2020年6月26日金曜日

26- 「東京アラート」小池知事 新基準示さず解除/小池コロナ対策の破綻

「東京アラート」は、小池知事が都知事選に出馬を表明する前日解除し、「全業種への休業・自粛要請」は都知事選に立候補した翌日(19日)に解除しました。小池氏は改めてアラートを出すことはないと表明しました
 その後感染者数は解除前より増加傾向にあり、直近の状況はアラート発令の3基準のうち2基準でアラートを発令する状態になっていますが、現在、警告を出す指標の見直しに向け専門家を交えたワーキングチームで検討中ということで、都は何も対応していません。それについて東京新聞13日付社説で、「警戒を強化したり緩めたりする手綱が恣意的ではないか」と疑念を呈しています。

 しんぶん赤旗が東京アラート何だった 小池知事 新基準示さず 出馬表明前日に解除」とする記事を出しました。

 同様の指摘は、植草一秀氏もブログ「植草一秀の『知られざる真実』」で繰り返し指摘しています
 ⇒意味がまったく不明の東京アラート6月15日
  「小池東京アラート失策で感染再爆発重大局面」(6月20日)

 しんぶん赤旗の記事と、植草一秀氏のブログ「小池東京経済活動全面再開が破綻する日」を紹介します。植草氏は「小池氏の行動においては、すべてに自分の都合が優先されていて、その行動様式はエジプト留学時から現在まで一貫しているように見える」と述べています。

 註)植草氏の記事の末尾のグラフは、「日本の交通機関による移動指数の推移を3週間ずらすと東京の新規感染者数の推移と重なる」ことを示すもので、6月20日のブログで紹介したものが再掲されています。
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「東京アラート」何だった 小池知事 新基準示さず 出馬表明前日に解除
その後、感染増 新規感染者 東京は55人
しんぶん赤旗 2020年6月25日
 24日の東京都の新型コロナウイルス新規感染者は55人となり、先月25日に緊急事態宣言の解除後、最多になりました。都がコロナ感染に警告を発する「東京アラート」(2日発動)が11日に解除されましたが、その後感染者数は解除前より増加傾向にあります。
 都はその下で、19日からは基本的に全業種での休業・自粛要請を解除し、小池百合子知事は、改めてアラートを出すことはないと表明しました。都は15日に、「東京アラート」に代わる、警告を出す指標の見直しに向け、専門家を交えたワーキングチームを発足させました。都の担当者は「これまで会議は15日を含めて2回開いた。専門家の意見を聞いている段階だ」と説明しています。
 直近の感染者数の状況(表)を見てみると、アラート発令の3基準のうち、2基準でアラートを発令する状態になっています。
図
 小池知事はアラート解除にあたり「数字は落ち着いており、東京アラートの役目も果たしたのかなと思う」と述べましたが、14、15日と連続で新規感染者数が1日40人を超え、平均でも30人を超える事態となり、到底「落ち着いて」いる事態ではありません。

 感染者が拡大傾向を示す中で、新たな警戒目安も示さないまま、ワーキングチームの結論待ちという姿勢では都民の命と暮らしを守ることはできません。
 さらに、アラート解除は小池知事が都知事選に出馬を表明した前日であり、全業種への休業・自粛要請解除は都知事選告示の翌日です。
 「警戒を強化したり緩めたりする手綱が恣意(しい)的ではないか、との疑念が残る」(東京新聞13日付社説)との批判も出ています。

 そもそも「東京アラート」は、赤い光で都民に注意喚起するだけで、都が何をするのか肝心なことを示さず、都民の自己責任に委ねるものでした。これが感染拡大防止のためのものと言えるでしょうか。「東京アラート」は何だったのか、多くの都民から疑問の声が上がっています。


小池東京経済活動全面再開が破綻する日
植草一秀の「知られざる真実」 2020年6月24日
東京で新たに55人のコロナウイルス感染者が確認された。
小池百合子東京都知事は「東京アラート」だけでなく、営業自粛要請も全面的に解除した。
都知事選に合わせて経済活動全開の体制を整えたということだろうが、世の中は小池氏を中心に回っているわけではない。この点を勘違いしていると大きなしっぺ返しに遭遇するだろう。

小池氏の行動においては、すべてに「自分の都合」が優先されているように見える。
『女帝 小池百合子』(文藝春秋)https://amzn.to/3dkd25d を読むと、エジプトに留学して女性と同居して以来、この行動様式は現在まで一貫しているように見える。
小池氏が所属した政党も目まぐるしく変化してきた。日本新党-新進党-自由党-保守党-保守クラブー自由民主党-都民ファーストの会-希望の党を渡り歩いてきた。
政治における確固たる信念、思想を感じられない。おそらく、そのようなものは存在しないのだろう。
ただひたすら、より高い地位に上り詰めることだけが追求されてきたのだと思われる。

4年前の都知事選で小池氏は「築地は守る、豊洲は生かす」と唱えた。しかし、築地を守りはしなかった。
「食のテーマパーク」はどこに消えてしまったのか。都知事になるための、その場限りの票を得ることができれば、それでよいという考えなのだろう。しかし、小池氏の言葉を信用した市民は浮かばれない。
いくつもの大きな風呂敷を広げたが、何も実現できていない。

2020年の最大の懸案はコロナである。
コロナが脅威として認識されたのは1月下旬。
コロナの被害を軽微に抑制した台湾は1月からコロナ対策を本格化させた。水際対策を徹底した。マスクの確保についても政府がシステマティックに対応した。
武漢で本格化したコロナウイルス感染拡大の影響をもっとも強く受ける可能性が高かったのが台湾だ。その台湾がコロナを見事に封じ込めた。台湾は東アジアの優等生である。

小池百合子都知事は3月1日の東京マラソン実施を強行した。安倍内閣が「瀬戸際の2週間」と叫んだのが2月24日。3月1日は、その「瀬戸際の2週間」の真っ只中だった。東京マラソンは7万人の濃厚接触者を生み出した。小池都知事は東京五輪7月開催にまっしぐらに突き進んでいた。
 ところが月24日に東京五輪の延期が正式決定されると行動が急変した。「感染爆発重大局面」と唱えた。
「感染爆発重大局面」は3月1日の東京マラソン開催時に示されるべき言葉だった。
東京の緊急事態宣言は5月25日に解除された。ところが小池知事は6月2日に「東京アラート」を発令した。
「東京アラート」には発令・解除基準が設定された。具体的数値基準として
「新規陽性者数」=1週間平均で1日20人未満
「感染経路不明」=50%未満
「陽性者増加比」=直近1週間とその前の1週間の感染者数比が1未満
が示された。
基準に基づいて小池知事は6月2日に東京アラートを発令したが、6月10日にはこれを解除し、東京アラートという制度そのものを廃止してしまった。これ以上の朝令暮改はない
都知事選が告示されたのに、「東京アラート」では戦いにくいということなのだろう。
営業自粛の全面解除も東京都の新規感染者数を増大させる要因になるだろう。

小池コロナ対策の破綻が明らかになる日が近づいている。
東京都の主権者は小池百合子氏を落選させるべきである。
0622202
(以下は有料ブログのため非公開)