のネオリベ・自己責任主義のイデオロギーは徹底していて、とにかく国民の福利のために政府の予算を使おうとしない。何が何でも社会政策の出費は拒絶する。今、感染症対策にシンガポールが5000億円、米国が2700億円、日本が153億円という財政出動の比較が話題になっているが、PCR検査体制や隔離療養施設にカネを使おうとせず、弱者国民に犠牲を押しつけて事態を凌ごうというのは、いかにも麻生太郎らしい発想だと思われる。森喜朗と安倍晋三が決めた方針に麻生太郎がファイナンスで乗っかって、政府の対策が固まっているのである。下っ端の官僚はその方針に従うだけだ。

森喜朗と安倍晋三と麻生太郎、もう一人いる。今回の「基本方針」をエンドース保証し、実際の医療現場にダウンロードしディレクション方向づけしている政治家がいる。武見敬三だ。医師会会長だった武見太郎の息子で、実姉が麻生太郎の妻という姻戚関係。麻生派。WHOの親善大使を務めている。医師会を牛耳っているのはこの男だろう。今回、医師会は「基本方針」を支持し、PCR検査の「目安縛り」の基準厳守を地方の医師会に通達している。病院が拒絶しているのは医師会からの手回しがあるからで、医師会は保健所とグルである。たらい回しの張本人の一人だ。病院経営者は、何より院内感染の発生を恐れていて、医師会の通達に唯々諾々と頷いている。森喜朗、安倍晋三、麻生太郎、武見敬三。「基本方針」の裏にはこの4人の政治権力者がいて、加藤勝信や田村憲久や岡部信彦や尾身茂や脇田隆字は表舞台で立ち回る人形でしかない。森喜朗、安倍晋三、麻生太郎、武見敬三。こんな連中が決めて回している杜撰な政策だから、簡単に破綻するのだ。

誰かが言っているように、ウィルスは忖度しないのであり、国際社会の目は節穴ではないのだから。