2020年2月15日土曜日

新型肺炎の蔓延 安倍政権の後手対応が招いた人災(日刊ゲンダイ)

 新型肺炎は既に「ヒト-ヒト」感染のフェーズに入り、この先どこまで拡大するか分かりません。政府はこれまで東京五輪の開催に悪影響がないようにと、感染者のウィルスチェックそのものを抑制して、現在の検査の最大能力は1日300件などと公称しています。
 しかし医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏は「ウィルスチェックは簡単で、新型肺炎に限らずPCR検査というのは日常的にやられてい。政府がやる気になれば万単位の検査も、1週間とかのオーダーでできる」と断言しました。検査試薬の生産能力は1週間あたり25万検体分に達しているということです(別掲のLITERA記事参照)。
 その一方で加藤厚労相は言うに事欠いて、「国内で流行しているという疫学的な情報は集まっていない」と述べていますが、まさに隠蔽を地で行くもので、大々的な検査をしていない以上「疫学的」情報など集まりようがないわけです。要するに新型肺炎患者の蔓延が明らかにされることを避けるために、感染の疑いを訴えても保健所が防波堤になって、「37・5度以上の発熱とせきなどの呼吸器症状 ②発症2週間以内の湖北省への渡航歴 ③湖北省に訪問歴がある人と濃厚接触したでなければ、ウィルスチェックもしないで「放置」(自宅待機)しているのが実態です(最近になってようやく「湖北省への渡航歴」の条件を外したようですがあまりにも当然のことです)。

 安倍政権の「やってる振り」と「隠蔽」という、いつもながらの無作為によって新型肺炎はすでに蔓延状態に入っています。
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安倍政権の後手対応が招いた人災 新型コロナすでに蔓延か
日刊ゲンダイ 2020/02/14 
 とうとうパンデミックが始まった。厚労省は13日、新型コロナウイルスに感染した神奈川県の80代の日本人女性が死亡したと発表。都内在住の個人タクシー運転手の日本人男性(72)の感染も確認された。女性は運転手の義母。女性が医療機関を受診したのは先月28日で、運転手は同29日だった。タイミングからして、親族間で「ヒト・ヒト感染」した可能性が濃厚だ。
 さらに、和歌山県は同県在住の50代の日本人男性医師の感染が確認されたと発表。男性医師は先月31日に全身の倦怠感を訴え発熱。今月3~5日は解熱剤を飲みながら勤務したというから、他の人に感染させている恐れもある。県はけさ、病院を受診した70代日本人男性も新たに感染が確認されたと発表。肺炎の症状があり重症という。千葉県も13日、20代男性の感染が確認されたと発表した。

 加藤勝信厚労相は「国内で流行しているという疫学的な情報は集まっていない」と“火消し”に躍起になっているが、認識が甘すぎる。安倍政権の後手後手対応によって日本列島が大感染する危機が現実となってきた。

 政府は、ウイルス検査の対象者の条件を ①37・5度以上の発熱とせきなどの呼吸器症状 ②発症2週間以内の湖北省への渡航歴 ③湖北省に訪問歴がある人と濃厚接触した人――としてきた。「湖北省縛り」などと対象者を限定したため、症状があっても条件に合致せず、検査を受けられない人が続出している。
 ある内科医によると、新型肺炎にかかっている疑いがある患者の血液を採取し、保健所に検査を依頼したが、条件に合わないから検査できないと断られてしまったという。
 検査を受けられないまま、ウイルスをまき散らしている感染者も相当いるのではないか。

感染症学会の「予言」通りに
 そんなユルユル対策に業を煮やした自治体が、次々に独自に検査を開始している。13日になって一気に感染者が見つかったのは、検査対象が広がったことが原因の可能性がある。山野美容芸術短大客員教授の中原英臣氏(感染症学)はこう言う。
政府の対策はあまりにも遅い。既に国内に感染者がいたにもかかわらず、検査対象が狭かったため、発覚していなかっただけではないのか。もっと早い段階で医療の専門家に対策をとらせるべきでしたが、東京五輪を控えており事を荒立てたくないから強い対策をとらなかったのでしょう。日本感染症学会は6日に『既に国内にウイルスが入り込み散発的な流行が起きていてもおかしくない』との見解を公表しています。その通りになったということ。もはや政府は頼れず、自分の身は自分で守るしかない。手洗い、うがいのみならず、使い捨て手袋などで予防を徹底すべきです」
 もはや全国的に蔓延していると思ったほうがいい。