2020年2月2日日曜日

黒川高検検事長の異例の定年延長は安倍首相の保身のため

 安倍首相は自衛隊が集団的自衛権を行使できる新安保法制を作るに当たり、その障害となってきた内閣法制局の反対を封じるために、13年9月に突如、集団的自衛権の行使容認派の外務官僚・小松一郎氏を法制局長官に任命しました(従来は法制局官僚が昇格し就任)。
 普通の感覚であればそうした見え透いた行為は出来ないものですが、安倍首相は何の抵抗もなくそれを実行したのでした。その結果、戦後営々として守られてきた「国は集団的自衛権を有するが、憲法9条の制約上行使することはできない」の鉄則が破られました。安倍首相の異常さを端的に示した事例でした。

 政府は31日、27日で定年退官する予定だった東京高検検事長の黒川弘務氏(62)半年後の8月7日まで続投させる人事を決めました。今年8月に退陣予定の稲田伸夫検事総長(63)の後任に充てるための措置で、検事長が検察官の定年(63歳)を超えて勤務を続けるのは初めてです。
 黒川高検検事長はこれまで安倍首相の守護神として、内閣のあらゆる不祥事の立件をスルーさせた人物として知られています。それをさらに検察トップの検事総長に充てることで、首相の守護に盤石を期そうとするものです。

「かっちの言い分」と「日本の風景」本澤二郎氏)が怒りの記事を出しました。
 二人とも怒りのあまり記事では、「黒川」を「黒田」に、「かっち」氏はさらに「務」を「弘」と誤記していたので転載するに当たり修正しました。
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安倍首相のお気に入りの黒東京高検事長の定年延長は自分の保身
かっちの言い分 2020年 1月31日
東京高検検事長の黒氏が異例の定年延長措置と朝日新聞が報道した。今後次期検事総長に就任すると言われる。このような定年延長の記事を報道すること自体が異例である。この件を敢えて書いたのは黒氏が安倍首相のお気に入りであるからだ。この話は事あるごとにネット上で言われてきた。火の無いところに煙は立たない。常識で言えば敢えて異例の定年延長をする必要などないはずだ。

検察内部の本命は林名古屋高検検事長と言われている。それを蹴落としての人事である。安倍首相の保身を図る人事と思っている。黒川氏は小沢氏を嵌め、甘利氏の贈収賄事件をスルーした検察の責任者としてネットでは言われている。今回の安倍首相自身の壮大なる桜を見る事件に目を瞑らせるための人事と思っている。自身のやることは滅茶苦茶な不祥事を行っているが、それで逮捕されないように腹心の黒氏に異例のご褒美をあげること自分の罪で逮捕されないようにする方策だと思っている。

東京高検検事長が異例の定年延長 次期検事総長に就任か
板橋洋佳 朝日新聞 2020年1月31日
 政府は31日、2月7日で定年退官する予定だった東京高検検事長の黒川弘務氏(62)について、半年後の8月7日まで続投させる人事を閣議決定した。検事長が検察官の定年(63歳)を超えて勤務を続けるのは初めて。稲田伸夫検事総長(63)の後任に充てる可能性が出てきた。発令は2月7日付。
 検察でナンバー2となる東京高検検事長の黒川氏も検事総長候補の1人だったが、2月8日に誕生日が迫っていた。定年退官すれば総長に就かないのが通例。検事総長の定年は65歳。近年の総長は任期約2年で辞職するのが慣例となっており、稲田氏もこれを踏襲して今年8月で辞職するのが有力視されている。


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本澤二郎の「日本の風景」(3581A)  2020年02月01日
<安倍・菅子飼いの黒田高検検事長の大異例定年延長>
 この世に正義は存在するのであろうか。いい法律でも、権力者の運用次第で悪法となる。首相含めて国民すべての生殺与奪の権限は、法務検察に握られているが、いまの検察は腐敗まみれで正義が消滅してしまっている。反論できる真っ当な人物もいない。いるわけがない。あまりにもひどすぎる。
 安倍と菅の子飼いの黒田・東京高検検事長が、まもなく定年を迎える。安堵した国民は多かったが、どっこい安倍と菅が和解したようで、前例のない定年延長を強行、法務検察内部が大混乱のようだ。
 法を無理やり捻じ曲げてでも、検察支配に執着する安倍ー菅体制に法学者も怒っている。
<安倍・桜事件の財政法違反刑事告発阻止のための検事総長確保>
 現職の首相が、財政法違反(背任)で刑事告発されている。これまた前例などないが、これを法務検察がどう処理するか。まともな法務検察であれば、韓国の朴前大統領のような運命が約束されている。
 安倍・桜事件は、安倍の政治活動の主体である安倍事務所と内閣府が一体で、政府の行事を分捕って、大掛かりな買収事件を起こしたものであろう。この中には入れ墨やくざから、天下の詐欺師など犯罪と関係する人物も含まれていたことが分かっている。
 安倍晋三というA級戦犯の孫は、国家議員はおろか、一人の人間としても失格者である。悪事を平然と、国費を使ってやりぬいている。血税に手を付けた財政法違反の罪は重い。
 どうあがいても無駄である。法学者のみならず、多数国民が認識してしまっている。如何にNHK読売産経が蓋をかけて、国民の目から見えないように工作しても、それは不可能である。
 その不可能を可能にしようとしている。それが現在進行形の黒田という問題の東京高検検事長を次期検事総長に昇格させようというものだ。その手先が大平正芳の盟友・伊東正義を尊敬するという、イカサマ法務大臣の森雅子である。このことに誰ぞ異論はあるか。
 今朝ほども安倍を「小僧」と呼ぶ清和会OBが、怒り狂って電話してきた。
<カジノ秋元はスケープゴートで狙いは安倍・桜隠し>
 要するに、目下の黒川が指揮するカジノ汚職事件における秋元逮捕は、いうところのスケープゴートということになる。
 安倍側近の萩生田とか西村に捜査の手を伸ばさない。むろん、菅や二階にも。安倍の実弟にも手を出さないという。
 しからば、何のためだったのか。野党への目くらまし作戦である。安倍・桜事件隠しなのだ。
<新型コロナウイルス問題大報道で助かった安倍晋三>
 安倍の桜隠しの本命は、外国から飛んできた。武漢の新型コロナウイルスである。菅の指令で左右に動くNHKを見ていると、よくわかるのだが。毎日のようにこれの大報道に明け暮れて、国会での安倍・桜事件追及を報道しない。
 過去には社会党などに「爆弾男」がいたが、いまの小選挙区制でバッジをつけた小者に追及はできない。安倍を助けているだけなのだ。安倍の嘘答弁を審議拒否で追い詰めるという、当たり前の手段を用いない。
 補正予算はスイスイ、超軍拡予算も、となると、この国の国民は踏んだり蹴ったりだろう。
<正義消滅の検察を野党は追及できるのか>
 せめて野党は、法務検察の本丸を追及する必要がある。検事総長を国会で、とことん攻めるのである。正義の法務検察へと変身させる、その努力をしなければならないだろう。
 日本から正義が逃げてしまっている。そのことに目を向けない国会、国権の最高機関にため息をつくばかりでいいのだろうか。野党の正念場でもある。
 半年後に黒田が検事総長になって、安倍と菅の手駒となって、悪政・暴政を守護する。それを法務検察は、悪しき税金泥棒組織として従うのだろうか。それとも?改革はまず内部から巻き起こるものである。
 政治と独立した法務検察の一大改革も、合わせて推進する好機でもあろう。
202021日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)