どんな病気であれ早期発見、早期治療が必要で有効です。しかし新型コロナウィルスに限っては重症になるのを待たないと診察も受けられないのは何故なのでしょうか。
政府はみんなが押し掛けると「医療機関がパンクするから」と脅しますが、「政府の発表」によれば感染者はまだ高々千人程度です。インフルエンザは、毎年少なくとも数十万人を診断・治療していますが、一度もパンクなどしていません。
先に感染者が目立つ(といっても数十人レベル)北海道に厚生省から3人の職員が派遣されたのは、無為に徹してきた政府としては極めて珍しいことでした。またパフォーマンスかと思ったほどです。
しかし、北海道の対策本部に派遣された3人は、PCR検査は「入院を要する肺炎患者の治療に必要な確定診断のため」に行うものということをひたすら強調し、「軽症の患者は検査するな」との意向を大いに『暗示』したため、道の職員や保健所職員の間で「検査し過ぎてはいけないのか」という空気が生まれているということです。
要するに「あまりPCR検査をするな(感染者を見つけるな)」ということを(言質を取られないように注意しながら)『暗示』するために行ったのでした。
そうであれば完全に政府の意向に沿うものでそのための派遣だったのでした。
事実それ以降北海道では、『感染疑い』の人がなかなか検査してもらえなくなり、医師を通じて検査を要望しても、保健所に断られてしまうということです。
これもまた「中世の司法」ならぬ『中世の圧政』とでもいうべきもので、日本はすっかり恐ろしい国になってしまいました。北海道は負けないでください。
日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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厚労省が政権に忖度か 感染者急増の北海道で“検査妨害”
日刊ゲンダイ 2020/02/28
日を追うごとに感染者が拡大する新型コロナウイルス。積極的に検査を行わない安倍政権に“感染者隠し”の疑いが浮上している。検査を受けられない「検査難民」が続々と顕在化し、国民から怒りの声が上がっている。そんな中、厚労省が“検査妨害”していたことが発覚した。国民の健康を守る省庁が“感染者隠し”の片棒を担いでいたのだから許されない。
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27日の衆院予算委員会で、立憲民主党の川内博史議員の質問で驚きの事実が発覚。25日に厚労省の研究機関「国立感染症研究所」から北海道庁に派遣された3人の専門家が「検査をさせないようにしている疑念がある」と指摘したのだ。
道の対策本部に派遣された3人は、政府が策定した基本方針に記載のある〈入院を要する肺炎患者の治療に必要な確定診断のためのPCR検査〉の実施を必要以上に強調。暗に、「軽症の患者は検査するな」との意向をにおわせ、道職員や保健所職員の間で「検査し過ぎてはいけないのか……」という空気が生まれているという。川内議員は道議会議員から聴取した内容だと明かした。
加藤厚労相は「3人がそのことを言った?うーん……」と首をかしげていたが、本当に知らないのならあまりに無責任というものだ。川内議員に情報提供した立憲民主党の武田浩光道議がこう言う。
「北海道の対策本部に東京から3人が派遣されて以降、『感染疑い』の方がなかなか検査してもらえなくなってしまいました。医者を通じて検査の要望をしても、保健所に断られてしまうというのです。それまでは、37.5度以上の熱が4日以上続く、などといった条件に合致すれば、比較的スムーズに検査してもらえた。とにかく『重症者優先』を訴える3人が来たことで、状況が変わってしまいました」
安倍政権が専門家3人を北海道に送り込んだのは、検査件数を抑え、感染者数を増やさないようにするためだった疑いが強い。現在、北海道の感染者数は54人と全国最多となっている。理由は、重症化する前から検査を認めてきたからだとみられている。
しかし、検査件数を抑えることで感染者数を少なく見せかけようとしているのなら、本末転倒もいいところだ。国会で質問した川内議員は改めてこう話した。
「本来は検査体制を拡充し、陽性の方を早期に発見することが、感染症対策の基本です。早期なら重症化を防げる可能性があります。しかし、政府にはそういう態度が見られません。基本方針にも『患者の早期発見』といった記載はない。結局、政府は検査を拡大することで、多くの陽性患者が発覚することを恐れているのではないか。実態を見えなくするために、検査拡大を拒んでいるのだとしたら許されません」
つくづく「国民目線」からは程遠い政権である。