2020年6月16日火曜日

河井案里議員秘書 猶予つき懲役刑 連座制で当選無効の可能性

 昨年7月の参院選で車上運動員に違法な報酬を支払ったとして、公選法違反(買収)の罪に問われた案里氏の公設秘書立道浩被告に、広島地裁は16日、懲役1年6月、執行猶予5年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡しました。
 広島地検は立道被告を連座制対象の「組織的選挙運動管理者」に当たるとみて起訴し、迅速に審理する「百日裁判」を申請しました。有罪判決が確定し、広島高検が提起する行政訴訟で適用対象と認定されれば、案里氏は当選無効となり失職します

 夫の河井克行前法務大臣と案里議員は離党する意向を固め17日にも離党届を提出する方向で調整を進めています
 NHKの2つの記事を紹介します。
お知らせ(再掲)
17日は日中停電になるため記事の更新が出来ません。ご了承ください。
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河井案里議員秘書 猶予つき懲役刑 連座制で当選無効の可能性 
NHK NEWS WEB 2020年6月16日
自民党の河井案里参議院議員の公設秘書が運動員に規定を超える報酬を支払った罪に問われた裁判で、広島地方裁判所は執行猶予のついた懲役1年6か月の判決を言い渡しました。懲役を含む禁錮以上の刑が確定した場合、検察は連座制の適用を求める行政訴訟を起こす方針で、16日の判決で河井議員の当選が無効になる可能性が出てきました。

自民党の河井案里議員の公設第二秘書、立道浩被告は(54)、去年7月の参議院選挙で、車上運動員、いわゆるウグイス嬢14人に法律の規定を超える報酬を支払ったとして、夫の河井克行前法務大臣の元政策秘書とともに、公職選挙法違反の運動員買収の罪に問われました。
裁判で、秘書の弁護士は「従属的な立場にすぎない」として、罰金刑が妥当だと主張していました。
16日の判決で、広島地方裁判所の冨田敦史裁判長は「被告は、違法な報酬の支払いを前提とする遊説活動を取りしきり、主体的、積極的に遊説活動に関与していた。会計担当に報酬の支払いを指示するなど重要な役割を果たし、弁護側が主張するような罰金刑が妥当な軽い事案とはいえない」と指摘して、懲役1年6か月、執行猶予5年を言い渡しました。
懲役を含む禁錮以上の刑が確定した場合、検察は連座制の適用を求める行政訴訟を起こす方針で、16日の判決で河井議員の当選が無効になる可能性が出てきました。

河井克行前法相 衆院本会議を欠席 
河井克行前法務大臣は、16日午後開かれた衆議院本会議を体調不良を理由に欠席しました。
これについて、自民党の森山国会対策委員長は記者団に対し「きょうの衆議院本会議は欠席したいと連絡をもらったが、あすの本会議には出席することになっている。どこかでしっかりとした説明をすると理解している」と述べました。

河井夫妻への捜査は 
河井案里議員が初当選した去年7月の参議院選挙をめぐっては、公設秘書が運動員に違法な報酬を支払った罪に問われた事件のほかにも、夫の河井克行前法務大臣と案里議員が地元の地方議員らに多額の現金を配り、票の取りまとめを依頼していた疑いがあるとして、検察当局は夫妻の刑事責任追及に向けて捜査を進めています。

関係者によりますと、検察当局はことし1月以降、運動員の報酬をめぐる事件で河井夫妻の自宅や議員会館の事務所などを捜索し、現金を広範囲に配布したことを示すリストを押収したということです。
そして、リストに記載された地方議員や後援会幹部などから事情を聴くなどして捜査を進めた結果、河井前大臣が去年3月以降、広島県議会議員や後援会幹部など100人近くに、合わせて2000万円を超える現金を配り、案里議員自身も一部の現金を配っていた疑いがあることが分かったということです。

検察当局は17日、国会が閉会されたあと、公職選挙法違反の買収の疑いで河井夫妻の刑事責任を追及するものとみられます。
関係者によりますと、河井前大臣はこれまでの任意の事情聴取に対し、買収行為を否定しているということです。
また案里議員も今月9日、国会内で記者団から「買収行為はあったのか」と質問されたのに対し、「全くない」と述べ、否定しています。


河井克行前法相 妻の案里参院議員 自民党離党の意向固める 
NHK NEWS WEB 2020年6月16日
自民党の河井案里参議院議員の陣営による選挙違反事件を踏まえ、夫の河井克行前法務大臣と案里議員は離党する意向を固めました。河井夫妻は17日にも離党届を提出する方向で調整を進めています
自民党の河井案里参議院議員の陣営による選挙違反事件で、検察当局は、夫の河井克行前法務大臣が2000万円を超える現金を地方議員らに配り、案里議員自身も一部の現金を配っていた疑いがあるとみて、国会閉会後に公職選挙法違反の買収の疑いで河井夫妻の刑事責任を追及するものとみられます。

こうした中、河井克行氏と案里氏は、自民党にこれ以上迷惑をかけたくないなどとして離党する意向を固め、関係者に伝えたことが分かりました。
河井夫妻は17日にも離党届を提出する方向で調整を進めています。
一方で、関係者によりますと、河井夫妻は違法な行為はしていないなどとして、議員辞職はしない意向を示しているということです。