2020年2月14日金曜日

14- 安倍首相が「バカみたいな質問だな。意味のない質問だよ」とヤジ

 安倍首相は12日の衆院予算委で、辻元清美議員が、首相の国政私物化を批判して質問を終えた直後、自席から「意味のない質問だ」などとヤジを飛ばしました。動画を観ると、実際には「バカみたいな質問だな、意味のない質問だよ」と、辻元議員に聞こえるように大きな声で発言しています。
 野党理事は即座に抗議しましたが、委員長が審議を続行させたため紛糾し13日の予算委は開かれませんでした。与野党で断続的に協議した結果、来週17日に集中審議を行って、安倍首相にやじについて発言を求めることになりました。月内に予算案を成立させたい与党としては応じざるを得ませんでした。

 立憲の枝野代表がかつての「バカヤロー」よりも悪質だと述べましたが、それは吉田茂内閣時代に、野党の質問に怒った吉田茂が壇上で「バカヤロー」と言ったために紛糾して衆院が解散するに至ったことを念頭に置いたものでした(「バカヤロー解散」と言われています)。
 安倍首相は辻元氏から「タイは頭から腐る」と言われたことが余程気に入らなかったようですが、別掲の記事のように安倍首相の腐敗は既に一部の高級官僚に及んでいます。
 ここは自分が批判されることに我慢が出来ないという幼児性を発揮するのではなく、自分を根源とする政官の腐敗にこそ思いを致すべきです。

 しんぶん赤旗と毎日新聞の記事を紹介します。
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安倍首相、野党にヤジ 「意味のない質問」 
 議会制民主主義侵害する異常な態度
しんぶん赤旗 2020年2月13日
 安倍晋三首相は12日の衆院予算委員会で、立憲民主党、国民民主党などの共同会派の辻元清美議員が、安倍首相の国政私物化を批判して質問を終えた直後、自席から「意味のない質問だ」などとヤジを飛ばしました。野党理事は即座に抗議しましたが、棚橋泰文委員長(自民党)が審議を続行させたため、委員会は紛糾しました。

 安倍首相のヤジは、辻元氏が安倍首相の疑惑をあげて、「タイは頭から腐る」と批判した後に飛び出しました。辻元氏の次の質問者がヤジについてただすと、安倍首相は「(辻元氏の発言は)罵詈(ばり)雑言の連続だった」などと述べ、自身の発言だったことを認めました。

 安倍首相は、衆院予算委で野党議員への批判をエスカレートさせています。同日の予算委では、立憲民主党などの共同会派の黒岩宇洋議員が「桜を見る会」について質問すると、安倍首相は「非生産的な、政策とは無縁のやりとりを長々と続ける気持ちは全くない」と述べ、野党議員を批判。黒岩氏が4日の衆院予算委で安倍首相から「うそつき」と非難されたことについて謝罪を求めたのに対し、安倍首相は謝罪を拒否しました。
 行政府の長が、立法府の議員の質問を「意味のない質問」「罵詈雑言」「非生産的」などと非難するのは、議会制民主主義をも侵害する異常な態度です


「意味のない質問だよ」 首相ヤジ「開き直り発言」詳報
毎日新聞  2020年2月13日
 安倍晋三首相は12日の衆院予算委員会で、立憲民主党の辻元清美氏が質問を終えた際、「意味のない質問だよ」とヤジを飛ばした。野党が猛抗議し、審議は一時紛糾。首相は、次に質問に立った逢坂誠二氏に対し「ここは一方的にののしる場なのか。それでは質疑は無意味になってしまうと思ったから申し上げた」と述べた。立憲の枝野幸男代表は党会合で「かつて(国会で)バカヤローと言って衆院を解散した首相がいたが、それに匹敵する暴言だ」と強く批判した。主な辻元氏の最後の発言と逢坂氏とのやり取りは次の通り。 

<辻元氏の発言> 
 総理、最後に申し上げる。「タイは頭から腐る」という言葉、ご存じですか。これは英語とかロシア語でもある。死んだ魚の鮮度は魚の頭の状態から判断できる。従って、社会、国、企業などの上層部が腐敗していると、残りもすぐに腐っていく。総理が桜とか加計とか森友とか疑惑まみれと言われているから、それに引きずられるように官僚の示しがつかない。官僚の皆さん、かわいそうだ。心痛めてる官僚の方、たくさんいると思う。子どもの教育にも悪い。長期政権だからじゃないですよ。最初からやっているんだから、桜を見る会も。森友だって、総理大臣になる前から講演に行こうとしていた。 
 ここまで来たら、原因はタイの頭。頭を代えるしかないのではないか。(首相は)私の手で憲法改正を成し遂げたいと(言っている)。総理の手で成し遂げることは、総理自身の幕引きだということを申し上げて終わる。 
首相のヤジで委員会室が騒然 
 政府側の自席に座っていた首相が「意味のない質問だよ」とヤジを飛ばす 

 辻元氏が「誰が言ったのか」と反発し、野党理事が集まり、審議を止めるよう委員長に要求 

 次の質問者の逢坂氏を指名していた棚橋泰文予算委員長は「私は(指名の)発言をしていましたから、(ヤジを)聞いていません」「逢坂さんの質問だ」「私聞いてないって言ってるでしょ」「勝手な言い方で止めるわけにはいかない」などと受け付けず、審議を続行させる 

<首相と逢坂氏のやり取り> 
 逢坂氏 確認させていただくが、さきほど総理は「意味のない質問」とおっしゃったのか。事実だけ確認させてください。 

 首相 最後のところで、辻元委員がずっと私に質問ではなくて、罵詈雑言(ばりぞうごん)の連続だった。頭から腐ると、腐ってる本体が私であると。これを言い続けた。政策に関わりなく。私に反論する機会を与えずに繰り返された。テレビ(中継)つきで。それで終えられた後、それはあまりにも、こんなやり取りじゃ無意味じゃないかということを申し上げた。当然、そう思うじゃないですか。一方的にここでののしる。ここは質疑の場であって、一方的にののしる場なのか? 私はそうだとは思わない。私は、それでは質疑は無意味になってしまうと思ったから、これじゃ無意味じゃないかと申し上げたわけだ。 

 逢坂氏 総理が「意味のない質問だ」と言ったのは事実だと、お認めをいただいた。私は、辻元さんの言ったことは当たっていると思う。総理がでたらめやるから、国全体におかしなことがいっぱい広がってる。総理から腐っていって、体全体にその腐りが回っていくという指摘だったのではないかと思う。それを意味がないと。そういうことをちゃんと真摯(しんし)に受け止める姿勢が必要なのではないか。私はそのことを指摘させていただきたい。