2020年6月24日水曜日

河井“金欠”夫妻の懐事情を徹底検証~ (日刊ゲンダイ)

 日刊ゲンダイが河井夫妻の懐事情を徹底的に検証しました。
 河井夫妻は昨年の参院選で地方議員ら94総額2570万円を配ったといわれますが、自民党は党から振り込まれた1億5千万円とは別のカネが使われたとしています。
 振込額の8割:1億2000万政党助成金なので「交付罪」を避けるためにもそう主張するしかない訳です。
 しかし国会議員の資産公開によると夫妻の預貯金はゼロで、参院選の前年18年分の克行氏の所得は議員歳費や講演料など約2011万円に対して、昨年11時点で2144万円の住宅ローンが残っているうえ、関連の政治団体3つの繰越金等も僅かなので、買収用に別枠の原資を持っていたと考えるのは無理です。買収原資の大半は党拠出の1億5千万円とみるのが妥当で、現実に案里氏は選挙直後に約3000万円の借入をしています。

 2人の逮捕を受けて急拡大しているのが安倍首相嫌い」です
 世論調査でも「安倍首相の責任は重い」59%(毎日)、「安倍首相に大いに/ある程度責任がある」76%(共同)、「安倍首相の責任は大きい」58%(朝日)となっています。
 世間の目は決して甘くはありません。
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河井“金欠”夫妻の懐事情を徹底検証…案里には怪しい借金も
日刊ゲンダイ 2020/06/23 
「これは気持ち」「ひとつ応援を」――たった数分で現金を置いて去ること実に121回。買収の疑いで逮捕された前法相の河井克行、妻で参院議員の案里両容疑者が、昨年の参院選で地元に配った金は計94人、総額2570万円に上る。
 原資は、自民党本部が提供した破格の1億5000万円ではないか。安倍首相と二階幹事長は「公認会計士が支出をチェックしている」と否定するが、眉唾だ。河井夫妻の懐事情を検証すると、とても2570万円を配るだけの財力はない。

 国会議員の資産公開によると、夫妻の預貯金はゼロ。資産と呼べるのは、それぞれ所有の自家用車と、結婚した2001年に克行名義で購入した選挙区の広島市安佐南区にある築19年の6階建てマンション最上階の1室くらい。その登記簿を確認しても、参院選前後に新たに抵当権を設定するなど“借金のカタ”にした形跡はない。
 参院選の前年、18年分の克行容疑者の所得は議員歳費や講演料など約2011万円。昨年11月29日時点で2144万円の住宅ローンが残っており、収入の全てを買収には充てられないはずだ。
 克行容疑者の関連政治団体は計3つ。資金管理団体「日本の夢創造機構」の収支報告書を見ると、18年分の収入は約1278万円。全支出を除いた翌19年への繰越額は約10万円だった。「河井克行後援会『三矢会』連合会」の繰越額も同約2万円に過ぎない。

 残るは破格の資金の受け皿にもなった克行容疑者が代表の「自民党広島県第3選挙区支部」。地元事務所の人件費や家賃、光熱水費などを負担し、毎年3000万円程度を計上してきた。18年分の収入約5586万円から翌19年への繰越額は約1122万円。3団体の経常経費を考えれば、買収資金の捻出は困難だろう。

「克行さんはサラリーマン家庭育ち。政治の道を志してからは、父親が家を担保に入れて工面したほど資金集めには苦労した。節約のため、事務所のエアコンは使用禁止。後援者から『コーヒーもおごらない』とヤユされるほどの吝嗇家です。案里さんも、建築家の父親がバブル崩壊で事務所を畳み、焼き肉屋の経営にも失敗。決して裕福ではない」(地元関係者)
 そんな金欠夫婦の懐事情に変化が生じたのは、克行容疑者の法相辞任後だ。配偶者や扶養親族分も含む大臣の資産公開によると、就任時に妻・案里容疑者の借入金はゼロだったのに、離任時には2900万円と訂正したのだ。

8割は国民の血税
「不可解な借金のヒントは21日付の毎日新聞。参院選直後に資金が底を突き、未払い金の清算のため、案里議員が地元金融機関に約3000万円の融資を依頼した旨を報じました。ロクに担保もなく、これだけ借り入れできるのかという怪しさは残りますが、訂正とのツジツマは合う。やはり買収原資の大半は、党拠出の1.5億円とみるのが妥当です。安倍首相は案里陣営に自分の秘書を派遣した手前、捜査が及ぶのを恐れ、二階幹事長と言い訳の口裏を合わせているだけでしょう」(政治資金に詳しい神戸学院大教授・上脇博之氏)
 提供した1.5億円のうち1.2億円は政党助成金。つまり8割は血税だったことも判明した。露骨な尻尾切りを許してはいけない。

克行容疑者は現金とポスターを手渡し
 昨年7月の参院選をめぐり、克行容疑者は後援会関係者や有力者計数十人に投開票日の1~2カ月前ごろ、案里容疑者のポスターとともに現金を渡していたという。23日の読売新聞が報じた。
 相手が受け取りを拒むと、克行容疑者は「ポスター掲示の手間賃」「ガソリン代」などと押し付けたという。資金提供の時期が参院選に近く、選挙応援の「実動部隊」となる相手でもあることから、東京地検特捜部は買収の意図を裏付ける根拠とみている。
 また、23日の毎日新聞は、克行容疑者がパソコンで管理していたとされる「買収リスト」が、陣営スタッフが共有するフォルダー内になかったと報じた。克行容疑者が現金提供の違法性を認識し、スタッフに隠していたとみられる。

安倍首相の説明「不十分」80%
 2人の逮捕を受けて急拡大しているのが、安倍首相嫌いだ。
 朝日新聞の世論調査(20、21日実施)によると、公選法違反(買収)容疑で前法相の衆院議員河井克行容疑者と妻の参院議員河井案里容疑者が逮捕された事件をめぐり、克行容疑者を法相に任命した安倍首相の「責任は大きい」が58%に上り、「それほどでもない」の35%を上回った。昨夏の参院選で自民党が河井陣営に工面した軍資金1.5億円について、党総裁の安倍首相の説明が「十分ではない」が80%に達した。
 コロナ禍をめぐる評価もボロボロ。政府対応を「評価しない」が51%、経済対策を「評価しない」は53%。トンネル法人を使った中抜きが発覚した持続化給付金事業は「問題だ」が65%。

4選「反対」69%
 党則再変更によるアベ4選に「反対」が69%で、「賛成」19%を大きく上回った。内閣支持率は31%で、前回5月調査と比べ2ポイント増。不支持率は変わらず52%だった。