2020年2月12日水曜日

12- もはや国民の信なし 肺炎対策よりも首相退陣が先だろう(日刊ゲンダイ)

 日刊ゲンダイが「もはや国民の信なし 肺炎対策よりも首相退陣が先だろう」とする記事を出しました。
 この7年間あまり安倍首相はウソを吐き続け、肝心の経済はサッパリ良くなりません。
 自分の親しい人たちで周りを囲い、親しい人たちには便宜を図り、官僚に対しては、自分の意向に沿う官僚しか出世させないことで服従させ「公平な行政」を破壊しました。
 ことが起きるたびに「再発防止に努める」と口にはするものの、不祥事は留まるところを知りません。何よりも自分自身がウミの塊りだからです。
 それでも外面を飾ろうとして東京オリ・パラリンピックの成功には懸命になっているようですが、これまで 不都合な情報は隠蔽しまたは逆に捏造して世に処してきた不正で不公平な政権が、新型肺炎の流行に本当に対処できるのでしょうか。
アベを辞めさせないと滅びる」という声が上がるのは当然のことです。
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もはや国民の信なし 肺炎対策よりも首相退陣が先だろう
 日刊ゲンダイ 2020/02/10
 つくづく新型肺炎の感染拡大という最悪の事態に最悪の政権を持ったものだ。「正確な最新情報の提供」「的確で丁寧な情報発信」を政府に求めるメディアは、ちゃんちゃらおかしい。安倍政権は情報の隠蔽や廃棄、改ざんが当たり前。国会でも虚偽の答弁を繰り返すデタラメ内閣に、マトモな情報発信を期待するだけムダである。
 そもそも、桜を見る会の疑惑に満足な答弁ひとつできない首相に、新型肺炎蔓延の一大事を任せるのは危うい。
 安倍首相は後援会主催の前夜祭に関し、参加者が個別にホテル側と契約したとの詭弁を重ね、領収書の宛名の公表すら拒み続ける。新型肺炎対策など重要な政策課題がある中、桜疑惑の追及を続ける野党に批判的な意見もあるが「神は細部に宿る」だ。安倍や大臣、忖度官僚たちの「誰が聞いてもおかしい」答弁は何も桜疑惑に限ったことではない。
 この7年余り、常に相手を小バカにし、聞かれたことには答えない。質問と答弁はかみ合わず、言葉の意味を勝手にネジ曲げる。ついには、日本語が通じない国会論戦が常態化してしまった

 審議時間の浪費と追及する側を疲弊させることが、安倍たちの狙いなのだろう。こうして不都合な事実をゴマカし、真相究明を拒んだまま職にとどまる。事あるごとに「再発防止に努める」と開き直る
 この調子だと、新型肺炎で不測の事態が発生しても「ちゃんと説明するのか?」と不安に感じるのは当然の帰結だ。桜疑惑の追及により、いい加減な国会冒涜政権に国民の大事な命を預けるわけにはいかないことが、実によく理解できる。

公平性なき行政の患者対応の恐ろしさ
 今後、感染者が急増した場合、患者によって診療や待遇面に差が生じることは断じて許されない。そのためにも不可欠な「行政の公平性」もデタラメ内閣は失格だ。
 首相夫人と親しい人物の経営する学校法人には国有地が法外な値引きの上、随意契約で譲渡。首相の「腹心の友」の経営する大学の新学部申請は、厳格な審査も経ず超特急で認可。さらに大臣室で業者からカネをもらい、URに口利きした元大臣や公文書改ざんに関わった財務省幹部は刑事責任を問われない。
 そして首相と親密な記者のレイプ事件は握り潰され、指示したとされる警察官僚は警察庁内ナンバー2まで出世。「官邸の番犬」と称される法務官僚を定年延長なる裏ワザを駆使してまで次期検事総長に据えようとする。

 お友達への過剰なエコひいきの一方で、歯向かう者を逆恨みし、徹底的に叩き潰す。菅官房長官“肝いり”の「ふるさと納税」の問題点を指摘した総務省の次官候補を左遷。昨年の参院選では、かつて安倍を批判した広島選出のベテランに“女刺客”を立て、1億5000万円もの党費を貢いでまで落選させた。
 大体、安倍にとって政権に批判的な市民も理解不能で騒がしいだけの「こんな人たち」。公平性が欠如した身びいき政権の肺炎対策には、恐ろしさが付きまとう
 この国の民主主義をブッ壊してきた政権にマトモな対策など、どだい不可能なのだ。

常識を失った連中に命を預けるバカはいない
 今や政権のお気に入りでなければ出世できないという雰囲気が広がり、官僚は官邸の「私兵」に堕した。安倍が「黒を白」と言えば、役人もそれに従う。主人の潔白という“悪魔の証明”のため、ひたすら公文書の改ざん、廃棄に精を出す。桜疑惑はその象徴だ。
 安倍をはじめ、政権の閣僚には最低限のモラルも通じない。虚偽答弁はいけない、権力の私物化が明るみに出れば責任を取って職を辞す。そんな常識すら持ち合わせていない。
 政治の常識が失われれば、当たり前だった戦後の民主主義の価値や原理は崩れる。ここまで腐敗した政権が、新型肺炎に「万全の対応」とは聞いて呆れるのだ。
 安倍は中国・武漢で60代の邦人男性が亡くなると、ぶら下がり会見に応じ、遺族への支援を表明した。9日も日曜ながら官邸に関係省庁の幹部を集め、クルーズ船の生活環境の整備を指示。今週にも中小の観光業への資金繰り援助など予備費を活用した緊急対策をまとめる予定だ。むろん、やたらと張り切っている裏の狙いはミエミエである。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。
「安倍政権は人々の不安や脅威をあおることで支持を広げる安易な手法を繰り返してきました。典型例が2017年10月の衆院解散・総選挙です。モリカケ疑惑の追及逃れで野党の臨時国会の開催要求を3カ月以上も無視し、召集するや冒頭解散。北朝鮮のミサイル危機を『国難』と称して国民の恐怖心をあおり、選挙に勝った。この“前科”を考えれば、肺炎対策に躍起なのも桜疑惑で完全に土俵を割った状況から息を吹き返すべく、国民の不安を利用しているだけでしょう。ましてや自民党内には新型肺炎を『実験台に』と、改憲による緊急事態条項創設に結び付ける議員もいるから、言語道断。本気で対策に取り組む気なら、まず首相自ら前夜祭の明細書を公開するなど桜疑惑を払拭し、与野党問わず対応できる体制を整えるべきです。それができなければ『拡大防止に全力を尽くす』などと語る資格はありません」

 嘘つき首相の肺炎対策への意気込みを大真面目で聞く、NHK以下の大マスコミの気が知れない。黒い思惑に満ちあふれた言葉をタレ流すだけのチョーチン大本営報道も笑止千万だ。

誰も発言を信用できない首相に難局は無理
 新型肺炎の不安に応える「正確な情報提供」にも、この政権は汚点を残す。昨年、明らかになった厚労省の毎月勤労統計の偽装は事実上のアベノミクス失敗のもみ消しだ。アベノミクスの成果を証明するデータが必要だという官僚の「問題意識」が、見せかけの実質賃金増加という不正へと導いたのである。
 その悪名高い毎月勤労統計調査の昨年分が7日に発表。ゲタを履かせてきた1人当たりの実質賃金はおろか、名目賃金すらマイナスだ。月平均32万2689円と前年比0・3%下がり、減少は実に6年ぶりである。
 結局、アベノミクスの異次元緩和は円安“特需”で輸出企業を儲けさせただけ。7年続けても賃金上昇、それに伴う消費の増加、さらには物価上昇という当初の目的は全く達成されていない
 三菱ケミカルHDの小林喜光会長は経済同友会代表幹事時代の昨年1月、朝日新聞のインタビューに〈この6年間の時間稼ぎのうちに、なにか独創的な技術や産業を生み出すことが目的だったのに顕著な結果が出ていない。ここに本質的な問題があります〉と喝破していた。

 立大特任教授の金子勝氏(財政学)も8日、自身のツイッターに〈アベを辞めさせないと滅びる〉とし、〈情報、バイオ医療、エネルギーの大転換に背を向け、ゾンビ企業、原発輸出、五輪、カジノに入れ込み先端産業を壊すアベノミクス〉と書き込んだ。
 アベノミクスの失敗は歴然なのに、安倍政権はかたくなに認めない。この先、新型肺炎による中国経済の混乱とその悪影響が日本経済に襲い掛かるのは必至なのに、経済無策のペテン政権を続けさせたら、肺炎と不況が列島に蔓延しかねない

嘘を平気でつく最高権力者に国民はもっとマジメに怒った方がいい。その発言を誰もが信用できない嘘つき政権に、この難局は乗り越えられません。総辞職して、せめて嘘をつかない首相に代わるべきです」(政治評論家・森田実氏)
 肺炎対策より、民主主義を壊す嘘つき首相の退陣が先決――。心ある良識派はその望みをかなえるべく、もっと怒りの声を上げるべきだ。