2020年6月21日日曜日

トランプ再選に赤信号 姪や元側近らが暴露本を発売

 11月の米大統領選に向けて、トランプは支持率でバイデンに15ポイント近くの差をにつけられています。それでもバイデンの勝利が確定的とまでは言えないというのは、米大統領選の特殊性なのでしょうか。

 ボルトン前大統領補佐官が23日に出版予定のトランプ政権の内幕を描いた暴露本について、政権側が機密が含まれているとして出版差し止め求めたのに対して、米連邦裁判所は20日、出版差し止めを認めない判断を示しました。
 本の題名「それが起きた部屋」で、大統領執務室で起きた出来事を振り返る内容とされています。トランプにとって色々と都合の悪いことが出てくるようです。

 トランプに関しては、既にワシントン・ポスト紙の女性記者による暴露本が16日に出されています。
 それらに加えて8月には、トランプと20来険悪な関係にあるという姪(メアリー)が、身内しか知り得ない実話を盛り込んだ暴露本を出す予定だということです。

 こんな風に、国民には知られたくないトランプの大統領としての言動、家庭内における実像、そして身内に対する在り方などが次々と暴かれれば、大統領選に有利な筈がありません。それでなくてもいま国内問題化している黒人問題に対しても、何等見るべき見解を発信できていないトランプが再選される可能性はどう見ても低いと言わざるを得ません。

 そうであればこれまで世界で最もトランプと親交があるかの如く振る舞う一方で、その実ひたすら媚を売っているにすぎないとみんなに見抜かれている安倍首相は、その後はどうするのでしょうか。
 トランプに言われるままに爆買いした百数十機の役に立たたない(⇒ソフトが未完成)のF35戦闘爆撃機などは、まさに「死屍累々」とでも形容するしかありません。

 それはともかくとして暴露本に関する日刊ゲンダイ、中日新聞 、BBC NEWSJAPANの記事を紹介します。
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姪や元側近が暴露本発売 トランプ再選に灯り始めた赤信号
 日刊ゲンダイ 2020/06/19
 ついに身内が反旗を翻した――。トランプ大統領の姪が暴露本を出すことが話題になっている。
 彼女はトランプの実兄フレッド・トランプ・ジュニア(故人)の娘メアリー・トランプ(55)。2018年にニューヨーク・タイムズ紙がトランプの税逃れを調査した際、自分が果たした役割や、麻薬中毒に陥ったフレッドをトランプが放置し、42歳で心臓マヒで死亡したことなど、身内しか知り得ない実話を盛り込んでいる。8月11日に発売される予定だ。

 国際政治経済学者の浜田和幸氏が言う。
「トランプ大統領は兄のフレッドを差し置いて父親から4億ドルを超える遺産を相続しています。これは父親の遺言を都合よく解釈して、自分には財産を一番多く受け継ぐ権利があるとゴリ押ししたからだともいわれています。それが原因なのか、フレッドはアルコールと薬物の中毒になり、若死にしています。また、メアリーには脳性マヒの兄がいましたが、トランプは金銭面でも精神面でも一切サポートしなかった、ともいわれています。そうしたことから、トランプとメアリーは、この20年ほど犬猿の仲です」

 トランプ関連では他に2冊の暴露本が進行中だ。1つは16日に発売された。著者はワシントン・ポスト紙の女性記者だ。結婚前のメラニア夫人がトランプの女性の趣味を研究し彼を籠絡したことや、ホワイトハウスの人事に口出ししていることを暴露。また、トランプ家ではメラニアと息子のバロンはトランプが理解できないようスロベニア語で会話しているそうだ。

 もう1冊は大統領補佐官を務めたボルトン氏の回顧録で23日に発売予定。トランプ陣営が発売を延期するよう連邦地裁に提訴するなど水面下で駆け引きが続いている。

 気になるのは11月の大統領選に与える影響だ。情勢調査では民主党候補のバイデンに投票すると答えた人は55%で、トランプの41%をリード。トランプの支持率は39%、不支持率は57%と不支持が大きく上回っている。
「米国民には家族に冷淡な人に厳しい目を向ける人が少なくないので、メアリーの本でさらに支持率が低下するかもしれません。ただし、何が何でもトランプを支持する岩盤支持層も3割前後いる。バイデンが勝利を確実にするためには、すでに公表している副大統領を女性にする方針に加えて、黒人の起用を決めるのが上策です。黒人の女性副大統領候補を発表すれば、かなりの確率でバイデン勝利になるかもしれません」(浜田和幸氏)
 人種差別反対デモと暴露本3連発でピンチのトランプ。起死回生の秘策はあるのか。


暴露本、出版差し止め認めず 米連邦裁判所、ボルトン氏著書 
中日新聞  2020年6月21日
 【ワシントン共同】米連邦裁判所は20日、ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が23日に出版予定のトランプ政権の内幕を描いた暴露本について、政権が求めた出版差し止めを認めない判断を示した。米メディアが伝えた。 
 本にはトランプ大統領が中国の習近平国家主席との首脳会談で、11月の米大統領選での再選支援を要請したことなどが書かれているとされる。 
 本は、大統領執務室で起きた出来事を振り返る内容とされ、題名は「THE ROOM WHERE IT HAPPENED(それが起きた部屋)」。政権側は機密が含まれているとして出版差し止めを申し立てていた。


トランプ氏、習氏に再選支援を求めたか 前補佐官が暴露
BBC NEWSJAPAN 2020年06月18日
ドナルド・トランプ米大統領が大統領再選を目的に、中国の習近平国家主席の支援を取り付けようとしていたと、ジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が新著で明らかにしていることが17日、明らかになった。

「The Room Where It Happened」(それが起きた部屋)と題したボルトン氏の回顧録は、今月23日に発売が予定されている。トランプ政権は「機密情報」が含まれているとして、出版差し止めを求めて提訴している。
米メディアによると、ボルトン氏は同書の中で、トランプ氏がアメリカの農産品の購入を中国に求めていたとしている。
11月の大統領選でトランプ氏と争う野党・民主党のジョー・バイデン前副大統領は、この回顧録について、「もし内容が本当ならば、道徳的に唾棄すべきだというだけでなく、ドナルド・トランプはアメリカ国民への神聖な責務に違反したことになる」と声明を出した。

BBCのアンソニー・ザーカー北米担当記者は、今回明らかになったのは「ウクライナ疑惑」同様、トランプ氏が自らの政治的利益のために外交を利用したことを描く深刻な内容だと指摘する。
大統領選まで5カ月を切り、足場を固めるのに苦労しているトランプ氏にとって、痛手となるとみられるという。

大阪で会談した際に
米紙ニューヨーク・タイムズに掲載された著書の抜粋によると、昨年6月に大阪であった主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)でトランプ氏と習氏が会談した際、習氏は中国に批判的なアメリカ人たちが新たな冷戦を呼びかけていると不平を言った。
トランプ氏は、習氏が米民主党の政治家のことを言っていると考えたという。
ボルトン氏は、「トランプは驚いたことに、話題を次期(2020年)大統領選挙に変えた。中国の経済力をほのめかしながら、再選できるよう習氏に懇願した」、「彼は米農家の票と、中国が大豆と小麦の購入を増やすことが、選挙結果を左右すると強調した」と振り返った。
習氏が貿易交渉で農産物を優先させることに同意すると、トランプ氏は習氏を「中国史上最も偉大な指導者」と呼んだという。
一方、米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表は17日夕、トランプ氏が再選の支援を求めたことは「1度もなかった」として、ボルトン氏の説明は不正確だとした。

収容施設は「正しいこと」
ボルトン氏は、米中首脳会談に先立つG20サミット夕食会での会話についても著書で言及。
トランプ氏は、中国西部・新疆ウイグル自治区における収容施設の建設について、「正しいこと」なので進めるべきだと述べたとした。
収容施設にはウイグル人などの少数民族100万人近くが罰や教化のため拘束されているとされ、人権団体が中国を厳しく批判している。

英国が核保有国とは知らなかった?
ボルトン氏の回顧録はまた、マイク・ポンペオ国務長官などトランプ氏の複数の側近が、トランプ氏のために働くことにいら立ち、嫌悪感から辞任を考えたとした。
ボルトン氏がホワイトハウスで働き始めた際、ジョン・ケリー首席補佐官(当時)は、「ともかくここを出たくて自分は必死だ。君には想像もつかないだろう。ここは良くない職場だ。そのうち分かるよ」とボルトン氏に言ったという。
また、2018年にトランプ氏が北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長と会談した際には、ポンペオ氏がボルトン氏に「(トランプ氏は)本当にでたらめばかりだ」とメモを回してきたという。
「(トランプ氏は)他人の動機を勘ぐり、陰謀を疑い、巨大な連邦政府はもちろん、ホワイトハウスの運営方法についても、驚くほど理解しないままだった」と、ボルトン氏は書いている。
ボルトン氏によると、トランプ氏はイギリスが核保有国だと知らなかった様子だという。フィンランドが国だということも、知らなかったとしている。
トランプ氏は、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国が防衛予算を増やさないなら、アメリカは脱退すると脅すつもりだと話したこともあったという。
さらに、全般的にトランプ氏に忠実なポンペオ氏が、トランプ氏と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の電話会談に同席中、「心停止」しそうだとこぼしていたとも記している。
ボルトン氏はさらに、米ABCニュースに対して、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「(トランプ氏のことを)思いのまま操れると考えていると思う」と話した。このインタビューは21日に放送される。

「最高機密」の削除を拒む
ボルトン氏の著作をめぐっては、「最高機密」の詳細が含まれているとして、政府が1月に削除を要求。ボルトン氏はこれを拒んだ
著作には、今年初めの大統領弾劾裁判の核心だった「ウクライナ疑惑」に関する内容が含まれるという。
その中には、トランプ氏がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に対し、ジョー・バイデン前米副大統領と息子ハンター氏についての汚職捜査を始めるよう圧力かける目的で、軍事援助を停止したとする項目も含まれるとされる。
トランプ氏がウクライナの大統領に電話をした昨年7月の時点で、バイデン氏は民主党の大統領候補になる最有力とされていた。今では、秋の大統領選でトランプ氏と争うのが確実となっている。

トランプ氏はこの疑惑を一貫して否定。与党・共和党が多数派の上院で2週間にわたって開かれた弾劾裁判で、無罪評決を受けた。弾劾裁判では証人は1人も呼ばなかった。
ボルトン氏は2018年4月にトランプ政権のスタッフとなり、翌年9月に辞職を発表した。これに対しトランプ氏は、ボルトン氏がトランプ氏に「強く」反対したため解任したと説明した。(英語記事 Trump sought Xi's help with re-election - Bolton)