2020年2月1日土曜日

補正予算案 軍事費巨額 衆院本会議 共産・藤野氏が反対討論

 安倍政権は本来当初予算に組み込んでおくべき4287億円という巨額な軍事費を、今年も補正予算に盛り込みました。その9割は兵器購入の分割払いの前倒しです。
 共産党の藤野保史議員は、安倍政権は、この間、戦闘機・護衛艦・ミサイルなどの購入経費を補正予算に盛り込むやり方を常態化させているが、補正予算の趣旨を根本からゆがめるもの容認できないと批判しました。まさに安倍政権が得意とする欺瞞・偽装です。
 そんな風に国民の目を誤魔化そうとしても、全ては国民の税金で賄うわけで国の財政が逼迫することにかわりはありません。
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補正予算案 軍事費巨額 衆院本会議 藤野氏が反対討論
しんぶん赤旗 2020年1月30日
 2019年度補正予算案は28日夜、衆院本会議で自民・公明両党、日本維新の会の賛成多数で可決され、参院に送付されました。地方交付税法改定案など補正予算関連法案は日本共産党を除く賛成多数で可決され、家畜伝染病予防法改正案は全会一致で可決しました。
 補正予算案の採決に先だって日本共産党の藤野保史議員が反対討論しました。「桜を見る会」疑惑では、税金を使った公的行事を利用して首相の地元有権者を接待する私物化や公選法違反が問われていると指摘。質疑で疑惑は深まったとして、カジノ汚職とともに徹底究明を求めました。(討論全文※下に添付

 補正予算にかかわって、災害対策の予算は当然であり、必要だと強調し、被災者生活再建支援法の抜本改正を求めました。
 藤野氏は、予算案の最大の問題は巨額の軍事費だと批判。補正予算案に盛り込まれた軍事費は4287億円で、その9割は兵器購入の分割払いの前倒しだと指摘し、「将来の財政を圧迫し、国民生活に必要な施策ができなくなる」として、容認できないと表明しました。
 さらに、消費税増税による悪循環を加速させると指摘。経済対策として、4・4兆円もの国債を追加発行することは消費税増税を吹き飛ばす規模であり、使い道は新規大型開発が目白押しだと告発しました。
 格差是正、くらし応援の政治にむけて、税金の集め方・使い方を根本的に改めるよう強く求めました。


※討論全文
2019年度補正予算案に対する藤野議員の反対討論 衆院本会議
しんぶん赤旗 2020年1月30日
 日本共産党の藤野保史議員が28日の衆院本会議で行った2019年度補正予算案に対する反対討論は次の通りです。

 私は、日本共産党を代表して、2019年度補正予算案に反対の討論を行います。
 (中 略)
 カジノ汚職では、担当副大臣が逮捕されるという事態がおきているもとで、カジノ利権を徹底的に洗い出すことが必要だということを厳しく指摘するものです。
 補正予算案について述べます。
 災害対策の予算は当然ですが、昨年の台風などによる被害はいまだに復旧しておらず、政府のさらなる対応が必要です。いまこそ被災者生活再建支援法の抜本改正をするよう強く求めるものです。
 本案の最大の問題は、巨額の軍事費です。
 そもそも財政法上、補正予算は、予算編成後に生じた事由に基づく「特に緊要」な場合に限って認められます。ところが、安倍政権は、この間、戦闘機・護衛艦・ミサイルなどの購入経費を補正予算に盛り込むやり方を常態化させてきました。これは、補正予算の趣旨を根本からゆがめるものです。
 本案にも、この傾向が顕著に出ています。
 軍事費は4287億円に上りますが、その9割を占めるのが、F35A戦闘機や空中給油機などを取得するための歳出化経費、つまり、兵器購入の分割払いの前倒しです。既に発注済みの兵器の後年度負担分を繰り上げて払うことに緊急性はなく、ましてや経済対策でもありません

 補正後の後年度負担は新規が2・6兆円、総額は5・4兆円に達しています。本案は、将来の財政を圧迫し、国民生活に必要な施策ができなくなる危険性を増大させるものであり、断じて容認できません
 もう一つは、消費税増税による悪循環を加速させる点です。
 消費税10%増税の強行で、日本経済は新たな消費不況に陥りつつあります。アベノミクスの破綻に加え、消費税の増税が暮らしと経済を冷え込ませており、その結果、政府の税収見通しも2兆3150億円もの減額となっています。
 本案は、経済対策のために2・2兆円、税収不足の穴埋めのために2・2兆円、合わせて4・4兆円もの国債を追加発行しようとしています。これは消費税増税分を吹き飛ばす規模です。しかもその使い道は、新規大型開発が目白押しであり、国民の暮らしを応援するものではありません。
 消費税増税により景気を悪化させ、その対策として大型補正を組み、巨額の国債を発行して財政負担を増やし、経済も財政もさらなる困難に追い込む――この悪循環をまた繰り返すつもりですか
 格差を是正し、暮らしを応援する政治へ、税金の集め方、使い方を根本的に改めることを強く求めて、反対討論を終わります。