2020年2月9日日曜日

虚飾と矛盾、居直り、ブチ切れ 安倍首相の桜答弁総ざらい(日刊ゲンダイ)

 日刊ゲンダイが「虚飾と矛盾、居直り、ブチ切れ 安倍首相の桜答弁総ざらい」とする記事を出しました。
 電子版のタイトルは上記の通りですが、紙面の写真版を見ると、他にサブタイトルとして、「結局、何ひとつ説明できやしないのだ」、「何も資料も出さずに、早口、ブチ切れ、野党攻撃のいつものパターン」、「驚くべき日本語、詭弁を弄する見苦しさ。これらで浮き彫りになった 首相の大罪と品性、知性、卑しさ、厚顔、幼児性」などがテンコ盛りです。
 これだけマイナスな形容詞句が付くのはかなり珍しいケースでしょうが、すべてが実に的確です。
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虚飾と矛盾、居直り、ブチ切れ 安倍首相の桜答弁総ざらい
 日刊ゲンダイ 2020/02/07
 これまで散々、見せつけられてきたいつものパターンとはいえ、良識ある国民にとってはもはや我慢の限界だろう。
 5日の衆院予算委で、先月下旬に始まった今国会序盤の論戦が一段落した。安倍首相が出席した予算委が8日間開かれ、野党側は昨年の臨時国会から続く総理主催の「桜を見る会」の私物化疑惑などについて追及。国会前は「丁寧に、真摯に説明」などと言っていた安倍だが、野党議員の質問に対して言い逃れやつじつま合わせとしか思えない答弁を繰り返すばかり。議論はかみ合うどころか、いつも以上に感情をあらわにしてブチ切れ、野党議員を“攻撃”する場面が目立った。
 とりわけ酷かったのが4日の衆院予算委。立憲民主党の黒岩宇洋議員が「桜を見る会」の前夜に都内のホテルニューオータニで開かれた安倍後援会主催の夕食会について質問。1人5000円の会費が相場よりも安いことを紹介しつつ、同ホテルの規約では宴会料金は事前連絡の参加者数で確定して請求している――と説明。参加者にキャンセルが出た場合の費用負担の扱いを問いただし、仮にキャンセル料などを安倍事務所が補填していれば有権者への寄付を禁じた公選法違反(買収)の可能性があると詰め寄ったのだ。
 すると、安倍は「規約に書いているのか。根拠がないことを言っている。ウソをついているのと同じだ」と早口でまくしたてたからアングリだ。

首相が国会答弁で脱法行為にお墨付きの異常
 一国の宰相が予算委で野党議員に向かって声高に「ウソつき」呼ばわりするなど前代未聞だが、その後の態度も最悪。入手したホテルの規約を読み上げて反論し、発言撤回を求める黒岩議員を閣僚席からにらみつけ、ムスッとした表情のままだったから呆れてしまう。
 結局、その後に質問に立った無所属の今井雅人議員(統一会派)から謝罪を要求された安倍は渋々、「ウソつきは撤回する」などと応じたが、ハッキリ言ってふてくされたガキそのものだ

「安倍方式」。こんな言葉が飛び出した3日の衆院予算委のやりとりもまたデタラメ。安倍はこれまでの答弁で、前夜祭については安倍事務所が参加者800人から会費を集めたものの、ホテルと契約を結んだのは個々の参加者だから後援会は収支に関係なく、不記載で構わない――などと主張している。この説明だけでも論外なのだが、立憲の辻元清美議員が「なぜ、収支報告書に載せていないのか。こんな脱法行為にお墨付きを与えるのか」「日本中の議員が(パーティー参加者が)何千人であっても『安倍方式』で行うなら違法ではないと、太鼓判を押して」と揶揄すると、安倍は「同じ形式であれば(他の議員がやっても)問題ない」と開き直っていたから唖然呆然だ。

 政治団体が収支報告書への記載義務を課せられているのは、政治家のカネの流れを透明化させ、特定の個人や団体との癒着や腐敗政治を防ぐため。そのために政治資金規正法があるのだ。それなのに首相自身が国会答弁で「脱法行為」にお墨付きを与えるような発言をするなどめちゃくちゃだ。政治アナリストの伊藤惇夫氏がこう言う。
「相変わらず質問には真正面から答えず、資料は出さず、脱法行為を正当化し、虚偽答弁を繰り返す。もはや、桜問題は誰が見ても『安倍首相はウソつき』との印象を抱いたでしょう。たとえ、国会質疑をしのいだとしても、ダメージは深いと思いますね」

人間性が問われているのは、平気の平左でウソをつき続ける安倍自身
 そもそも安倍はこれまで、前夜祭については参加者が1人5000円の会費をホテルに支払ったために後援会に収支が発生せず、報告の必要はない、と説明してきた。その説明に“変化”があったのは、1月31日の衆院予算委。無所属(統一会派)の山井和則議員が「800人の夕食会は、主催者である後援会が契約者でいいか」と問いただすと、安倍は「主催は後援会だが契約の主体は個人。何十人かでレストランなり旅館なりで会合を開き、それぞれ参加者が個々で支払うことと同じ」と答えたのだ。

 割り勘払いが原則の会社の飲み会じゃあるまいし、政治家の後援会が主催する800人の夕食会で、参加者が個別にホテルと契約を結ぶことはあり得ないだろう。
 後援会が取りまとめていれば収支報告書への不記載を追及されるため、無理やり理屈をこね上げたのだろうが、その屁理屈にもならない説明をさらに“ひっくり返す”答弁があったのが2月5日の衆院予算委だ。

 立憲の大串博志議員が「契約したのは首相の事務所ではないか」と迫ると、「事務所として仲介している以上、(ホテル側と)合意して把握しなければならない」「合意がなければ、参加者に5000円と伝えられない」と言い、事務所が夕食会の価格設定に主体的に関与し、ホテル側と合意があったと認めたのだ。
 常識で考えれば、政治団体に限らず、大規模宴会を主催し、価格設定まで関与している仲介者が契約主体だ。つまり、安倍は自分の説明が論理破綻していると認めているのに等しいだろう。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。
「ウソの帳尻合わせをしようと答弁しているから内容が支離滅裂になる。国民の間でも、相当酷いとの思いがどんどん膨らんでいるのは間違いないでしょう」

疑惑の引き延ばし答弁で、野党の根負けを狙う
<「事務所が予約しているため、ホテル側から価格の優遇を受けている。それに、事務所が夕食会の会費を集金している。明らかに事務所が契約の主体で、首相答弁は詭弁」と指摘。事務所の募集に応じて、参加者が実際に申し込んだ相手も事務所。『ホテルと個別に契約したものであずかり知らぬ』という説明は矛盾している>
 5日付の朝日新聞は、安倍の説明に対する浜辺陽一郎・青山学院大教授(民事法)の解釈を報じていたが、これが至極まっとうな見方だ。

 事務所は関係ないと言いつつ、夕食会の明細開示については「ホテル側が資料提供に応じられないとしている」と言い、参加者が受け取ったという領収書の提示を求められても知らん顔だから許しがたい。閣僚席では腕時計を、答弁時には上目遣いで掛け時計をチラチラと時間ばかり気にしていた安倍。予算委では、虚飾と矛盾だらけの答弁に加え、下劣な品性、卑しさ、厚顔、幼児性がこれまで以上に浮き彫りになったほか、小学生レベルの知性しかない実態も分かった。

 1月28日の衆院予算委で、共産党の宮本徹議員が「桜を見る会」に安倍後援会の関係者が申込書をコピーして知人らに声を掛けていたと指摘した時だ。
「幅広く募っているが、募集しているとの認識ではなかった」
 この答弁には、いつもは舌鋒鋭く追及する宮本議員も苦笑いし、「募ると募集は同じなんですよ。募集の募は、募るという意味」と呆れていたが、こんな程度の男が「米国ファースト」を訴えるトランプ大統領と貿易交渉したり、ロシアのプーチン大統領と北方領土交渉したりできるワケがないだろう。政治評論家の小林吉弥氏はこう言う。
「ノラリクラリ疑惑を引き延ばしていれば、やがて野党も根負けすると思っているのでしょうが、要するに何も答える気がないのと同じ。IR汚職事件や閣内のギクシャクもあり、相当のストレスを抱えているとはいえ、総理大臣が国会の場で怒りの感情を前面に出すなどあり得ないでしょう。こうした言動は有権者は必ず覚えていますよ」
 見苦しい詭弁を弄し、平気の平左でウソをつく。安倍は黒岩議員に対して「人間としてどうなのか」と批判していたが、人間性が問われているのは安倍自身だ。